実力
(私ってどこまで強くなったのかしら?)
マリアは常々そう思っていた。相手がいなかったのだ。
(一応、人一倍努力したつもりだけど。…!人が襲われている!)
すぐに駆けつける。
(調度良い相手が見つかった!)
「大丈夫ですか?」
「え、ええ。」
「なんだぁ?てめぇも、身ぐるみ剥がれたいのかぁ?」
「へへ、よく見ると良い女じゃねえか。兄貴、遊んで良いよな?」
「ああ、いいぜ。」
「ふっ!」
マリアは、剣を振るう。が、自分から飛ばされた。
(避けられた!?私ってこの程度…。)
と思っていたら泡を吹いて倒れた。
(えっ?ひょっとして、避けたのでなく風圧で飛ばされただけ?)
「ひっ!逃げるぞ!」
マリアはデコピンをしてみた。
メキメキメキメキィ!
「ぐあー!!」
(えええええーーー!!デコピンでーーー!!!)
「ありがとうございました。おかげで助かりました。お強いんですね。」
「い、いえ。気にしないで。」
(自業自得…よね?デコピンで頭の形が変わっていても仕方ないわよね?それにしても、バカみたい弱かったわね。うっかり殺してしまいそうになったわ。結局今の自分の強さがわからなかったわね。)
しかし、実際倒したのはBランクの実力の持ち主だった。
「そこまでお強いのなら闘技場に出てはいかがですか。賞金がもらえますよ?」
賞金ね。所持金も減ってきたし参加しようかしら?
「…考えておくわ。」
「闘技場すごいんですよ!『最強』の名が欲しくて、二つ名を持つものがたくさん集まってくるんですよ!しかも、賞金は1万G!」
二つ名?それは、いらない。狙うのは、賞金だけ。
「よかったら、貴方の家まで護衛しようかしら?」
「いいんですか?すみません、お願いします。」
こうしてこの場を後にした。