89/220
護衛依頼
何時ものごとく、ギルド長に呼ばれていた。
(はあ、良く呼ばれるなあ。頼りにされるのは嬉しいけどさ。)
「依頼がある。」
「何の依頼ですか?」
「人族の国の一つ、キリカの次期女王の護衛だ。」
(キリカかぁ。クレイの妹、元気だといいな。)
キリカは、平和主義派に好意的な国だ。コテナが困ったときも、たびたび力を貸してくれる。
「すごい、大役ですね。私達でいいんですか?」
「生憎、Sランク冒険者は出払っている。それに君達のことは、信頼している。」
(それは、どうも。)
「私達だけで、大丈夫ですかね?」
「少数精鋭が好ましいそうだ。国への訪問の時に、相手を威圧しないために。それに、次期女王は、ある程度戦えるらしい。精霊魔法で。」
「あれ?今の女王って人間なのでは?その夫がエルフなのですか?」
「いや、その次期女王は、養子だそうだ。」
(へぇー、それってまるで…、)
「ちなみにその次期女王の名前はクレア・レールだそうだ。」
(クレイの妹みたいだ。)