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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第7章 血闘
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解決策

シオンが笛を吹く。20分後。

『呼んだか?』

シオンは、不死鳥と別れ際、この笛を吹いたら余裕があるなら来てほしいと言っていた。

(本当に来たわね。)

「姉さんが、吸血鬼の血を飲んでしまったんですよ。なんとかできませんか?」

『私の血を飲ませれば、大丈夫だ。それだけか?』

「実は、…」

クリスの状態を説明する。

『ふーむ、それは血を飲ませても意味はないな。解決策も思い付かない。力になれそうにない。済まない。』

「そう、ですか。」

シオンが何やら、思い詰めている。

(何を考えているの?)

『とりあえず、血を…。』

シオンが血をコップに入れる。そして、縄で拘束しているフィオナに飲ませようとする。

「放しなさい!いやあ!…むぐ!」

フィオナに血を飲ませると眠ってしまった。

「すぐに治るわけではない。効果が出始めているうちは、眠ってしまうのだ。落ち着くと目を覚ますだろう。」

そう言って不死鳥は帰っていった。




「どうすんだ?」

ランドが言っているのは、クリスのことだ。

「要するに、一人でもいいからクリスと一緒にいてくれる人がいればいいんですよ。」

(本当に何するつもり?)

クリスのもとへ行く。クリスも今、縄で拘束されている。

「ほどいて、ほどいてよ!」

「クリスは、僕達に先立たれることを恐れている。だから…」

シオンが、何かの覚悟を決めてクリスに聞こえるように言った。

「僕は、貴方の傍にいることを誓います。吸血鬼にしていただいても構いません。」

(……えっ?えええええーーー!!吸血鬼になるって、いやその前に。プロポーズしなかった~ーー!!)

「お、おいシオン…。」

「シーナに聞きました。解決策は時間だけだと。でも、その時間が個人差もありますが約3ヵ月。この状態のクリスが3ヵ月ですよ。クリスが壊れてしまいます。」

「で、でも…」

「大丈夫ですよ。3ヵ月の辛抱です。血を流し込まれて吸血鬼になってしまっても、不死鳥の血で治せます。吸血鬼になるのも悪くありませんが。」

「だ、だが、傍にいるって。」

「期間は言ってませんよ。問題ありません。」

(そういうことね…。)

それから3ヵ月間、文字どおりクリスから片時も離れることなく(お風呂やお手洗いは流石に出入り口で待機)、症状が落ち着いたところでいつもの関係に戻った。クリスが少し残念そうだったけど。

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