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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第1章 魔族軍の戦争主義派襲来
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シオンとランドがスライム退治に励んでいる間のエリシア

「はあ、シオンかクリスどちらか一緒がよかったなー。」

シオンは、私が依頼を受ける前に出掛けてしまい、クリスは、人間と吸血鬼のハーフだからと遠慮してしまっていた。ハーフは基本、どちらの種族にも受け入れてもらえない。ハーフだからというだけで、殺そうとしてくる人もいるくらいだ。そのため、クリスはあまり出掛けたがらない。だからエリシアも無理は言わなかった。

ちなみにエリシアが受けた依頼は、魔王城に食料物資を届けることだ。尚更クリスは、連れて行けなかった。

そして、エリシアが準備をしている頃、ギルド長が心配そうに話しかけてきた。

「それじゃあ、頼むよ。人間を快く思っていない魔族も多い、気を付けるんだよ。というより大丈夫なのかい?この量。」

「大丈夫、余裕よ。」

そして、エリシアは指鳴らす。その瞬間、空間が歪み始め、大量の食料物資と共にエリシアは姿を消した。




エリシアが使った魔法は『空間転移(ワーム・ホール)』だ。位置さえ確認できれば、どこでもたどり着くことができる。

そして、エリシアは魔王城の門前にたどり着いた。

「お待たせしました。」

「む!何者だ!」

いきなり魔族軍の兵に囲まれる。ギルド長は、『空間転移』で来ることを伝えて無かったみたいだ。そのため、

(ギルド長、あんたが気を付けなさいよ…。)

とエリシアは思った。

「依頼の食糧物質をお持ちしました。」

そう言って袋一つを見せる。

「これだけか?」

「いえ、残りは私の独特魔法で異空間に入れてあります。」

「そ、そうか。」

魔族軍の隊長らしき人物が少し引いた。その態度にエリシアは少し腹が立っていたが、そこで怒るほど

子供ではない。

「済まないが、確認をとりたい。ギルドカードを持っているか?」

エリシアは、ギルドカードを見せた。すると、態度を軟化させ、

「では、魔王様のいる部屋まで案内しましょう。」

その後、兵士の一人が魔王城の中を案内し始めた。その間、近くの魔族が、何でこんなところに人間が…とか人間が魔王城に足を踏み入れるなど!…とひそひそ聞こえてくる。

(はあ、人族と魔族の溝が深いわね…。)

溝の深さを感じ、溜め息を吐いた。そうしている内に、魔王が待っている部屋の前に着いた。

「こちらの部屋で魔王様がお待ちです。」

「案内ありがとうございました。」

軽くノックをする。その後すぐに、入っていいという声が聞こえた。

「失礼します。依頼を受けた『フリーズ』の者です。」

以外にも魔王は、女性だった。銀色の長髪で蒼の綺麗な瞳をしている。全体的に美人って感じだ。

(綺麗…。それでいて、すごい魔力を感じる。魔王を名乗るだけのことはある。でも魔王って男で、人間どもを皆殺しじゃあ!とか言ってそうなイメージだけど…。…いや私も隊長らしき人を失礼ねと思ったけど、人のことは言えないわね。)

「依頼の食料物資を持ってきました。どうぞ、ご確認ください。」

「…うん、ちゃんと依頼された分だけあるようだな。ご苦労であった。こちらが、報酬だ。」

そう言われて報酬の魔石を受けとる。魔石と言うのは武器や防具に組み込むことで、魔法を使用する際に魔力を抑えたり、その武器や防具の攻撃力、防御力を強化することができる。けど、

「毒が入っているかとか確認しないんですか?」

「私は、コテナの人々を信頼している。まあ、結局煩い部下が確認するだろうが…。」

(まあ、それが普通よね。)

「報酬ありがたくいただきます。それでは、…」

そう言って帰ろうとするが、

「いや、先程部下達が失礼した。お詫びと言ってはなんだがこちらで泊まっては、どうだろうか?明日は、魔族の料理をご馳走しよう。」

兵に囲まれただけで、自分達の国のトップを守ろうとしてのことだから悪い気はしなかった。寧ろ、その姿勢に好感が持てるとさえエリシアは思っていた。

だから、『気にしなくていい』と、そう言おうと思ったが、

「いや、これはただの口実だな。私は、人族と話をする機会がなくてな。ただ、貴方と話がしてみたいだけだ。」

エリシアが人族と魔族の関係を考えると、暗殺されることを恐れた部下や国民に止められる光景が目に浮かんだ。

(悪意も感じないし、いいかしら。)

「それなら…、わかりました。ご厚意ありがたくお受けします。」

皆には、一泊すると言ってある。本当は、シオンに新しい剣か小手を作ってもらうための素材集めをするための期間だったが、

(また今度でいいかしら。)

そして、エリシアは一泊するための部屋に案内された。


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