戦後処理
「…でどうする?というより背中に刺さった剣抜いてくれねーか?」
「どうしましょう?後今抜きますね。」
目の前に転がっている50000の敗残兵。これをどうするのか全く考えてなかった。いろいろ考えているとシオンの隣で空間が歪み始めた。
「シオンー!」
メキィー!!
「ふぎゃー!」
空間から飛び出してきたのは、エリシアだった。そして、すぐにシオンを抱き締める。エリシアは、ものすごい怪力の持ち主で、そのため珍しくシオンが悲鳴をあげている。気を抜いていたせいでかわせなかったらしい。ちなみにエリシアがここに来るのに使った魔法は、空間を歪ませて好きなところを行き来できる『空間転移』という魔法であるのだが、
「遅かったな、どうしたんだ。」
ちなみにエリシアが受注していた依頼というのが、魔王城へ食料物資の運搬だった。10万の魔族が1ヶ月生きていける量だったらしい。
(『空間転移』便利だな。それとエリシアも無事でよかった。)
「お礼に食事に誘われてたからね。ご厚意を無駄にするのもね。」
なるほど。それにしても、
「シオン、大丈夫か?」
「…魔族から受けたダメージよりも、…女性に抱き締められたときのダメージ方が大きいとか…格好悪い。」
(おお、無事だったか。)
「魔王城でコテナが攻められていると聞いて飛んできたんだよ。」
(空間をな。それにしても、調度いいところで帰ってきたな。ということで…)
「エリシア、悪いんだけどこの兵達を魔王城に運んでくれないか?」
「えー!帰ってきて早々!」
「駄目なのですか?」
「喜んで♪」
(おいこら!なんだこの違いは!いや気にしたら負けか。はあ。)
エリシアが指を鳴らす。それだけで、エリシアと兵達は姿を消した。
(便利だなホント。)
それから魔王城に兵達の身柄を引き渡した。そして、三日後。何でもその兵達がまた今度勝手なことをしたら、死ぬ呪いをかけたらしい。
(それなら最初から…、いや何もしていないうちからその呪いはかけられないか。はあ。)
その連絡を聞いて、ランドは溜め息を吐いた。