決着
残酷な描写があります。
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「ちっ!増えやがった!」
「ヘロヘロじゃねぇか、シオン。」
「かなり苦戦しましてね。情抜きで。」
実際、母さんじゃないと割りきっていた。ヘロヘロなのは血が減ったからだが。
(シオン、こいつも不死身だ。どうすればいい?)
(…では…。)
小声で作戦を告げた。
(わかったわ。やるわよ!皆!)
「「「「「『スピリッツⅢ』!」」」」」
「『斬波』!」
エリシアが剣に持ち変え、斬撃を飛ばし首を切り落とす。
「ぐあああー!…なーんてな!」
そこからまた首が生えてきた。
(気持ち悪い。でも、首が無くなっている間は、何も見えないでしょう?)
僅かに隙ができた。
「我が前に立ち塞がる者の動きを止めよ。『縛』!」
「ふん!この程度の拘束…。」
「ノーム、力を貸して!」
「アイアイサー!」
「「大地よ、敵を岩の檻に閉じ込めろ。『岩檻』!」」
「何!」
「シヴァ!」
「了解よ!」
「「氷よ、敵を氷の板で箱を作り全てを閉じよ!暗闇の中に…『氷箱』!」」
「くっ!出せコラ!」
男を二重に閉じ込める。その間に、
「『魔力活性』!」
ランドがクリスの魔力を活性化させる。
「魔砲よ、己の限界を超え解き放て!『限界魔砲』!」
(後は、クリスが引き金を引いて二重の檻ごと男を消すだけ…なんだけど。)
シオンは、できれば自分かランドでとどめを刺したかったと思っていた。しかし、不死身ならシオンもランドも不可能だった。
その気持ちを読み取ってか、クリスがシオンとランドに引き金を引くように促す。
(…ありがとう、クリス。)
「母さんのような人を」
「クレイのような人を」
「「これ以上出すわけにはいかない!永遠に、…眠れー!!」」
引き金を引く。
「ぐぎゃああアアア!!」
男は、…消えた。