スピリッツⅣ
時は少し遡る。
シオンが『スピリッツⅢ』を使えるようになった頃のこと
(師匠は、言っていましたね。Ⅴになると人間に戻れなくなると。ということは、Ⅳの時点で人の姿を半ばやめているのではないでしょうか?)
そして、シオンは師匠が言っていた足りないものは、Ⅳになるためのイメージだと思った。
(どうイメージすれば良いかわかりませんね。では、片っ端から…)
(虎!…違いますね。ドラゴン!…でもない。仮説が間違えているのでしょうか?)
すると、ふとピイちゃんこと不死鳥が頭を過った。
(不死鳥!で、できた!ぐう!)
しかし、一秒しか維持できなかった。これでは使えない。その後何度も練習を重ね、ようやく30秒維持できるようになった。
そして、現在
「混沌よ、全てを飲み込み無へと還せ。我が血を代償に。『黒渦』!」
これは魔法ではなく、Ⅱになった時に使える『スピリッツ技』。段階が大きくなるごとに威力が上がり、範囲も広くなる。シオンの場合は、血を結構失い貧血になってしまう。
ちなみにシオンは『スピリッツⅣ』のことは、皆に教えてある。しかし、まだできないみたいだ。
アリスは混沌の渦に飲まれた。
「おやすみ、母さん。」
最後に別れの言葉を贈った。
「うっ!」
シオンは軽く目眩がした。貧血だ。
「せ、せめて見届けないと。」
本音は、一緒に戦いたかったが、間に合うかどうか自信がなかった。
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???技→スピリッツ技