息子vs母親
(そんな!母さんは、確かに死んだ!遺体だってきちんと埋葬すると村長も言っていた!まさか、埋葬しようとした人達を殺して、遺体を持ち去った?許せません!)
「母さん!母さん!」
フィオナが不用意に飛び出す。
(それは、母さんじゃないです!)
アリスが剣を降り下ろす。
「危ない!」
ランドがフィオナを突き飛ばす。ランドも間一髪でかわした。
「皆!ここは、僕に任せて先に行って!」
(あの時は助けられなかった。だから、せめてあの男の呪縛を解く。あの男の処分は、ランドに任せる。頼みましたよ!)
「な、何言ってるの?母さんを殺すの?」
「あれは、母さんじゃありません!エリシア!姉さんを連れて行って!」
「…わかった。」
そう言ってエリシアはフィオナの腰を持ち上げて走っていった。
「放して!シオンを止めて!」
「まさか、母さんと戦うことになるなんて。」
「…。」
「…では、いきますよ!」
シオンは、『鳳仙花』を繰り出す。『鳳仙花』は、力強い三連撃を繰り出す秘技。だが、シオンはアリスの姿を見失った。
(母さんが消えた?)
ズバッ!
「ぐっ!」
気がついたら、背中を切られていた。
(スピードで負けている。なら、最初から全開でいかせていただきます!)
「『スピリッツⅢ』!」
(今なら3時間維持できる。これで…。ぐあ!)
しかし、見えるようにはなっても、ついていけてなかった。
(こんなに差があったとは思いませんでした。)
操られているせいで技もなにもなく、こっちは『スピリッツⅢ』まで使っている。それなのに負けている。
(『桜』!)
(隙ができた!狙うのは、首ではなく核。いけ!)
しかし、簡単にかわされる。
(…もう、これしかない。30秒しか維持できませんけど、)
「『スピリッツⅣ』!」
シオンの背中に半透明な黒い翼が生えた。
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『スピリッツⅣ』new !