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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第0,7章 6人目になるはずだった者
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クレイの妹

今、ランドはクレイの妹クレアと二人きりだ。

「この人殺し!兄さんを、兄さんを返してー!」

何も言えない。クレアが咳き込む。身体が弱いようだ。すると、クレイの祖父が、クレアを部屋の外に追いやり、

「事情は、聞いた。ありがとう。」

「…感謝されるようなことはしてません。」

(助けられなかったんだ!畜生!)

思わず泣きそうになる。

「ワシは、もう長くない。クレアは、貴族の養子として、迎えられることになった。」

子供が産まれず、養子を探していた貴族がいたらしい。

(クレイ…、お前の妹は恐らく不自由ない生活をおくることができるだろう。よかったな。…本当は、お前が守りたかっただろうけどさ。)

「これを。」

「これは?」

「クレイの大切にしていた腕輪だ。受け取ってほしい。」

「…いいのか?」

「クレイもその方が喜ぶだろうて。」

「…ありがとうございます。」




クレイの墓参りに行く。墓の前に立った瞬間、ランドはもうクレイがいないことを実感した。そして、思わず泣いた。

「わあああーん!!」

(ごめん、ごめんなあ。)

その後、クレイのお墓の前で別れを告げて皆のところに帰った。




シオンが家の前で待っていた。よく見ると目が真っ赤だ。相当泣いたようだ。

「別れは、済みましたか?」

「…ああ。」

(だが、それを言いたかった訳じゃないんだろう?)

「師匠は、復讐はするなと言っていました。」

「それがどうした!」

(あいつだけは!あいつだけは!!)

「しかし、生かしておいても犠牲者が増えるばかりです。だから、覚悟を決めました。」

それを聞いて、ランドは少し冷静になる。

「それは、以前師匠がお前に言っていた、誰かのためにというやつか?」

「そうです。これ以上同じ被害者を出さないためにも…。だから、ランドも誓ってください。復讐には呑み込まれないと。」

「…ああ!」

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