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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第0,7章 6人目になるはずだった者
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嫌とは言わない理由

翌朝

クレイが俺のところに顔を出してきた。何か覚悟を決めた顔だ。

「ランド。」

「何だ?」

「君達の師匠に僕を紹介してほしい。」

「はあ!?」

ランドは、正気を疑った。普通あれを見て参加したいとは思わない。

「わ、わかった。案内するぜ。」

戸惑いながら、マリアのもとへ案内した。




「…私の修業内容わかってるの?」

「はい!」

「どうして、強くなりたいか聞いてもいいかしら?」

「僕の両親は、戦争で亡くなっていてね。じいちゃんと妹しかいないんだ。僕は、妹を守れる男になりたいんだ。」

「…なるほど…ね。嘘を言ってるわけでもなさそうだし、理由は合格。でも、あまりについていけてなかったら、すぐに追い出すわよ。それと何か覚えたい武器ある?言っておくけど、教えられるのは剣系統だけよ?エルフだから弓は習ってるんでしょうけど。」

エルフは、基本山から出ずに過ごす。そのため、狩りに最適な弓を覚えることが多い。

ちなみにマリアは、誰かと武器が被るように願った。しかし、

「では双刃の凪刀で。」

「また!?また別の武器!?」

また別の武器に嫌気がさしていた。

「師匠!落ち着いてください!」

「はっ!コホン、わかったわ。じゃあ、今日から参加ね。」




今日の修業が終わり、ランドはクレイとシオンと一緒に帰っている。

「み、見ていて、わかって、いたけど、きついし、痛いね。」

「ああ、だが、ちゃんと、身になってい、るんだぜ。」

「そう、なん、ですよね、不思議、ですよね。」

三人ともヘロヘロだった。三人は、少し息を調(ととの)える。

「じゃあ、家あっちだから。」

「ん?住み込みじゃないんですか?」

「愛しの妹がいるんだ。仕方ない。」

「そういうことを言うな!恥ずかしい!」

そう言って別れた。




一ヶ月後

キンッ!

カキン!

クレイとシオンが組み手をしている。

ガッ!

ドシャッ!

足払いでクレイは転倒し、シオンは木刀を突きつける。

「…参りました。」

「うう、大分先輩の筈なのに大差ない。」

クレイの成長はすごかった。あっという間にランドを抜いたのだ。

「ここまで強くなれたら、目の前にいる人くらい守れるよね?」

「そうだなー、でも油断するなよ。いつ何が起こるかわからないんだから。」

そう言って、今日のところは終わった。





翌日、クレイが行方不明になった。

「クレイ!どこだ!どこにいる!」

「師匠!」

「駄目ね…。私の気配察知の範囲外だわ。」




三日後、近くの森の中で発見された。

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