救出
翌日
院長とクリスに挨拶して村をあとにしようとしたところ、院長が縄で拘束されていた。
「い、院長さん!?大丈夫ですか!」
マリアが縄をほどく。
「私のことは、いい。それよりもクリスが…!」
「クリス!?クリスがどうかしたんですか!」
院長から事情を聞く。
(クリス!)
「師匠!」
「なんで、こうトラブルに巻き込まれるかしらねぇ!でも、夜中に孤児院で感じたあの怪しい気配は、こういうことだったか。気配は、覚えてる!あっちよ!」
クリスは今、盗賊に拘束されている。
「む~~!」
「大人しくしていろ!」
「さて、そろそろ移動を再開するぞ。」
「へへへ、これで大量の金が…!」
(私、どうしたら…。)
すると急に、空間が歪み引きずり込まれる。
「な、なんだ!」
「ガキが消えたぞ!」
「探せ!まだ、近くにいるはずだ!」
(大丈夫?)
(エリシア…貴方が助けてくれたの?)
(ええ、私の仲間も来てるわよ。)
「なんだ、このガキ!」
「ハーフを助けたのは、貴様らか!」
「さっさと返しやがれ!」
「元々貴方達のものじゃないでしょうに。」
「同感だ。」
「うるせぇ!こうなったら、身体に聞いてやる!」
「ふん!」
「ぐえ!」
ランドは、拳を突き出す。それだけで一人を無力化した。
(よわ!)
「はあ!」
「ていっ!」
「ぐあ!」
「があ!」
シオンとフィオナもあっさりと残りの二人を無力化し、騒動の幕を下ろした。