戦闘開始
シオンから合図がクリス達には見えた。
(ということで戦闘開始!)
クリスはライフルに魔力込める。
「説得は、駄目だったのか?」
「ええ。」
「聞こえたのか、この距離で…。」
ちなみにコテナは山国であり、クリスとフィオナは、シオンとランドから5キロほど離れているところにおり、見下ろす形になっている。
「二人が目にも止まらぬ速さで魔族軍に向かっていたのにも驚いたが、この距離で会話を聞き取る君もすごいな。さすがマリアの弟子だな。」
(そんなにすごいかしら?シオンもバッチリこっちに目があっていたけど。)
「しかし、魔力を込めてどうする?この距離では…」
「『魔弾』!」
『魔弾』は、無属性の下級魔法。クリスは、ギルド長の言葉を無視して魔法を撃った。そして、
「と、届いた!しかも、なんだあの爆発は!」
平地に大きな爆発が起こった。何人もの兵士が、吹き飛ばれていくのが見えている。
(しまった!威力が高すぎた!シオンは、死者0を目指していたのに。しかもシオンも巻き込んだかも。後で謝らないと。ランド?当たっても痛い!で済むんじゃないの?)
実際にそれで済んでいた。
「痛!おい!今俺に向かって飛んでこなかったか!」
「クリスは、軍の後方狙ってください。範囲が広すぎて、僕達まで当たっちゃいます。フィ…姉さんが僕達の援護をしてください。ランド、気にせず鎮圧しますよ。」
「な、何だ今のは!ええい!さっさとこの二人を殺して攻めこむぞ!」
魔族軍は、シオンが今の攻撃をどうやって指示を出しているのかわからなかったが、彼が指示を出していることはわかった。
しかし、
「なんなんだこの2人は!」
50000人に囲まれての攻撃をシオンは余裕もって回避し、俺は剣や槍で刺されながらも戦う。
(いてー!向こうは、殺すつもりできてるのにこっちは、倒すだけとか割にあわねー!)
不死身であっても痛いものは痛い。ダメージが無いわけではないがマリアとの特訓である程度慣れていた。そのため、槍で刺されようが剣で切られようが痛いで済んでいる。
ランドは内心愚痴りながら、反撃を開始する。
「『一閃』!」
ランドは、大剣で凪ぎ払った。
「ぐあ!」
「ぐえっ!」
ランドは、一気に5人を無力化した。
(負けていられませんね、じゃあ僕も…。)
「『双波』!」
左の剣で横に斬撃を飛ばしたあとに、右の剣で縦に斬撃をとばす。
「ぐう!」
「ぐはっ!」
(敵の数が多い…、姉さんまだかな。)
「フィオナ、準備はできた?」
「まさか君も届くのか?」
「ええ、『追尾矢』!」
『追尾矢』は、弓の秘技『魔術師矢』をアレンジして追尾効果を付与したもの。ただ、
「いっ、いったい何発放つんだ?」
そうギルド長が戦慄している間にも、魔法の矢が出てくる出てくる。
「結局何発放ったの?」
「37456」
「…なんで?」
「そうすれば、ちょうど1人だけ残るからよ。」
(シオン視点)
「ぐああー!」
(おお、矢の雨がすごいですねー。)
シオンは心底そう思っていた。一発も外さず、見事に敵に当たっていく。
(姉さんすごいです。僕も魔法が使えたらなー。)
そう思っていると、一人の人影が見えた。
「どうやらあなただけになったみたいですよ?」
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特技→秘技→奥義 が技の序列。