化け物村
三人は、一ヶ月後体術を極めながら、また別の村へ着いた。
(野宿慣れてきましたねー。)
寝るときは土の魔法で簡単なテントを作る。食事は、野生の魔物や動物を狩る。衣服に関しては、マリアの意外な才能が発揮された。ビッグスパイダーという魔物がおり、その魔物のお腹を殴り、糸を吐かせる。そして、その糸を乾燥させ、服を編んでいったのだ。マリアの服はそのままだが、三人の服はマリアが編んだ物だった。
ちなみに一ヶ月たった今でも、エリシアがシオンに引っ付いている。フィオナが睨む。この立ち位置に全く変化がなかった。
(未だにこれなんですけど。)
村長らしき人が申し訳なさそうな顔で出てくる。
「どうしました?」
「この村に何か用かね?」
「…この村で一泊させていただこうかと。」
マリアは自分の質問に答えず、質問してきたことにムッとしながらも答える。
「悪いことは、言わん。この村に長いこといない方がいい。」
「何故?」
「この村のすぐ近くにあるあの森でたくさんの行方不明者が出ている。」
「遭難しないように気を付けます。」
「違う!後で発見されるのだが、人間じゃない姿で帰ってくるのだ!見ろ!」
村長が指を指す。その先には、顔が歪んでいる者、ゴリラみたいになっている者、他にもおかしくなっている者がいる。
「何があったのか、聞いても誰も話したがらん。相当酷い目にあったにちがいない。用心せよ。」
「忠告ありがとうございます。」
こうして四人は、宿で一泊した。