旅立ち
一週間後シオンは退院した。
「ピィちゃん。」
「ピィ?」
「これから僕達は、遠くへ旅することになったんだ。だから、ここでお別れ。自然に帰って。」
「ピィ、ピィ!」
連れていってほしそうに鳴く。
「ダメなんですよ。僕やフィ…姉さんには、餌を作ったり、薬を作ったりするスキルが無いんですよ。」
いつも、餌はマリアが作っていた。不死鳥だから病気になることがないのだか、シオンはそれを知らない。
(また、何か飼うときのために薬作れるようにしましょう。姉さんが餌をかな?)
「ピィ!」
すると、ピィちゃんは、自分の羽を一本抜いた。
「あげるって?」
「ピィ」
「ありがとう、大切にするね。」
30分程かけて、簡単な髪飾りができた。
(僕は、男だけど、良いですよね。)
「お待たせしました。」
「シオンー、準備できた?あら可愛い髪飾りね。」
(不死鳥の羽だ。贅沢ねぇ。羨ましい。)
「似合ってますか?」
「ええ、似合ってるわよ。フィオナも準備できたみたいだし行きましょう。」
「何処に行くんですか?」
「そんなの適当に決まっているでしょ?」
(目標があったら、着いた瞬間旅終わっちゃうじゃない!)
「私に任せなさい!」