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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第0,1章 シオンとフィオナとの出会い
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残されたもの

(うぁ、う。)

シオンは、悲鳴をあげそうになったが、声を漏らさないように手で口を押さえていた。

「残念だったな。お前の速さには、対策済みだ。俺を研究者と思って、キメラに意識しすぎたな。って聞こえてないか。」

「く、うぅ!」

アリスは、胸を押さえて(うめ)き声をあげる。

「このまま、ほっといても死ぬな。俺は、忙しいんでな。精々苦しみながら、死ね。じゃあな。」

そう言って男は、去っていった。

(母さん!)

シオンは、急いでアリスを担ぐ。

(重い…、なんて言っていられない!)

「シ、オン、どう、してここに?」

「説明は後!早く治癒術士に見せないと!」

しかし、子供が大人を担いで運ぶ。それは、大変時間のかかる行為だった。そのため、それほど距離が離れていないにもかかわらず、村に着くのに2時間かかった。




フィオナの頭は、真っ白になっていた。シオンが血塗れのアリスを担いで帰ってきたのを見たからだ。

「何があったの!急いで治癒術士を!」

村の治癒術士が魔法をかけるが、

「これは、もう…」

「言うな!魔力を空にするぐらいかけるんだ!」

「も、う、いい、の。わた、しは、もう、助か、らないの、でしょう?」

(もう、喋らないで!弱っていく母さんなんて見たくない!)

「マリア、様を、ここ、に呼んで。」




「アリスさん…。」

マリアの治癒魔法でも駄目だった。傷口についてる黒い靄が回復の邪魔をしている。…アリスは、もう助からない。

「先日シオンの弟子入りを拒否しましたが、フィオナとシオンを弟子入りさせてくれませんか?」

アリスは聞き取りやすいように、苦しいのを我慢して話す。

(…もう命を削らないで。)

「わかりました、だからもう…。」

(喋らないで…。)

「それ、を聞い、て安、心した、わ。これ、でもう…、」

その後、アリスは、息を引き取った。

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