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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第0,1章 シオンとフィオナとの出会い
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キメラ

マリアが昼御飯をいただいていると、子供が入ってきた。

「ただい…ってこの人誰!?」

「お帰りなさい、フィオナ。この方は、客人よ。失礼の無いように。マリアさん。この子は、フィオナ。シオンの姉です。本を読むのが好きで図書館にいつもいるのよ。」

「姉さんお帰りー。」

(この子もスピード狂なのかしら?)

「この子も足が速いんですか?」

「そこまでは。シオンは、たまに勝手に私の仕事に付いてきて鍛えられているけど。」

(歴史ハンターって、皆こうなのかしら?)




夜、シオンが月を眺めていると一人の女性が近づいてきた。自称全知全能の女神オルティだ。ちなみに『真実の眼』が通用しないから、それが本当なのかわからない。

シオンが一人の時、度々僕に会いに来る。それも何故だかわからない。

「…何でしょう?」

いつもと表情が違う。ものすごく嬉しそうな顔をしている。

「お願いしたいことがあるの。明日午後3時頃に、今日の午前中に遊んでいたところに行ってほしいの。」

シオンは、自分の行動を知られていたことに寒気がした。

(僕の行動を見ていたのでしょうか?女神じゃなくてストーカー?)

「何故ですか?」

「行けばわかるわよ。」

(『真実の眼』!やっぱりわからない。)

けれど、シオンはなんとなく行かなければならないような気がした。




翌日午後3時

(着いたけど、何もない?)

よく見ると誰かがいる。

(母さん?何でこんなところに?もう一人は、誰?何かを話している。)

「調べてわかったわよ。今までの誘拐犯は、貴方でしょ?」

「ほぉ、よく調べたな。で、どうしてほしいんだ。」

「まずは、大人しく子供たちを解放しなさい!」

「いいぜぇー。そらっ!」

男は、何かの合図をした。そして…、化け物が現れた。まるでたくさんのゾンビが融合したような…。

「まさか…これが…。」

マリアは、顔を真っ青にして絶句している。

「そうだ、これがいなくなったガキ達の成れの果てだ。会えて良かったなぁ。」

「貴方!自分が何をしているのか、わかっているの!」

「ああ、わかっているぜ。『キメラ』の研究だ。偉大な研究の礎になれて、寧ろ感謝してほしいくらいだ。」

『キメラ』というのは、人間と何か別の生き物を融合させてできる強力な人だ。しかし、危険性が高く研究者の間では禁忌とされている研究だ。

(あれが…拐われた人達?そんな…。ん?それにしても、何ですか?あの腕は?あれは…嫌な予感が)

両腕は黒い靄で、覆われている。シオンは、それが何かわからなかったが、直感的に危険だと感じた。

「殺れ!」

シオンは、茂みに隠れているおかげで気づかれていない。しかし、腰を抜かしていて見ていることしかできない。

「『縮地』!」

アリスがスピードで翻弄する。

(い、いけぇ!母さん!)

「『ツバメ返し』!」

母さんが、キメラの左腕を切り落とす。やった!

「いいのか?こいつは、子供達なんだぞ?」

それを聞いてアリスの動きが悪くなる。

「くっ!…ごめんなさい、そんな姿になってしまってまで生きていたくないでしょう?私が終わらせてあげる。」

そう自分に言い聞かせていた。そこに、

「させるかよ!『蜘蛛糸(スパイダーネット)』!」

魔力の糸が周囲に飛んできた。咄嗟にかわそうとするがアリスの足に絡まる。

「しまっ…。」

次の瞬間、キメラの右腕がアリスの胸を貫いた。



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