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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第15 闘技場
197/220

人への憎しみが消えたソラリス

(恐かった…、恐かったです。…姉さん(・・・)が。)

堕天使討伐後、シオンはフィオナに刺さった矢を引き抜こうとした。しかし、『分析(アナライズ)』で確認したところ、矢の効果に絶句した。魂にダメージを与える、それがフィオナに刺さった矢の効果だった。

それを説明してから慎重に抜こうとすると、フィオナに短剣を突きつけられた。フィオナの目を見ると、シオンは恐怖した。『もし、死ぬことになったら、一緒に死のうね。』、そう目で語っていた。

シオンは本気の半泣きながら、慎重に矢を抜いていき無事成功し、今に至る。

堕天使騒ぎにより、闘技場は中止になったものの、堕天使に襲撃されたというコテナ住人の言い分は信じられ、最弱扱いを極端に減らすことに成功した。

(一応依頼完了…ですね。)

『フリーズ』はコテナに帰ることにした。




一方、魔界。クリスに消し飛ばされた堕天使は既に復活していた。その堕天使はソラリスに土下座していた。

「申し訳ございません!二人の魂を手にいれることに失敗しました!」

「かまわない…、しかし何故勝手に地上に降りた?」

今回、ソラリスは堕天使に何の指示も出していない。だから、堕天使は一人しかいなかった。

「以前に我が同胞が捕らえられてしまったため、意表を突くために私の独断で行動しました。」

「そういえば、何やら変わった杖を使っていたそうだが、どこで手にいれた?」

「それは…、…!?思い出せません…。」

「そうか…。」

ソラリスは何か考える仕草をしながら、

「しばらく、地上に手を出すことを禁止する。」

「!?何故ですか!?お二人に…特にソラリス様の甥っ子様に帰ってきてほしいでしょう!?」

「そうだな…。だが、その前に調べていることがある。アンという女を知っているか?」

「アンって…、甥っ子様が死ぬ原因となった女の名前ですよね。」

「そうだ。元々はこの女の血族を根絶やしにするために調べていたんだが、奇妙なことがいくつかわかった。」

「奇妙なこと…ですか?」

「ああ、一つは当時の人間の国王と何の繋がりもなかったこと。」

「…そんな…あり得ません!妹様の全知で過去を見てもらった際にこちら側だと言っていたらしいじゃないですか!」

当時、何故息子が死ななければならなかったのかどうしても知りたかったオルティは過去を覗き、一部始終記憶しシンやソラリスにも伝えていた。だが、事実に反する情報をソラリスは手にいれていた。

「どうやらあの王は操られていたらしい…。」

「なっ!?ですが、当時は…。」

「そう、地上に魔法は存在しない。それにそもそも、甥に刃が通ったのもおかしい。あいつは名前さえもらっていなかったが、一応上級の神の力を持っていた。地上に降りたときの弱体化くらいでは普通の刃は通らない。そして、斬られた際に更に弱体化させられ普通の兵士に殺されている。」

「神をも弱らせる力…。」

「そして、続けて調べていくうちに更におかしなことがわかった。」

「まだ何か…」

「アランも彼女に操られた兵士に殺されている。」

「そんなまさか…。」

「そして、最後に…今もどこかで生きている。当時の姿でな。」

「あり得ません!そうなると、千歳を下らない…人間ではなく、いや人ではなく化け物のレベルです!」

人の最高寿命はエルフの約千歳。だが、彼女は耳も尖っていないし、エルフのようにスレンダーな体型ではなく、豊満な胸が特徴である。仮にエルフだとしても数千年も前の話で、生きているのはあり得なかった。

「彼女は知性の欠片もないただ暴れるだけのタイプの堕天使を集めているらしい。どうやら、天使や堕天使はおろか、神すらも掌の上で踊らせようとする輩のようだな。」

ソラリスは人類殲滅から目的を方向転換した。

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