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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第15 闘技場
193/220

心得

「おい…。大丈夫なのか?今日は試合だぞ?」

ランドがシオンに心配そうに声をかける。そのシオンの顔には隈ができている。

「はは…、大丈夫…zzz。」

(すげぇな…。寝たまま返事してついてきてるぞ。器用だな。)

二日連続でフィオナ達に囲まれて寝るのが耐えられなかったシオンは夜散歩でもして時間を潰そうとしたのだが、フィオナに取り押さえられ、エリシアのボディブローが決まり、そのまま気絶した。寝たふりをしていたランドはお前ら実は仲良いだろ!と突っ込みたくなるほどの絶妙なコンビネーションだった。

朝のシオンは顔を洗い、寝たまま(・・・・)朝食を済ませ、開場に向かおうと今現在に至る。




「はっ!?」

「おっ、起きたな。」

「あれ?ここって…。」

「控え室よ。本当に寝たままだったの?」

この闘技場のルールは、まずギルドごとにチームの登録する。チームの最大人数は十人。魔導具を使った結界の中で試合を行う。結界の効果は結界内でどんな重傷を負っても結界から出ると無かったことになる。そのため、全力で戦えるようにできている。全ての相手を気絶させるか降参させると勝ち。一人でも殺してしまうと失格になる。従魔やゴーレムも一人のメンバーとして参加させても構わない。

本当はフィリスも連れていくつもりだったが、留守にしている間に家にある大量のアダマンタイトを誰かに悪用されてしまう怖れがあるため、家に待機させている。

(ああ、辛いです…。もし、クレア様が王女じゃなかったら勧誘してランドにも同じ目に…、いやクレア様の場合純粋な恋だからピンク色の雰囲気になるだけ…なんでしょうか?うう、ランドの前世の恋人とか何処かで転生してないでしょうか…。絶対誘うのに…。)

どうにか巻き添えを増やしたいシオンはどうでもいいことを考えていた。




時間になり、ステージにあがる。

(…不愉快な目。見るからに舐められてる…。)

相手は余裕だなとでも言いたげな目でヘラヘラしながら『フリーズ』を見ていた。

(あっ、応援団いる…。)

エリシアの言う通りコテナの住民から応援団が来ていた。必死に旗を振っている者も数名。五人はそちらに手を振る。

(さて、依頼に応えるために実力を見せるわよ!)

五人はマリアに叩き込まれていることが三つある。

一つ目は相手の武器の確認すること。

(剣が二人、槍が一人、弓が二人、銃が三人ね。)

二つ目はその上で作戦や段取りを考えること。

シオンとクリスが話し合い、サインを送る。

今回シオンは杖剣を使わない。確かに杖剣は総合的に優れているが、魔法発動速度は双銃の方が上で連射もできるからだ。

そして、三つ目。それは、

(((((どんな相手も全力で!)))))

前衛がエリシア(小手)とランド(大剣)、中衛がシオン(双銃)、後衛がクリス(二丁ライフル)とフィオナ(双弓)。

(うん!いつも通り!)

「試合…開始!」

試合は一瞬で終わった。

0.01秒後、シオンは『無限風弾(エア・バレット・インフィニティ)』で前衛組の武器を弾き、エリシアとランドは『空間転移(ワーム・ホール)』で後衛組(・・・)の目の前まで移動。

0.02秒後、無防備になった前衛組をフィオナの『追尾矢(ウイーク・アロー)』とクリスの『魔弾(ブラスト)』、そして、発動中だったシオンの『無限風弾』それぞれの魔法の雨に呑み込まれ、三人を撃破。

0.04秒後、エリシアの『剛力』で一人、ランドの『一閃』で一人を撃破。

(あと二人!)

0.07秒後、エリシアのアッパーが顎に直撃し、一人を撃破。

0.1秒後、シオンの流れ弾が当たり、最後の一人を撃破。

その試合結果に唖然とする観客。勝敗もそうだが、瞬きをしている間に終わっているのだから言葉も出なかった。

『えっ?えっ?しょ…勝者『フリーズ』!』

こうして、難なく一回戦が終わった。

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