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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第15 闘技場
191/220

大ショック

『フリーズ』はギルド長に呼び出されていた。

「実は…、」

「お断りします。」

そう言って帰ろうとした。が、手を掴まれる。

「話を聞いてからに…、」

「面倒くさそうな臭いがします。」

しかし、結局話を聞くことになった。何でも、以前の事件で辺りの魔物に苦戦したせいでコテナの冒険者や兵士の質が国を維持できないぐらい悪いのではないかと他国に思われてしまっているらしい。それは間違いであることを証明するために闘技大会に出場し優勝してほしいとのこと。

実際に質は悪くない。むしろ、良すぎる。七年前までとはいえ、マリアが指導していたのだ。一兵卒ですら他国の騎士団長を圧勝できるレベルになっている。さらに、最近マリアが時々顔を見せるようになったため今も兵士達を絶賛優しく(・・・)指導中である。

「言わせておけばいいんじゃないのか?」

ランドの副音声は『面倒』の一言である。

「ダメだ!悔しいではないか!実力はあるのに、それが評価されないのは!」

どうやら、ギルド長は負けず嫌いらしい。

「それに、君達はBランク。うちのBランクで優勝できるのなら、それ以上はどうなるんだ、となるわけだ。」

全員は思った。それは詐欺だと。Bランクなのはランクの高さに魅力が感じられず、それほど積極的に上げようと思っていないだけである。

ちゃんと仕事をこなしていれば、今頃Aランク以上になっている。

「勿論、君達だけに頼んでいる訳じゃない。他のギルドにも出場を依頼してある。」

要するに他のギルドが受けているのに、君達は怠慢で依頼を断るのか?ということだ。

(巻き添えがいるだけマシか…。)

結局、依頼を受けることになった。




(もうあの世で懲り懲りなのに…。)

ちなみに、『フリーズ』以外のコテナのギルドは『インファイターズ』と『スプリング』でどちらもAランク。

『インファイターズ』は名の通り、接近戦特化のギルドである。そのため、魔法や弓、銃を使える者が一人もいない。『フリーズ』をつくる前にシオンとランドはよく誘われていた(ただし、シオンは銃を止めるのを条件に)。バランスは悪いが、力と敏捷で補い魔法や弓を放つ時間を与えず、一気に畳み掛けるのが特色である。謂わば、攻撃は最大の防御ということだ。

『スプリング』は赤が好きなギルドで装備は全て赤。魔法も火属性が使えないと入れない徹底ぶりである。その代わり、それ以外に特に拘りがなく必要ならば他の属性魔法を使ったり、プライベートでは赤以外の服でも構わない。

シオンがリーダーのため、受付を始めるが受付嬢がメンバーを見るとこう言った。

「男性一名(・・)、女性四名(・・)ですね?」

シオンは受付嬢が何を言っているのか一瞬わからなかったが、すぐに理解した。

(女…顔…。)

女顔と言うほどではないが、中性的な顔立ちであるため勘違いされてしまったのだ。そのまま、シオンは膝を折り落ち込み、クリスが軽くフォローし受付を終えた。




現在、シオン達は絡まれていた。

「なんだあ?ゴブリンに手こずるぐらい弱い兵士や冒険者しかいないコテナの参加者か?やめとけ、やめとけ。どうせ、一回戦で敗退だぜ?」

(はあ。無視無視…。でも、ギルド長の言う通り少し鬱陶しいわね…。)

そう思いながら通り抜けようとしたが手で制止された。

「無視することねえだろ?なあなあ、姉ちゃん?そんな男のギルドじゃなく…」

相手にするのが面倒になったクリスとフィオナは簡易睡眠魔法で眠らせ、コテナのギルド用の宿屋に戻った。




「そっちも面倒事があったようだな…。」

「そっちもですか?」

シオンが話している相手は『インファイターズ』のリーダーのアルトである。ランドのドラゴンスレイヤーよりも大きい大剣を背に全身はミスリルの装備で整えられている。

「まあな…。最初はこの依頼あまり乗り気ではなかったが、気が変わった。絶対優勝するぞ!そして、必ず見返す!まあ、俺達じゃなくとも、君達でも構わないがな。はっはっは!」

そう言ってアルトは仲間が待つ部屋に入っていった。

(ですよね。このままなのは、あまりよろしくない…。よーし!やりますよ!)

シオンも部屋に戻り、明日に備えて眠った。

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