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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第14章 ミラ
180/220

記憶違い?

((う~ん?))

シオンはコテナの近くの森を散歩しながらシーナと一緒に考え込んでいた。

『ジェネレーション』には前世の力を借りる以外にもう一つ効果がある。それは、前世の記憶を鮮明に思い出すことができることだ。シーナの記憶からある程度思い出してはいたが、基本裏切られたところから死の直前までである。魂を洗わずに転生していたこともあり(シオンもシーナもそのことは知らない)、完全に前世の記憶が戻った。

しかし、シーナの記憶と『ジェネレーション』で戻った記憶では違いがあった。シーナの記憶だと人々を憎みながら亡くなったが、『ジェネレーション』で戻った記憶だと自分を責めながら亡くなったとなっていた。二人(ある意味一人?)は、そのことについて首を捻っていた。

(はあ、こればっかりは閻魔さんもわからないでしょうね…。)

記憶が戻ったこともあり、閻魔の呼び方はさん付けになっていた。オルティと会うことがあれば前母と呼ぶつもりでいる。

閻魔は性格や能力を管理しているが、記憶に関しては何もしない。興味本意で覗いた可能性もあるかもしれないが、転生が閻魔によるものでない以上、覗く機会すらなかった可能性が高かった。

(どっちの記憶が正しい?)

(…わからないわ。何だか自分の記憶に自信が無くなってきたわ。)

そのせいか、シーナの『スピリッツ』は憎悪から(フィオナ)に対する思いに変わった。

考えていても答えは出ないし、今更どっちでもいいと結論づけ帰ることにした。




(それにしてもとんでもないことをしましたね。)

シオンが言っているのは、シンと戦ったことである。あの時シンは手加減していた。記憶が戻った今それがよくわかる。

アレンは一度だけシンと戦ったことがある。その頃はまだ小さな子供であったが、神のトップであるシンがどれだけ強いのか好奇心で挑んだ。シンは舐められてると勘違いし、本気で挑んできた。結果は秒殺。しかも、既に負けているのに追い討ちをかけられてトラウマを植え付けられた。それから、アレンはシンに対して母と同列に見るようになった。

そのためシオンは今更ながら身震いしていた。

(もう二度と戦いません…。)

あと十分ほどで家に着く頃、目の前にフィオナとそうスタイルが変わらない女性が立っていた。シオンは避けながら歩こうとした時、

「ひっさしっぶりーー!!」

「ふああーー!?」

いきなり背後から抱きつかれた。

「会いたかった…、本当に…。」

シオンは慌てて女性から離れる。

「えっ?えっ?…誰…ですか?」

シオンはコテナの住人の七割は顔と名前を把握していたが、彼女に覚えはなかった。

「ひどい!私よ、私!」

一向に名乗ってくれないため、シオンは詐欺師と判断した。

「すみません…、今お金ないので…」

「詐欺師じゃない!感情の女神よ!今はミラって名乗ってるわ。ほら!当時(・・)の昆だって持ってるわ!」

「あっ、本当ですね。」

しかし、シオンはまだ納得がいかなかった。

「でも、身長はこれぐらいで胸も無か…小さかったのに。」

そう言ってシオンは右手を肩の少し下辺り、150センチ前後で止める。

「今無いって言おうとしたでしょ…。数千年も経てば成長もするわよ。まあ、感動の再会はこの辺にして…」

ミラは昆を仕舞い、別の昆を出す。

「とりあえず、貴方の魂を回収するために死んでくれない?」

ミラはシオンに向けて昆を構えた。



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