表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第マイナス章 成り立ち
176/220

働け!

アレンはシンからもらった二つの杖剣に名前をつけた。銀色を始まりの杖剣、黒色を終わりの杖剣である。二つの杖剣は、名前をつけてもらったことを喜んでいるような仕草を見せていた。

そんななか、時期感情の神がまた現れた。

「決闘よ!」

「へっ?」

そして、時期感情の神は精霊姫に指を指していきなりそう言った。

(元々何考えているのかわからないやつだったが、最近もっとわからなくなってきたぞ…。)

アレンは頭痛を感じ、手を額に当てた。時期感情の神は精霊姫に何か言うと一瞬顔が真っ青になり、急にやる気になった。

「受けてたつわ!」

「急にどうした!?」

アレンと同じく困惑していたはずなのに、態度の変化に驚く。

「ちなみに貴女が負けた時はどうなるのかしら?」

精霊姫の声が若干震えている。

(何をそんなに動揺しているんだ?内容気になるなあ。自分が負けた時のことを聞かないということは、さっき耳打ちしたのがそうなのか?)

「今回は帰るわ。」

「そう…、帰るのね。えっ!?今回!?何それ!?せめて、もうそんな(・・・)目的で顔を出しに来ないで!」

「いくわよ!」

「話を聞いて~!」




結局、時期感情の神は精霊姫をスルーした。そして、審判はアレンがすることになった。

「え~と、ルールは相手を降参させるか、気絶させれば勝ちだよ。」

「ふふん、…絶対勝つ!」

「…驚くほど私にメリットが無いんだけど。でも、負けられない!」

(あいつは、母様より百枚も下手(したて)だ。そもそも、能力だって戦闘向きじゃない。それに、地上にいるから力も落ちてる。少なくとも、互角か精霊姫の方が有利のはず…。)

アレンは、冷静に結果を予想していた。

「それでは、開始!」

「「はあ!」」

精霊姫の剣と時期感情の神の昆がぶつかる。

「ていっ!」

時期感情の神が光の弾を放つ。その光が当たる。

「…?」

特に痛みも感じなかったため、精霊姫は困惑していた。が、

「~~~!!」

急に精霊姫の動きが単調になった。時期感情の神に対する怒りを増幅されたせいだ。

(よし!順調、順調♪)

しかし、これは予想していなかった。

「毎晩!毎晩!いい加減にして!何度、アレンの部屋に忍び込めば気が済むの!おまけにアレンの私服を盗んでは匂いを嗅いだり、自分で着て匂いを付けたり!嗅ぐのはもう妥協するけど、貴女の匂いを取るの大変なのよ!」

「えっ!?ちょっ!?止めて!言わないで!評価が!評価が落ちる!」

精霊姫に見つかっては、言わないで!と頼んでいたことを次々とカミングアウトされていく。

(あ、い、つ、は~~~!!そんなことやってたのか!嫌がらせか!)

「さらに…、」

「はい!」

もう一度、光の弾をぶつける。これ以上暴露されないように、怒りから嫉妬に変えたつもり(・・・)だった。だが、

「…。あっ、何だか落ち着いたわ。」

「あ、あれ?」

精霊姫は元に戻っただけだった。時期感情の神の魔法は、感情を倍増(・・)させるもの。それが何も起きないということは、

(…もしかして、私に対して嫉妬は全く湧いていないの?)

0を何倍しても0である。精霊姫のなかで自分は恋のライバルと認識されていない。精霊姫は、女性として自分を全て上回っている。貴女より良いものばかり持っている。だから何も嫉妬は湧かない。そう思っていることを証明された。

「死ね~~~!!」

「ふぇっ!?」

今度は、時期感情の神の動きが単調になった。その隙を逃さず、背後をとり、

「『電撃刃(スパーク・エッジ)』!」

電気を帯びた剣を当て、気絶させた。




「ま、負けたの?」

「そうよ?だから、帰って…。そういえば、何で急に怒りだしたの?」

「だって…、」

時期感情の神は精霊姫に話した。

「いやいやいや!そこまで、酷い解釈しなくても!」

「ひぐっ!えぐっ!ぐすっ!」

「な、泣かないで!?何だか私が悪者みたいじゃない!」

「…後は任せた。」

アレンは用事を思い出し、出掛けた。決して面倒になったからではない。

「ちょっと~!?」




アレンはあの世に、閻魔に用があった。

「おお、ひさし…」

「働け~!」

アレンが魔法を放ち、閻魔は間一髪で避ける。アレンは小さい頃からの付き合いで閻魔とは親友である。この時代の閻魔は巨人ではなく、二メートルを超えた程度であり、閻魔の喋り方は元々、爺口調である。

「いきなり何するんじゃ!?それに、働いておるわ!何故急にそんな話になったんじゃ!?」

「仲間の中にハーフの子を身籠ったんだが、病弱に虚弱ってどういうことだ!」

「ハーフ!?うっ、すまん…。その辺のシステムを弄っておらなんだわ。後で直しておく。今まで例が無かったから、そのままで良いと思っておったわ。」

「まったく…、頼むよ?その子は病弱だけでも治してあるから、マシなんだが。これからハーフが増えるから早めに直せ。一々治していたら、キリがない。」

そして、アレンは地上に帰った。




翌日、アレンのところに人間の最大の国の王から書状が届いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ