夜間戦闘
(シオン視点)
「『無音』!」
フィオナが遮音結界を張る。これで、多少の音は外には漏れない。シオンは、双銃を取り出した。また、ナイフが飛んでくる。やはり、ナイフを投げるモーションが、見えない。シオンは紙一重でかわす。よく見るとあのナイフ毒塗ってあることがわかった。ナイフに対する警戒を強める。
二人は前衛がフィオナ、後衛がシオンと役割をつくった。本来は、逆なのだが視認できるまで近づいているため接近されやすく、フィオナが弓だと都合が悪いのだ。
「ふっ!」
すぐさま、シオンは銃で反撃する。狙うのは、足の腱。1人を無力化する。
「くっ!」
フィオナも順調に無属性の拘束魔法『バインド』で捕らえたり、手足の腱を切り裂いたりして次々と無化する。
「あと1人!」
残ったのは、さっきからノーモーションでナイフを投げてくるこの中のリーダーらしい人物だった。
(よりによって、一番面倒な人が残ってしまったわね。)
「シオン、私がやる。」
フィオナもあのナイフには、毒が塗ってあることを確認していた。シオンが戦うと、万が一ということもある。シオンは、薬を作るのが得意だが、あれがなんの毒かわからない。
その点、フィオナは名前を付けるほどではないが魔力を使って体を強化し、毒の効果を遅らせることができる。そして、その間にランドの回復魔法で治してもらうつもりだった。
「はあ!」
また、ナイフが飛んでくる。そして、フィオナは種に気づいた。
(もうわかったわよ!)
相手は、手首だけでナイフを下に投げ、空間魔法でシオンとフィオナの目の前に移動させたのだ。空間魔法に気づかせないように、空間の出口は二人から少し離れたところからにして。
(エリシアほど適性は無いみたいね。もしあれば、こんな戦いなんてせず、どこかに飛ばせばいいもの。)フィオナが簡単にかわすのを見て、投げるのをやめて接近しナイフを振り回してくる。フィオナはもともと接近戦は得意ではないが、それでも『最強』の弟子。互角になるとは思わなかった。
(やるじゃない!でも、力は私の方が上ね!)
「『蒼空』!」
即席で作った技で、
キンッ!
相手のナイフを弾いてすぐさま、
「『縛』!」
拘束魔法をかける。フィオナは、内心苦手な接近戦で勝ったことに喜んでいたが
「お疲れ様、フィ…、姉さん。」
シオンの一言でテンションが一気に下がった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フィオナ
二刀短剣技 『蒼空』new!
攻撃力 D → C