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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第13章 エリシアの役目
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ランドの切り札

「…そう言うだろうと思った。」

創造神の声のトーンが下がる。その後、杖で軽くクリスを弾いた。

「戻す方が確実って言ったわよね?だったら、私達が堕天使や破壊神の計画程度どうにでもできるっていうのを証明して見せる!」

残りの三人はエリシアのためとはいえ、始めは神に武器を向けるのを躊躇っていたが、「…証明か。」と納得して武器を構える。

「…いいわ。なら、私を納得させてみなさい!」

「神だからって遠慮はしねぇ!いや、神だからこそ手加減無しだ!『スピリッツⅣ』!」

ランドは、早く証明するために最初から全力を出す。しかし、それを見た創造神は構えを解いた(・・・・・・)

「白き閃光よ、我が剣に纏い敵を切り裂け!『聖剣(エクスカリバー)』!」

白い斬撃が創造神を呑み込む…はずだった。

「…どういうことだ?」

しかし、『聖剣』は創造神に届くことなく、霧散した。

「…『消去(デリート)』か?」

「…違うわ。あれは…、」

横から見ていたフィオナは気づいた。魔法でも何でもない。結界も使ってないし、『消去』でもない。ただ魔力が漂っているだけだ。そして、『聖剣』はその漂っている魔力によって、打ち消された。ランドの近くに行きその事を伝える。

「…何だよそれ。反則だろ…。」

「余裕ね。私を前に会話なんて。」

気が付くと目の前に創造神が来ていた。 ランドは、至近距離から魔力の反応を感じ取った。咄嗟に大剣で防ごうとするが、何かおかしい。大剣が軽いのだ。良く見ると大剣の刀身が無くなっていた。

「お探し?」

創造神がからかうように言う。創造神の手には無くなった大剣の刀身があった。動揺するランド。

「はい、まず一人ね。」

そう言いながら『風弾(エア・バレット)』を放つ。その数、千発。しかも、シオンと違って連射ではなく、同時発動。ランドは風の弾丸の雨に呑み込まれた。

「ランド!くっ、フォース…」

ランドは不死身だ。しばらくすると、どんな傷も回復する。そのために、距離を取らせようと杖で(・・)拡散光(フォース・レイ)』を放とうとするが、

(あ…れ?)

シオンは急激な疲労に襲われ、膝をつく。何故か魔力が空っぽなのだ。

「その杖、誰が作ったと思ってるの?」

その言葉を聞いて理解する。

(杖に…魔力が…。)

魔力が無くなったのは、杖がシオンの魔力を吸いとったからだった。その後、杖はシオンの元から離れ、創造神の手元に飛んでいく。シーナの杖は、元々前世で魔族ができたお祝いに創造神からプレゼントで受け取った物だった。

「あーあ。何?この禍々しさは?この杖は本来…!」

創造神はフィオナが弓を構えているのに気づいた。『必中矢(ピンポイント・アロー)』で漂っている魔力の間をすり抜けていき、創造神のところまで辿り着いた。が、矢掴みで防がれる。

「…私に攻撃を届かせるか…。」

クリスの不意討ちはともかく、正面から届かせたのは極めて稀だった。

「いつつっ。やっぱレベルが違うな。」

ランドがようやく回復した。

(まさかここでこれを使うことになるとはな…。)

ランドは覚悟を決めた。

(一瞬だ、一瞬だぞ!)

そう念じながら発動したのは『スピリッツⅤ』。

ランドは皆に内緒で一度『スピリッツⅤ』になったことがある。Ⅳとは比べ物にならない力を感じたが、同時に自分が自分で無くなるのを感じた。慌てて元に戻る。 その間、一億分の一秒。ランドはその間なら、元に戻れることがわかった。その時間で、できるのは一振り。

その一振りを放つ。

(『刹那』!)

声に出す余裕もなく、ただ念じる。見た目は『聖剣』と同じように白い斬撃だ。しかし、『聖剣』と違って、呑み込むのではなく斬り裂く。範囲は狭いが、無駄無く力が圧縮されている。その斬撃が創造神に届いた。

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