対面
五人が辿り着いたのは、何もない辺り一面が真っ白な空間だった。
「…どこだ?ここ。」
「…。」
ランドが独り言を言いながら、目でエリシアに問いかけるがエリシアはそれを無視した。いや、どこか虚ろだった。
「…付いてきて。」
エリシアが案内する。
しばらくすると意外な人物と再会した。
「あれ!?何で皆ここにいるの!?」
愛の女神ラヴァだ。
「ラヴァ様こそどうしてここに?」
ちなみにフィオナ以外はラヴァを様づけで呼ぶ。
「えっ、いやだって…。ここ、神界よ?」
「「「「?」」」」
「言ってもわからないか…。ここは神だけが住む世界よ。ここから神は人類を見守って…、いや観察しているのよ。まあ、ルナ先輩や太陽神とか例外もいるけどね。」
それを聞いて全員に緊張がはしる。いつの間にか神の領域に踏み込んでいたことに。
「ああ、そういえばシオンの前世も何かしら神だったものね。それほど不思議でもないか…。どうしてここに来たのか聞かないけど、まあ気を付けてね。」
そう言ってラヴァは去っていった。
「…。」
(おい!エリシア!これってどういう…)
「こっちよ。」
ランドが緊張のあまり小声で聞くがそれを遮る。全員説明してほしそうな顔をしていたが、着いたら答えてくれるだろうと考え後を付いていく。
三十分程歩いた頃、とある人物に出会った。女性だから女神なのだろう。通り過ぎるのかと思ったが、ここでエリシアは立ち止まった。女神が突然話しかけてくる。
「…ここに来たということは、自分が何者なのか思い出したのね?」
「エリシア、この方は?」
「創造神。世界を作り、全ての神をまとめている女神よ。」