頭痛
エリシアとソフィが一足先に待っているとシオン達が帰ってきた。二人が寛いでいるのを見て、ランドは二人が相当早くから待っていることがわかった。
「はえー!どんだけ早いんだよ!」
ランドが喚いているとフィオナ達も帰ってきた。
「ええ~!最後!?」
「二人が一番ですよ。」
「ソフィ、何でそんなに早かったんだ?」
「実は…、」
オルティのことを説明する。
「…信用できるのか?裏で破壊神と繋がっているんじゃ…。」
エリシアが首を振る。横にだ。
「オルティはそんな女神じゃないわ。私が保証する。絶対嘘をついてないから。」
エリシアが言い切る。
「…そんな女神じゃないって、何で言い切れるんだ?」
「えっ?あれっ?」
自分でも言い切ったことに驚く。すると
パキン!
エリシアの頭の中で何かが割れる音がした。
「いたっ!?…キャーーー!!!」
エリシアが突然頭を抱えて悲鳴をあげる。
「ど、どうした!?」
「ランド!治癒魔法を!」
「ああ!」
「だ、大丈夫…。治った…から。」
そう言いながらも顔色が悪い。真っ青だ。それにどこか絶望している顔になっている。それを見たソフィは、
「う~ん、この機会にまた色々話したかったんだけど、この様子だと仕方ないわね。早くエリシアを休ませてあげて。」
と心配そうに言った。
「出口はあっちだ。迷うなよ、ランド。」
「何で俺だけ注意!?」
ランドとクレイは楽しそうに話しながらも位置を確認していた。
「エリシア、掴まって。」
シオンがエリシアをおんぶする。
「…ありがとう。」
ギュッとシオンを抱き締める。まるで二度と放さないかのように…。
「痛い!痛い!そんなに抱きつかなくても大丈夫ですから!」
そう言って五人はこの世に戻った。