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最強の魔法剣士の弟子たち  作者: アクト
第12章 負の化身
146/220

説明

義姉妹チーム側

二人は、戸惑っていた。何故なら、

「姉さん…、いないわよ?」

「ホントね…。」

二人は、他のルートでは分身まで出てきたことを知らない。驚いているのは、本体も(・・・)いないことだった。

「姉さん、場所合ってるの?」

「合ってるわよ!ここにいるはず!…なんだけど。」

辺りを見渡しても、やはりいなかった。

「当然よ…、私が倒しておいたから。」

声の聞こえた方へ向くと、なんと女神オルティがいた。二人は慌てて構える。

「ねえ、エリシア。この人誰?」

「女神よ、人を憎んでる…ね。」

どうやら、ソフィは気配も感じなかったため咄嗟に構えただけらしい。エリシアは、オルティが一度シオンを拐ったせいか殺意が沸いていた。

「あっ、待って待って!確かに人を快く思ってないけど、あの時の私はちょっと…、」

エリシアが驚く。オルティが説得しようとしたことにではない。同一人物のはずなのに、以前のような邪悪さが感じられず、まるで別人のようだったからだ。

「どういう意味?」

エリシアは構えを解く。小手は外さないが。

「息子を、アレンを転生させよう(・・・・・・)と思ったのは、今度こそまともな人生を送ってもらうためだったの。だけど、」

言いにくそうに続ける。

「…私の兄、ううん、破壊神の方がわかりやすいかしら?ソラリスが私を洗脳したの。」

「…どうして?いや、利用するため?」

「違うわ…。それに厳密には洗脳ではないはね。アレンが亡くなった時の私は、心が壊れそうだった。アレンはただ亡くなっただけではなく、遺体も返って来なかった。そのせいで、蘇生させることもできなかった。それだけじゃない!残された精霊姫だけでもと思ったら、アレンを蘇生できないことを伝えると翌日から命を削るようになってしまった。あれは私のミスだわ…。」

後半から愚痴になっていたが、エリシアは聞いていた。ソフィはシオンのことを知らないためか、?を浮かべている。

「それで、二人の魂を拾い、保護していた。何度も転生させようと思ったわ。今度はあんな最後を迎えないように…。でも、勇気が出なかったわ。また、殺されるんじゃないかと思って。そこで兄が現れた。」

よく見ると悲しげな顔になっている。

「日に日に弱っていく私を見て、こう思ったんでしょうね…。人さえいなければ…と。そこで、兄は私の中にある復讐心を煽り…、」

「あんなことをしたのね?」

オルティが頷く。

「弱るぐらいなら、復讐心を動力源にしようとでも考えたんでしょ。創造神様に敵対しているのも、人に対する決定に納得していないからなのよ。」

「それだけ聞くと悪い神には聞こえないけど、堕天使集めてるんでしょ?」

「ええ。でも、堕天使も全員悪いやつでもないの。前世で家族を殺した仇を見つけて仇を殺した者、誰かを守るために殺した者とかね。そっちに堕天使現れたんだってね。比較的利己的だったでしょ?」

少し悩んだ末、無言で頷く。

「この騒動も兄が起こしたものなのよ。私はその尻拭いってわけ。こっちにアレ…じゃなかった、今はシオンね。シオンがいると思ったんだけどね。能力が制限されると困るのよね。全知で一発なのに。」

「仕方がないわ…。貴方は神の中でも創造神の次に力があるもの。」

エリシアが普通に(・・・)答える。

「あれ?私の力の強さを何で…まあいいわね。シオンとフィオナによろしく言っておいて。私は帰るわ。」

そう言ってオルティは帰っていった。

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