コピーマン
フィオナ&クリス&フィリス側
二人と一体は本体のもとへたどり着いた。
「大きさ約二メートルに人型…。」
「分身は知らなかったけど、本体はクレイとソフィさんの報告通りね。」
本体と対面して情報を確認する。
「わかっていることは、あのオーラを飛ばしたり、剣に形を変えて攻撃したり…だっけ?」
「他にもあるかもしれないって言ってたでしょ?気を付けないと…。」
相手はジーっとフィオナの姿を見ていた。すると、フィオナの姿に変身した。
「私!?」
相手は『追尾矢』を放つ。フィオナも同じく『追尾矢』を放った。互いの矢はぶつかり合い、相殺される。
(威力も同じ…、実力も真似できるの!?)
「フィオナの姿をしているってことは、一つ一つの矢の威力は低いんでしょ?だったら、纏めて吹き飛ばす!『収束光』!」
『収束光』は文字通り魔力を一点に収束して放つ技だ。相手は次々矢を放ち相殺しようとするが相殺しきれず、肩を貫く。
(矢が当たり続けたせいで軌道が逸れた!次はもっと魔力を…何ですって!)
クリスが驚く。相手の傷が治っていた。だが、そこに驚いたのではない。今度はクリスの姿に変わっていたのだ。相手が『収束光』を放つ。
「真似をするなー!」
クリスも同じく『収束光』を撃ち、相殺する。
「その武器では接近戦では戦えないはず…、フィリス!」
クリスが指示をだす前にフィリスは『青龍』を発動していた。が、今度はフィリスの姿になり同じく『青龍』で相殺された。
(相手の魔力は…、減ってないわね。疲れも見えない。このままだとこっちの体力と魔力が尽きて負けね…。)
クリスが考え込んでいるとフィオナが仕掛けた。
「イフリート!」
「「我が呼び声に応えよ。全てを焼き尽くす灼熱の剣!『煉獄剣』!」」
炎の大剣を振るう。相手はそれを余裕をもってかわした。
「『魔弾』!」
クリスが着地地点を狙って撃つが、やはり相殺される。
(姿を変えるスピードが早い…、隙がな…何でさっきのフィオナの攻撃をかわしたの?もしかして大精霊は出せない?というより創れない?もしかして分身を創ることはできても分身にコピーの能力はない?ということは二人同時にかかれば…。)
「フィオナ!」
クリスがフィオナに『共鳴』の合図を送る。
「「『共鳴』!」」
(フィオナ!私の考えを読んで!)
(…うん!その作戦でいくわよ!)
「「フィリスお願い!」」
フィリスもデータから二人が何を考えているのかわかったのか、相手に突っ込む。
「『朱雀』。」
技の発動を見て、すぐにフィリスの姿になり、相殺する。その後も互いに攻撃し、それを防ぐ。それを繰り返す。
(極力フィリスを巻き込まないように…今よ!)
「炎槍!」
「『嵐』!」
「「炎の渦よ、敵を飲み込み全てを焼き焦がせ!『炎嵐!』」」
『炎槍』も『嵐』も相殺されたが、『炎嵐』は相殺されなかった。相手は懸命に脱出しようとするが、
「逃がしませんよ?」
フィリスが相手を捕らえる。フィリスも巻き込まれているが、『錬金』でダメージを回復する。相手もそれを真似しようとするが、自身の体が金属ではないため、効果がなかった。そして、炎の嵐の中から残っていたのはフィリスだけだった。