ハーフエルフ
約三ヵ月後
マリアは、とあることで怒っていた。
「…これ何?」
「これか?これは我々を救ってくれた敬意を…」
「やっぱりいい…、これいらないから!」
目の前には立派なマリア像が立っていた。
(善意だから余計にタチが悪い!)
「そうか?」
「それとこの村の予定図だけど…」
「もう小さな国だな!」
「嬉しそうに言うな!どうすんのよ…、誰がこの国まとめるのよ…。」
村程度ならともかく、国だとギルド長に任せられない。大事なところでマリアに頼るからだ。
「ここはやっぱり…」
「私は嫌よ?ていうか無理よ?」
「どうしたものか…。」
(やっぱりか!)
マリアは森を散歩しながら思案していた。
(はあ、家造りに、土地づくり、それぞれの役割を考え秩序をつくる、その他もろもろ大体のことは終わったけど国のトップが…。…半年で帰るつもりだったんだけどねー。)
「だ、誰かいませんか?」
「ん?誰?」
マリアは声の方向に目をやる。そこには、一人の人間の男性と一人のハーフエルフの少女がいた。
(ハーフエルフ?)
「よかった…。」
「何かしら?」
「私は、コテナに向かっていたのですが、道中道に迷ってしまって。」
「はあ、ハーフを連れている時点で大体察しがつくけど。」
「はい、この子は私の娘でエルフの女王の血が流れているのですが、存在を公にできないので、コテナで生きていてほしいと思い…」
「あのねぇ、そういった事をしたのなら、最後まで面倒を見るくらいしなさい!無責任よ!」
「うっ、わかってはいますが…、」
(やめやめ!コテナは居場所であって孤児院じゃないの!はあ、こっちはそれどころじゃ…、…さっき何て言った?)
「エルフの女王の娘?」
「は、はい!」
「ねえ、貴女…。」
「はい!何ですか?」
「何歳?」
「18歳です。」
この世界では、国によるが18歳で成人だ。この少女も大人と言える。
(しっかりしてるし、次は…)
「貴女の母親が国をまとめている様子を見たことある?」
「はい、毎日見てました。そのせいで、城の兵に見つかってしまいましたが…、」
「もし、国をまとめる立場になったらできる?」
「完璧と言えないまでも、安定させる自信はあります。…何故こんな質問を?」
(やったーーー!!!)
「わかった!すぐに案内するわ!」
「「えっ?」」
マリアの言葉が百八十度変わったことに戸惑う二人だった。