意外な助っ人?
エリシア&クリス側
「はあ、はあ。」
「諦めろ、それが人の限界だ。」
エリシアが負傷した右腕を押さえながら立ち上がる。クリスは、戦闘不能になって転がっている。
「どうして…、どうしてこんなことをするのよ!?」
怒りが混ざった声で堕天使に問う。答えなどない。そう答えるとわかっているつもりだったエリシアだが…、
「あの方の命令だからだ。」
その答えに困惑する。
(あの方?好き勝手するのが堕天使なんじゃないの?嘘をつくメリットもないし。誰よ!命令したのは!)
「しかし、欠片の者が混ざっているとは思わなかったぞ。」
「どう、いう、意味よ!」
「お前のその魔法はな…」
堕天使が何か言おうとするが言い切ることができなかった。何故なら、
「少し遅れちゃったわね。ラヴァちゃんもマリアも、人…じゃなかった、神使いが荒いわね。」
月の女神ルナが現れたからだ。
「なっ!神…だと!」
「ん?堕天使?そのわりには利己的だけど…、もしかして彼が…。まあ、やることは変わらないわね。覚悟しなさい。」
刃の形が三日月の鎌を構える。
「…退くぞ。」
「…ああ。」
堕天使は、すぐに退いた。
「あれ!?退いちゃうの!?」
「貴女は?」
「私?私は月の女神ルナよ。貴女が、貴女達がマリアの弟子?って貴女は!」
ルナがエリシアの魔力を見て驚く。
「そう…貴女が…。」
「えっ?」
「貴女、名前は?」
「エリシアです?」
何を驚いているのかわからず、困惑ぎみに答える。
「私はマリアとラヴァちゃんに頼まれて助けに来たのよ。だから、安心して。」
「師匠とはどういった関係で?」
「あの女わね…、一度私の家を、月を破壊したのよ!まあ、境遇を聞いて同情したけど。」
あの時のことを思い出し、懐かしく思いながら答える。
「…とりあえず頼まれたことは果たせたわね。釈然としないけど。」
結果来ただけになったことに納得していないようだ。
「ここは大丈夫ね。あっ、マリアも終わったみたい。後は…。」