シオンの剣舞の秘密
キンッ!ギャリン!
今、シオンとランドが組み手をしている。そして、シオンの『桜』が決まったところで終わる。
「あー!当たんねぇ!」
ランドが地面に寝そべる。
「最初のご主人様は、どうしてああいう剣技なのですか?皆さんとまるで違いますよね。」
そうなのだ。四人はどこかマリアを連想させる部分がある。それに対しシオンはマリア以外にも師匠がいる印象を受ける。
「ああ、シオンはな…。」
「言わないでもらえると助かります。」
ランドは、シオンを無視した。
九年前
マリアがまだ居て、とある国で数日過ごしている頃。その時には、第二武器を覚えていた。
そして、六人であるものをみていた。
(うわー。きれーい。)
一人の女性が双扇で舞を踊っている。この国の人気者らしい。マリアは美しさにも感心していたが、本当に感心していたのは、
(あの舞、例え襲われても隙が無い。)
ということだった。
(でも、もうある程度型ができてるし、私はもう覚えない方がいいかも。せっかくの型が崩れちゃう。)
そう考えたマリアは、あることを閃いた。
(これを弟子の一人に…、)
彼女は双扇だからシオンかフィオナが浮かんだ。でも、フィオナはどちらかといえば接近戦は向いていない。そこで、シオンを見ようとすると…、
「…!」
マリアが何か変なことを考えているのを察知して逃げ出した。十秒で捕まったが。
「嫌です!こんな格好!」
シオンは、女性が舞を踊る時の格好(巫女服のようなもの)を着させられていた。シオンは、中性的な顔立ちのため似合っていた。
「似合ってるわよー。」
「そうじゃないです!」
「シオン。あの女性が踊った舞を覚えてる?」
「えっ?覚えてますよ。ってまさか!」
「そう、剣技にあの舞を混ぜようと思って。それじゃあ稽古するわよ!」
こうして、『桜』をはじめ、舞を取り入れた剣技を覚えた。
「…ということだ。」
「最初のご主人様の女装姿…。見たかったです。」
「やりませんよ!?」