ゴーレム大会 準決勝と決勝と真の理由
準決勝
「それでは、試合開始!」
相手は、巨体なゴーレムだ。どうやら、普通は大きなゴーレムを出すのが主流らしい。
「動きが遅いですよ。」
相手の攻撃を軽々かわす。そして、投げ飛ばす。が、
「なるほど。空を飛ぶんですね。」
そう、空を飛んで場外を回避した。しかし、大きい分どこか不安定だ。ステージに戻ってくる。
「仕方ありませんね。」
そんなことを言いながら嬉しそうに笑う。あれは、もう少し本気が出せることの笑顔だ。その顔に観客が、
「お、おい!あのゴーレム笑ったぞ!」
「それだけじゃない!まさか、あのゴーレム感情があるのか!?」
と騒ぎ始めた。
(…あるかも。)
シオンが心の中で呟く。
「いきますよ。覚悟してください。」
フィリスの蹴りが決まる。飛ぶ暇もなく、壁に激突した。
「勝者、フィリス!」
決勝
「それでは、試合開始!」
最後の相手は男性の人型だった。大きさは、フィリスより少し大きいぐらい。
「少しは今までの中でもマシですが、でも。」
相手を投げ飛ばそうとする。
「あれは!?」
シオンが何かに気付いた。そして、突然フィリスの腕がとれた。
「…!」
フィリスは、気付いた。妨害だと。観客席にいる男が銃で撃ったのだ。ご丁寧に魔法で音を消して。
「~~~~~!!!」
フィリスは、怒った。無傷で帰ると約束したのに果たせなかったこと、そしてそれが妨害だったこと。殺意が沸いてくる。フィリスは、魔法で殺そうと考えた。しかしその前に、
「はっ!」
「ぐえ!」
シオンが取り押さえる。
(フィリス!試合に集中して!)
聞こえるはすがないが唇を読んで理解した。
(…!はい!)
ワイヤー付きの腕を伸ばし、取れた腕を拾う。そして、
「『錬金』。」
自分の腕を直した。
「なっ!」
観客は驚愕した。ゴーレムは、魔法が使えない。それが、普通だった。それを平然と使用する。しかも、
「『錬金』って…。あれは…!」
『錬金』とは、使い手が存在しないとまで言われている伝説の魔法だ。実際に使えるのは、シーナしかいない。はずだった。それをフィリスが使用した。
「はあああ!」
蹴りが決まる。
「し、勝者フィリス!」
「おめでとう、フィリス。まさか、優勝するとは思いませんでしたよ。」
「それにしても、最後の最後で妨害とはな。」
「決勝のゴーレムの製作者と撃った男は捕まったみたいよ。」
「優勝賞金が、目当てだったみたいね。予選とかも似たようなことをやっていたみたいよ。」
「本当におめでとう、フィリス!」
「ありがとうございます、ご主人様。」
ちなみに全員揃っているとき、一人の時は~のご主人様とは呼ばない。
フィリスが、嬉しそうに賞金を渡す。
「もしかして、フィリス…。」
「はい?」
全員わかってしまった。フィリスの本当の理由は、自分達の役に立ちたかった。そのため、参加し賞金を渡したかったのだと。充分頑張っているのに。
(一瞬でも壊すことを視野に入れてごめんなさい。)
シオンは、心の中で深く謝った。
「それじゃあ、帰ろうね。」
「はい!」
こうして大会も終わり、家に帰った。
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ずっと五人だと飽きてきたので追加しました。
フィリス
魔法
『???』→『錬金』