フィリスの恐怖のスペックその一
「「なんて名前にしているのよー!?」」
シオンは、フィオナとクリスに怒られていた。フィリスとは、二人の名前を合わせただけだったからだ。
「す、すみません。いきなりだったので…。」
「今からでも変えられないの?」
「嫌です。」
フィリスが答える。その言葉に、クリスとフィオナは驚いた。何故なら、主人認定されているシオンの言葉も聞かないということだったからだ。
「じゃあ、姉さん。フィリスに料理を教えてください。」
そんな二人をよそにフィオナにお願いした。
三時間後
「…。」
「姉さん?」
「…あのゴーレム何者?」
フィオナの料理のメモ帳をパラパラパラーと見たかと思ったら、急に料理を作り始め、フィオナと全く同じ料理ができたらしい。作る過程もゴーレムと思えない滑らかな動きで無駄がなかった。もう全部覚えたと答えたので、他のも作ってもらうとやはり同じだった。味まで同じらしい。
「良かったじゃないですか。これで楽できますね。」
「…。」
何か釈然としないフィオナだった。
翌日
シオンは、魔物討伐をさせてみた。ビームで倒したり、ワイヤー付きの腕を伸ばし相手を掴み投げ飛ばしたりした。そこまでは、自分のイメージ通りだったのだが、
「『炎槍』!」
「『炎槍』!」
「…えっ?」
なんとシオンの魔法を真似し始めたのだ。
「いつ覚えたんですか!?」
「さっき見たときにです、ご主人様。」
(いや、少しはと思いましたけど、ここまで戦えるように作ったつもりはありませんでしたよ!?)
その後、銃技を除くシオンの魔法を全て覚えた。