新技 ジェネレーション!
光が消えた後に残ってきたのは、戦闘不能になっているシーナと右腕、右足を負傷したシオン、離れていたため軽傷で済んだフィオナだった。
(うわあ、『スピリッツⅣ』の技ですか。加減はしたんでしょうけど。)
実質、満足に戦えるのはフィオナだけになった。
(姉さんは、何をしようとしたんでしょう?さっきから、静かですが。)
試合が始まってから、ほとんど音沙汰ない。すると、フィオナが動いた。
「できた!できたわよ!イメージ!いくわよ!『ジェネレーション』!」
フィオナが光に包まれ、全く別の女性が立っていた。
時は少し遡る。クリスの暴走が治まった頃、
「ごめんね、大精霊。無理に使役して。」
「姫、それは仕方ありません。操られていたのですから。」
「それにしても、大精霊って同時に出せたのね。」
「全盛期は、常に全員出しておられましたよ。」
「前世で?」
「はい!あのときは、本当にすごかった。またあの技を使っていただきたいのですが…。」
「その技って、全員出さないとできないの?」
「1度に出す必要はありませんが、結果全員出します。」
「うう、練習してみようかしら…。」
(前世に負けたくない!)
「いいのですか?難しいですよ?」
「ぜぇ、ぜぇ。」
(ぜ、全員なんて無理!同時は四体までしか出せない!はあ、前世ってどんな感じで使ってたのかしら?)
自分のなかの精霊姫をイメージしてみる。すると、不思議な光がフィオナを覆おうとしていた。
(…何これ?)
「今!今、精霊姫の気配がしましたよ!何ですか!その光!」
「えっ?前世の私ってどんな感じだったのかなと考えたら出てきたのよ。」
「…姫、この光を使えるように練習しませんか?ひょっとしたら、近道になるかもしれませんよ。」
その時は、まだ完成しなかった。
そして、今に至る。
「ねえ、さん?」
シオンが呆けている。 他の3人も同様だ。
「いくわよ!大精霊!」
フィオナが大精霊八体を出す。隕石(火と地)を降らせ吹雪(氷と風)で辺りを凍らせ雷が流れた津波(水と雷)が3人を呑み込む。そのあと、白と黒が二重になった玉(光と闇)に閉じ込める。フィオナはその玉の下に向かって歩く。そして、
「これで終わりよ!『精霊姫』!」
玉に向かって片手剣で突きを繰り出す。すると、その玉は弾け飛んだ。
「し、勝者、シオン、フィオナ、シーナ!」
フィオナが元の姿に戻る。
(十分間くらいかしらね。)
「姉さん!何ですか!その技!初めて見ましたよ!」
「私も初めてできたのよ?」
「姉さん、体大丈夫ですか?」
「特に問題わね。」
「はあ、よかった。」
「ちゃんと調べてあるからね。心配しないで。」
こうして、大会は幕を降ろした。
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フィオナ
『ジェネレーション』new!
ジェネレーション技
『精霊姫』new !