懸念
家に帰り、ギルド長の話を残りの3人に伝えた。
「ギルド長が僕達を呼んだのは、魔王からの指命依頼を伝えるためだった。」
「え?」
エリシアは、呆気に取られていた。こんなに早く来るとは思っていなかったのだ。
(いやいやいや!魔王様、いやリオ様行動早すぎ!確かに見てみたいとは言っていたけど!ううん、まだ来るとは…。)
「どんな依頼なの?」
「うん、魔王はコテナに興味があるみたいでね。案内してほしいとのことです。」
(やっぱりー!)
「ギルド長に『私からも、お願いしたい。魔王に、コテナの良さを見せてやってくれないか?』と言われてしまいました。」
(シオンもそんなに簡単に受けていいのー!いや、指名依頼を断るのは、難しいかな?)
「それで、日程は…、」
こうして予定が組み込まれた。どうやら魔王が来るのは、一週間後からの3日間とのこと。
「大変だな…。」
「そうですね…。」
(やっぱり案内面倒なんだ。)
しかし、エリシアが予想したのとは、別の理由だった。
「戦争主義派から魔王を守りながら…か。」
(そうだった!)
戦争主義派から魔王は、あまりよく思われていない。その事を、エリシアは失念していた。
「案内と護衛は、シオン、ランド、エリシアにしましょう。私とクリスが怪しい人物がはいりこんでいないか捜索。」
こうして案内のため以外にもいろいろと準備することになった。