謎
(神様反則!)
シーナが愚痴る。さっきから、詠唱無しでいろんな魔法が飛んでくる。同じ無詠唱でも発動の早さが桁違いだ。しかも、地、水、火、風、氷、雷、闇、光おまけに無属性まで。神様は、シオンとシーナの前世に関係なく、魔法が使えるから没収もできない。
(そんなに魔法使って魔力尽きないの?…うわ…。魔力の消費より魔力の自然回復の方が早い。)
シーナは半ば呆れていた。
「『追尾矢』!」
やっとできた隙でフィオナが反撃する。けど、すぐに魔法に飲み込まれる。
(魔法の量が半端じゃない!)
「『桜吹雪』!」
シオンが二刀流で飛んでくる魔法を切り裂いていくが、捌ききれない。でも、堪えながら進んでいく。
「着いた!『鳳仙花』!」
シオンの三連撃がはいる。
「本当に強くなったわね。神を相手にここまでやれたら充分ね。こうさーん!」
「いいんですか?」
「そうよ。審判さん。」
(本気じゃなかった気がするけど。いいのかな?その気になれば、大技がありそうな気がする。本当に僕と姉さんに会いに来ただけ?何のために…。考えてもわからないか。)
こうして試合は終わった。
「なんだか、ずっと前から僕達のことを見ていたような言い振りでしたけど。」
最初から、成長を見せろとか強くなったとか、会ったことがあるような口ぶりだった。しかし、シオンの記憶に彼女の存在は無い。
「それも秘密。でも、近い将来話すことになると思う。それまで待ってなさい。」
「どういうことですか?」
「そうだ!勝ったご褒美に一つ教えてあげる。約1ヶ月後大変な事件が起こる。気を付けなさい。」
そう言って、女神ラブァは去っていった。
(何だったんでしょう?)
何もわからなかったが、ラヴァの最後に言った言葉を覚えた。