反則技
(シオンチーム)
「それでは、試合開始!」
相手は、人間の魔法使い3人だ。シオンが仕掛ける。
「『火炎弾』!」
「『火炎無効』!『火炎無効』!」
即座に無効化される。
(戦い慣れてる?でも、2回使わないと無力化できないなんて。シオンは、まだ魔法使えるようになったばかりよ?)
「『追尾矢』!」
「『炎槍』!『氷雨』!『雷衝』!」
三回魔法使って、相手はようやく矢を全て落とした。
(何でわざわざ、三種類の魔法を?)
と思っていたら相手はドヤ顔をしていた。
(自慢のつもりだったんだ…。)
そして、その態度がシーナを煽った。
(シオンも姉様も全属性使えるし、クリスも氷属性が一番得意だけど他の属性も満遍なく使える。エリシアに至っては、独特魔法を3つも使える。ランドは…、防御魔法と治癒魔法が…うん。貴方は全然すごくない。だから…、)
「『炎槍』!」
「『魔力吸収』!」
(魔法の真髄を見せてあげる!)
相手は、驚いている。当然だった。魔法を吸収する技なんて普通はあり得ない。
(何を驚いているの?ここからよ!)
シーナは、半ば怒っていた。その力は、貴方の祖先が自分の前世を殺して手に入れたものだろう、と。
「『改造』!」
シオンにも教えてなかった技を使う。吸収した『炎槍』に『嵐』の魔法を混ぜ…、
「炎の渦よ、全てを焼き焦がせ!『炎嵐』!」
(一人合成魔法の出来上がり!…なんか寂しい。やっと一人を倒したけど、面倒になってきたわ。最終手段…、)
「魔法使いの始祖が命じる。魔法よ、一度主のもとから離れよ。」
魔法が三人のもとから離れる。その光景を見たフィオナとシオンは、
「「…それ反則じゃないの!?」」
やらないでほしかったというのが、二人の願いであった。例えやってしまったとしても、できればすぐに返してほしかったが、
「ルールは、破ってません。勝てば良いのです、勝てば。」
の一点張りだった。こうして、シオン達は試合に勝った。三人に謝りながら…。