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さよなら
「皆、私はこの村に残ることになったの。」
「「「「「えっ?」」」」」
元バラン出身の人達のために力を使う。そうすれば、亡くなった人たちもきっと喜ぶ。マリアはそう考えた。
「私のせいで、たくさんの人が死んだ。その罪を償いたいの。」
「僕たちも一緒に…。」
首を横に振る。
「私は、貴方達に何かを教える資格は無い。罪のない人を殺しすぎた。私の手は血塗れなのよ。その償いに付き合う必要もない。」
言外に私の問題だからと言った。
「シオン、今日から貴方がリーダーよ。クリス、補佐をお願いね。」
「行かないで、師匠。」
半泣きのシオンが言う。
(そんな顔しないで。貴方達に甘えそうになるでしょ!…私だって、一緒に…うう。ごめんなさい。)
マリアは、少し流れた涙を拭う。
「この家を自由に使いなさい。修業、中途半端になってごめんね。…さよなら。」
マリアは、シオン達から離れていった。