指名依頼
シオンと付き添いでクリスが一緒に、ギルド長に呼ばれて部屋にいる。
「やっと終わった…。」
「ご苦労様です。」
ギルド長は、今回の騒動について、いろいろまとめていた。
(できれば、終わってから呼んでほしい。)
(それにしても、あの書類の山を1日で終わらせるなんて…。ギルド長は、私達の魔法や実力に驚いていたけど、ギルド長も大概だと思う。)
「私のことはいい。一番大変なのは、女王様だ。」
ちなみにこの国の女王は、人間とエルフのハーフだ。女王の両親は、愛し合っていたそうだが、子供の存在を公にすることができず、この国の女王におさまっている。(母親がエルフの王族)たまに両親が様子を見に来ているらしい。
「それで僕達は、なぜ呼ばれたのでしょう?」
ようやく本件に入れるとばかりに、シオンは安心した顔で言った。
「ああ、今回の活躍で君達のランクをCに上げる。その事を伝えたくてな。」
「Cに…ですか?ありがとうございます。」
(上がってもDだと思ってた。)
「本当は、BにしたいくらいなんだがBになるには…。」
「実力だけでは駄目ですね。知識や礼儀作法を覚えないと。」
Bになるには、試験を受けなくてはならない。筆記試験、実技試験、そして面接。面接といっても簡単な質問ばかりだが、本命はその時の言葉遣いや仕草などを見ているらしい。
(ランドに勉強教えないといけないかな。いや、敬語とかがな。はあ。)
シオンは大きく溜め息を吐いた。
「後、以前の変異スライムの件は解決した。追加報酬だ。といっても、研究者の罰金の一部だか。」
「ありがとうございます。」
「それと、もう一つ。」
「まだあるんですか?」
シオンは訝しそうにギルド長を見る。
「魔王から君達に指名依頼がきた。」




