水竜
メルティの湖
少女「あれ?、、、だれ?」
森を抜け、広い湖に出ると、少女が既に釣りをしていた
「自分達は、まぁそこらへんにいる冒険者、、、魚は釣れた?」
さりげなく少女の隣に座る
少女「ううん、、、あ!さっきね、すごい大きな魚を見たんだよ!」
少女は目をキラキラさせながら上目遣いをくりだしてきた
、、、かわいい
少女「でも、お母さん信じてくれなくて、、、だから、釣って証明したいの」
先程のことを思い出してか、少しシュンとして視線を竿に戻す
海「ふーん、、、どんぐらいの大きさだったの?」
少女「本当に大きかったの!多分私の家ぐらいあったよ!」
その言葉に思わず二人が笑う
「、、、仮にその魚が餌に掛かったとして、、、重くて釣り上げられないんじゃない?」
少女「あ、、、どうしよ」
少女がハッとし、視線を竿に下げる、と竿が思いっきり引いていることに気づいた
少女「わ、わわわ」
「早く竿離して!」
俺の叫びも虚しく、少女は文字通り引っぱられるように、湖の中に落ちてしまった
湖を見ると、先程までは綺麗な色をしていたが、今は、湖を埋め尽くす様な大きな魚の影が写っていた
ライ「おい!どうする!?」
「助けるしかない!」
海「ま、まじで!?」
息を思いっきり吸い、湖に飛び込んだ
湖の中でなんとか目を開けると、意識が無いのか、徐々に沈んでいく少女と、魚とはとても言えない、大きく細長い体に、とてつもなく長い髭、噛みつかれたら一撃で体をバラバラにしそうな大きな歯、、、水竜がいた
よく見ると、鱗と鱗の間に竿の針が刺さっているようだ
水竜は竿がうっとおしいのか、暴れてなんとか取ろうとしている
まっずい、、、なんとかあの子を助けないと、、、
なんとか少女に近づこうとするが、、、水竜が暴れることで、水流がとてつもいことになっていて近づけなかった
隣にいる海の顔を見て、一旦息を整えるためになんとか水面に出る
「ぷはっ、、、どうする?」
ライ「俺は上からあいつ撃っとくから、お前らでなんとか助けろ」
海「おっけ、、、フィア、息が辛くなったら風魔法で一気に上に上がれよ、俺も水魔法で上がるから、、、とにかく、死ぬなよ」
頷き、二人で一斉に潜る
再度潜り、少女の場所を確認する
、、、結構遠いな
海と一緒に猛スピードで泳ぎつつ、魔法で加速もするが、水竜のせいであまり進めなかった
、、、がライが撃つことで多少怯んだのか、動きが少し弱まった
、、、いい加減まずい、急がないと、、、
なんとか泳ぎ、進んでいくと、後ろから水竜の尻尾に殴られ、激痛が走り、息をもらしてしまう
がはっ、、、しまった、息が
HP 52 / 80
四分の1程減らされたか、、、だが、殴られ、吹っ飛ばされたおかげで、なんとか少女を掴むことが出来た
ウィンドの魔法を連発し、どんどん上に上がって行き、なんとか陸に上がった
陸に上がり、少女の意識を確認する
「大丈夫か!?生きてるか!?」
少女の息を確認するが、、、
既に息をしていなかった
「、、、まずいな」
電気ショックを与える機械なんてないし、、、
少女を仰向けに寝かせ、少女に跨り、心臓マッサージを施す
頼む、生き返ってくれ、、、頼む
海「フィア!どうするんだ!?」
「、、、諦める訳にはいかない」
まだ、脳が完全に死ぬまでに時間はあるはずだ
諦めずに、ひたすら心臓マッサージをする
少女「がはっ、げほっ、、、」
俺の願いが通じたのか、少女が息を吹き返した
ライ「おい!起きたのか!?」
ライと海がなんとか応戦している間に、少女にお姫様抱っこをする
「村まで運んでくる!医者に見せなきゃならない!」
後遺症だとかがあるかもしれないし、とにかく医者に見せるべきだろう
海「おっけ!さっさと帰ってこいよ!」
風魔法を足に纏い、地面を思いっきり踏み付け、駆け出した
メルティ村
村へと尋常じゃない速度で入ってきた俺に驚き、村人達が駆け寄ってきた
少女「ぁ、、、れ?私、、、は、、、?」
揺れない様に注意はしたが、やはり違和感を感じたのか、少女の意識がハッキリしてきた
少女の母親「ティア!?どうしたの!?」
俺が抱える少女に気づいたのか、母親が駆け寄ってきた
「湖で溺れてた、息も止まってたけど、なんとか蘇生したから、、、一応、医者に見せて」
そう言い、強引にティアと呼ばれた少女を母親へと渡し、再度湖へと駆け出して行った
メルティの湖
ライ「おせぇ!どんだけ掛かってんだ!」
湖へと戻ってくると、木々は倒され、ライと海は、水竜が放つ水の弾幕を、いくつかくらった様だが、なんとか避けていた
「はぁ!?全力だよ!」
実際、かなりの速度で走ったから、SPもかなり少なくなっていた
海「お前ら、とりあえずこいつなんとかするぞ!フィア、こいつ水飛ばしてくるから、それだけは避けろ、糞いてぇから」
海の言葉が終わると、水竜が水の玉を大量に飛ばしてきた
「多いな!オイ!」
なんとか木の陰に隠れたり、走り回ったりして、水の玉を凌いで、いると、当たらないことにイライラしてきたのか、顔を地面へと近づけ、どでかい玉をチャージしだした
ライ「な、なんかでけぇの溜めてるぞ!」
「今しかない!」
魔力を足に集中し、全力でダッシュ、そして思いっきり高く飛ぶ
海「馬鹿!ゼロ距離で撃たれるぞ!」
、、、あ
だがもう遅い、、、行くしかない!
口元に溜まった大きな水の玉が眼前に広がる
それを、二つの剣に風の魔力を込め、思いっきり切り裂いた
そして
「う、おおおおおおおおお!!!」
水竜の目玉に渾身の突きが炸裂
した、、、と思いきや、謎の水色の魔法陣に防がれていた
??「、、、死ね」
魔法陣が激しく光を増し、避ける暇もなく吹き飛ばされた
飛ばされる直前、、、魔法陣の後ろにいた、人型になった水が、憎らしそうに自分を睨んでいたような気がした
海視点
フィアが水の魔物の女性に遥か彼方へと吹き飛ばされ、、、見えなくなってしまった
ライ「ちょっ、、、あいつどこまで飛んでった!?」
「とにかく逃げるぞ!俺たちじゃ絶対勝てねぇ!!」
あの魔法陣、、、水+風の魔法か?
しかも、見えなくなるまで飛ばす、、、となると、そうとう強い魔法だ、、、少なくとも、フィアがいない時点で勝ち目は無くなってしまった
全力で森を抜ける
チラリと後ろを見るが、追ってくる気配はなさそうだ
メルティ村
母親「貴方達は先ほどの、、、!娘が迷惑をおかけして申し訳ありません」
母親が俺たちを見るなり頭を下げる
「いえ、気にしないでください、あいつが勝手にやったことですから」
そう言うと、母親が顔を上げ、首をかしげる
母親「えっと、、、あの女性は?」
ライ「ああ、、、なんか変な奴に吹き飛ばされたから、行方が解らん、、、呼び出しにも答えねぇし、、、」
「まぁあいつのことなら心配いりません、アテはあるので、、、ただ、あの湖には暫く近寄らない方がいいかもしれません、恐ろしい連中が沢山いるので」
母親「は、はい、村の人達にもそう伝えておきます」
ライ「んじゃ、俺らあいつを探さなきゃならないんで、これで」
母親「ま、待ってください!な、なにも用意出来ませんが、、、せめて一晩泊まっていってもらえませんか?もう夕方ですし」
ライ「いや、奴を探さなきゃならないし、、、あれと合流出来たら、その時にってことで」
メルティ村を後にした
「どうするよ、、、」
ライ「つったって、あいつの連絡を待つしかないだろ、、、とりあえずサウザンドリーフに戻ろうぜ」
初めて文書データを誤って消してしまいました、、、




