チーム トリニティ
海「よし、、、取り敢えず魔法だしてみろ、それぐらいは出来るだろ?」
言われるがままに、手を前に出し、目を閉じ、イメージする
、、、手に力を込め、力を抜く、、、力は入ってないが、チカラは入っている、、、なんと表現したものか、、、
魔力が手に集まっているのを感じる、、、風が渦巻いている姿を、自分の意のままに動く姿を、、、
手元に風を感じ、目を開くと、確かに小さな竜巻が、自分の手元で渦巻いていた
「お、おおおおお、か、かっこいい!」
海「よし、、、そんじゃ、その調子で詠唱に入って、、、取り敢えず前に飛ばしてみるか、見てろ」
海が手を開くと、小さな炎がボォっと音を立てて現れる
そのまま前にかざすと、炎は目の前のライに飛んで行った
ライ「おま、」
ライが慌てて頭を逸らし、間一髪避ける
海「こんな感じ、慣れれば飛ばす以外にも、纏うとか、範囲化とか出来るようになるだろうけど、取り敢えず、やってみ」
海がやったように、風を一度消し、手を前に出し、魔力を思いっきり込め、放つ
気がついた時には、とてつもなく早い、小さな風の塊?がライに向かって飛んで行った
ライ「おま、えもかよ!」
ライが顔を庇うように腕を眼前にやる
風はライに直撃した、、が、ライが僅かに後ずさるだけで、風は消えた
ライ「お前ら、、、俺を的にすんなぁ!!」
ライが銃剣を構え、弾を乱射する
「わ、悪かったから撃つな!!」
数分後
「そういえば、どれぐらいHP減ってた?」
ライ「あぁ?、、、3.4ぐらいだな、多少切れた様な感覚があったから、それでダメージが入ったんだろ」
デカい石にあぐらをかきながら、多少イライラが治まったライが答えてくれた
海「ダメージ少な!?、、、まぁ詠唱も糞短くて済むっぽいし、範囲もそこそこあるし、、、使い所に困るけど、まぁ、いいんじゃないか?」
「まあな、消費MPも少なかったし、遠距離メインで行こうとは思ってないから、こんぐらいので十分だ、、、状態異常系の魔法でもよかったんだが」
正直、ファイヤとかが来るよりも、使いようによっては便利だと思う
ライ「よし、んじゃ狩り再開すっか」
ライが石から立ち上がり、待ちくたびれた様に首を回す
「あ〜、そういえば、この魔法のlv1ってどゆこと?」
海「あ〜、、、説明してなかったな、えっと、上がる条件は知らんが、魔法にはレベルがある、レベルが上がると、まぁ単純に最大威力があがる、、、今のままだと、幾ら魔力を込めようがあれぐらいの規模だけど、レベルが上がれば更に強く出来る、、、今のところ俺が分かってるのはこんぐらいだな、因みに俺はファイヤの魔法lv2 とウォーターの魔法lv2だ」
ライ「エルフなのにまだ2つかよw」
海「うっせ、まだレベル3だからいいんだよw」
あれ?まだレベル3?
、、、彼女はシティエリアだったっけか、忙しいだろうしなぁ、こいつ
ライ「あ〜、お前学校行ってるんだっけ」
海「ああ、正直行かなくてもいいと思ってるんだけど、親がせめて高校はでとけってうるさくてな」
その日は狩りを一日中して終わった
次の日
酒場、、、は止め、適当な喫茶店
ライ「狩りも別にいいんだが、他の街、もしくは村とか行ってみようぜ」
唐突にライが提案して来たが、、、確かに、同じ場所でひたすら戦うだけ、というのは、如何せん、、、なぁ?
海「確かに、戦いをひたすらするのもどうかとは思うしな」
折角新しい世界に来たんだから、色々な物を見たい
正直、ここら辺の敵はもう戦いまくったせいで、、、いや、おかげで、か?
すっかり戦い慣れてしまって、金的には効率的だが、どうにも飽きてしまう、、、慢心はいけないとは思うのだが
「まぁそれもいいと思うけど、、、ゲームとかだと、団、とか、チーム、とかあるだろ?」
ライ「あっ(察し)」
海「口で(察し)言うのかよ、まあ俺も察したけど」
二人が笑いながらそう言う、、、まぁ、いくら鈍くても察せられるような話題の振り方だったしな
「ということで、そういうの作ろう」
ライ「別にいいけど、作り方わかんのか?」
「問題ない、昨日調べた」
チームを作るには
各大都市のいずれかの冒険者ギルドのチーム受付、にて、チーム登録費用、団長一人、副団長二人、チームを表すチームシンボル、チーム名、が必要
チームを作る利点は、チームイベントに参加可能、チームランクを上げることで特別なアイテムが貰える、という点以外あまり無い、、、が、仲のいい人との交流の場、協力の場、としては最適だと思う
因みにチームランクを上げる方法は、チームメンバーのトータルレベルが一定以上に到達する、チームイベントに参加する、チームメンバーがクエストを達成する、等でポイントが溜まり、それによりランクが上がるとのこと
ライ「成る程、別にいいけど、シンボルマークはどうする?」
「あー、えっと、まず、他のチームシンボルと似てる物は採用させてくれない、そういうルールがあった、マークは、、、ん〜」
海「定番的だけど、武器でいいんじゃないか?杖、銃剣、片手剣を上手いこと並べる感じで」
「成る程、、、それだけじゃ地味だし、木の葉でも舞わせるか」
ライ「え?なんで木の葉?」
「千葉だから、千の葉」
海「んじゃ配置どうする?描くのはライでいいだろ?」
ライ「はぁ?なんで俺なんだよ、言い出しっぺがやれよ」
「お前が一番絵上手いだろ」
なんだかよくわからんが、ライは変なところ器用だ、パソコン、机、椅子などを自分で作ったりも出来る
ライ「ちっ、、、まぁいいや、配置は、ん〜、、、」
俺達の言葉を聞き、満更でもないのか、ライは頭をかきながらそう言った
30分後
ライ「よし、配置はこれでいいな?」
「配置だけで長かったな、、、」
海「よし次、チーム名」
「チーム名、ライトニングスピード」
ライ「やめろぉ!!」
ニヤニヤしながらその名を口にすると、ライが椅子から立ち、顔を赤くしながら叫ぶ
海「出た、くっそなつい」
海が吹き出し、腹を抱えて笑う
ライ「頼むからそれだけはやめろ、まじで」
チーム、ライトニングスピード
ライがとあるオンラインゲームで結成していた団で、当時ライとオンライン上で仲良くしていた二人で結成された団
無論この団の設立者はライ、中学2年生
いわゆる中二病がおもいっきり炸裂した名前である
因みにこの団はそれぞれがログインしなくなったことで解散になったらしい
「まぁ冗談はともかくとして、、、これが一番迷うだろうな」
ライがその言葉を聞き、ほっと息を吐く
海「ぬー、、、どうしたものか」
2時間後
「スリーピラーズオブスタビリティ、意味は三本の矢」
適当にネットワーク上で、良さげな名前を探し続けていた
海「ぬ〜、意味はいいけどなんか長くないか?」
ライ「ん〜、、、トリニティ、なんてどうだ?三位一体って意味」
海「あ〜、いいんじゃね?短くて、そこまで中二臭くない」
もはや投げやりになりつつも、悪くない、と思う
「でも、三位一体って、、、チームが五人、六人になってもトリニティって言っていいのか?」
ライ「いいんだよ、意味的には三本の矢とたいして変わんねぇだろ」
いやいや、変わると思うが、、、トリニティ、三位一体、、、要するに三人が協力する、みたいな意味なのか?知らないけど
、、、いや、要するに、力を合わせろ、ってことを言いたいんだろうか?三、っていうのは実質意味的には二の次なのだろうか?
「まぁならそれでいこう、トリニティで」
「さて、じゃあラスト、団長と副団長、、、まぁ海でいいよな?団長」
海「え〜、、、また俺?」
海は学校などで常にリーダー格だった、部活もキャプテンだったし、学級委員でもあった、、、
俺たちよりも向いてるだろう
ライ「それしかねぇだろ、俺たちよりは上手くやるべ」
海「あ〜、、、でもストップ、俺学校とかあるし、多分そんな団長的に動けない」
「あ、、、まじか、どしよ、どんぐらいこっちに居るんだ?」
すっかりそのことを考えてなかった
海「ん〜、月から水までは学校だから無理、木から日は、来れはするけど、向こうの付き合いもあるし、彼女はシティだから、ぼちぼちなんだよなぁ、、、まぁあと二年したら、もうこっち永住だろうけど、、、」
そうだよな、、、それどころか、あの死亡人数の通達で家族にこっちに来ることを禁止されてしまうことさえありえるかもしれない
ライ「んじゃあフィア、よろ」
、、、予想は出来ていたが、責任ある立場になるというのは、、、やはり緊張する物だ
「、、、まぁライがやるよりはいいか」
ライ「お?喧嘩売ってんのか?お?」
「お?変わるか?お?」
ライ「それはいいや」
「だよな」
冒険者ギルド、チーム受付
受付に話しかけ、一通りの登録をすませる
チーム名 トリニティ
団長 フィア
副団長 ライ 、 海
チームシンボル 、2対の双剣をクロスさせ、交わる部分に銃剣が縦に刺さり、杖が横に刺さっている
それに風に吹かれている木の葉
 
費用を支払い、確認画面からOKを押す
受付「、、、はい、チーム名、アイコン、共に問題ありません!結成おめでとうございます!チーム結成を記念して、こちらを差し上げます」
受付が何処からともなく、白い、鍔が無く、柄の部分にはチームアイコンが書かれている日本刀を渡してきた
受付「こちらは各チームのリーダーに渡している、リーダー武器です、あなた様がメインとして使う武器種をお渡ししましたが、間違いありませんか?」
成る程、、、そういうのもあるのか、、、というか、日本刀?片手剣の一種と判断されてるのか?よくわからんが
「問題ないです」
受付「その武器の名前は、こちらで設定してください、尚、その武器は貴方のチームのレベル、活動内容、チームメンバー、などなど、様々な要素によって変化します」
ああ、成る程、強い武器を手に入れて、そしたらもう使わなくなる、ていうのもどうかと思うし、対策は一応されているのか
ライ「うっわ、くそ、やっぱリーダーになればよかったかも」
「ざまぁww」
海「まぁ、その剣が強くなるってことは、その分、チームが強くなってるってことだ、つまり、、、」
「責任も大きくなっている、と」
まぁ、何も起こさなけりゃいいだけだ、言いくるめの自信もそこそこあるし、、、頑張るか
「名前どうしよ」
ライ「普通にトリニティソード、でいいんじゃないか?」
海「そもそもソードとブレードとセイバーの違いってなんだよ」
「待て待て、というか日本刀でしょ?三位一体の剣、とかでいいんじゃない?」
この調子だと、また二時間ぐらい議論しそうだ、、、
ライ「ん〜、、、日本刀なら、の、ってのはどうなんだ?こう、漢字だけの名前にすべきじゃないか?」
ライの言うことも一理あるが、、、もうこれ以上議論を交わすのは疲れる
海「、、、三位一刀でどうだ?」
「よしそれで」
海「ええwいいのこんなで?」
まぁ、、、なんか程よい感じだしいいと思うし、問題ないだろう
ライ「別にいいだろ、そんなで」
三位一刀と入力し、okを押す
受付「はい、名前の方、問題ありません!それでは、これからチームとして、頑張ってくださいね!」
右手 三位一刀 攻撃時ダメージ1.1倍
左手 ウィジーソード 追加効果 なし
「そういえば、副団長ってどんぐらい権限あるんだ?」
ライ「え〜っと、、、」
メニューからチームを選択し、ライが確認する
ライ「リーダーが死んだら引き継ぎ、団員の招待、チーム紹介サイトの設定、チーム共有資金の使用、が基本で付いてるけど、権利増やせるし消せもするだろ」
「そんなもんか、、、つっても最後のはまだ家ないから意味ないけど」
海「?どゆことだ」
「チーム共有倉庫、及び金庫はチームハウスにしか置けないから、家ないから意味ないってこと」
海「成る程」
ライ「よ〜し、んじゃ、行くか」
サウザンドリーフを出て約二時間後、
ひたすら南に進むと、小さな村が見えてきた
メルティ村
村人A「こんにちは、旅の方、ここはメルティ村、この村のピーナッツは最高だよ!一回食べてみるといい、ほら、あそこの店だ」
村人Aが俺たちを見ると、そう一気に話した
、、、この流れは、どの町村でもあるのか?
「ありがと、ところで、この村には」
少女「本当だよ!私見たの!」
なにか事件とかあるか?と聞こうとしたところで、一軒家の前で子供が親に何かを訴えているのが目に入った
母親「そんな魚、あそこにいるわけないでしょ?」
少女「本当なの!あそこの湖!おっきい魚がいたんだって!」
ライ「?どうした、フィア」
「ちょい黙ってて」
母親「でも、影しか見てないんでしょ?」
少女の話を、母親は完全に信じていないようだ、、、少しは信じてやればいいのに
少女「そ、そうだけど、、、あ!じゃあ釣ってくる!待ってて!」
そう言うと少女は家の前に立て掛けらていた釣竿を持ち、走って村の外に出て行った
海「成る程、ありがとうございます」
視点を元に戻すと、村人Aは畑仕事を再開していた
ライ「んで?どうしたんだ」
「ああ、、、聴覚強化で聞こえたんだけど、さっき村から出てった子供いたろ?そいつがなんかでかい魚を見たから釣ってくる〜って」
こういう、種族によって取れる行動が違うのも面白いと思う
海「成る程な、因みに、別に問題は起こってないとさ、、、その子供を追うか?」
「んだな、今ならまだ間に合うだろうし、行こう」
次回からやっと、物語が動き出すかも、、、?
 




