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夢現

クロ「主…」

「ん、クロ。何を買ってたんだ?」

特に目的もなく歩いていると、大量の買い物袋を携えたクロと丁度出会った。

クロ「えっと…ぁ、内緒だった」

クロはそう言うと、内緒、と小さく答えた。

「そ…っか。…というかそれ、マジックなんとかっていう袋の中に入れたらいいんじゃないのか?」

確かそう、NPCように与えられている、所謂道具袋があった筈。

クロ「…あ、そっか」

普段こういった買い物をすることが無い為か、存在を忘れてしまっていたらしい。独りで生活していた時はどうしていたのか…。料理は中々美味しかったのは覚えている。

クロ「クロ…行くね。シアが待ってる」

「あ、ああ」

そう言うと、クロは振り返ることなく歩いて行ってしまった。

……クロも、変わったな。

長く離れていたからより依存的になっているんじゃないかと思ったが…どうやら逆だったらしい。共依存、までは行かないが…自分のことを一番に必要としてくれたクロに、自分もまた…そうだったのかもしれない。

クロとは反対の向きへ、一歩、二歩、三歩…いつもの調子で歩みを進める。

少しの寂しさを引きずりながら、更に行こうとした時…

クロ「主」

「うおっ!」

クロの声が突然背後から聞こえ、思わず声を上げて振り返った。

「ど、どうかした?」

クロ「…主、なんだか……寂しそうだったから」

どうやら下を向いていたのを見られてしまっていたらしい。心配になって戻ってきてくれたようだった。

「あ、ああ…いや、太陽が出てるからかか、もしくは久し振りに起きたからか、ナイーブになってるだけだよ…。…心配してくれてありがとう」

恐らく、ケットシーの耳、尻尾も下を向いてしまっていたのだろう。なんとか笑顔を見せ、クロの頭を撫でて誤魔化した。

「それより、行かなくていいのか?」

クロ「でも…」

不安そうに覗き込んでくるクロ、笑顔はまだ…保てているだろうか。

どうにも…何かおかしい。a、φ、どちらも満たされて最期を迎えていた。…では、自分は?

満たされた心は確かに自分のもので、それは大きすぎたから、本に多少移した。…眠っていた間に、シアがずっと世話してくれていた。撫でたら、喜んでくれた。あの三つに別れた心達…あれは、本当に…“自分”か?

相も変わらず腹の立つ、愚かで臆病で疑り深い自分の心は…気がつくとまた、乾き始めていたらしい。目覚めて最初の夢の中でのこと、そして今、心配してくれている彼女のこと……それさえもまた、不安だった。みんな、自分が覚えている通りのままの“みんな”なのだろうか?自分は、みんなが思っているような“自分”なのだろうか。

この体の重さは…自分が置いていかれてしまっている証拠なんじゃないだろうか。

クロ「主……?主っ」

「……?ああ、悪い…。ボーッとしてた」

クロはフィアと目を合わせ…何かを決めたのか、突然にフィアの手を引き何処かへと歩き出した。

「クロ?」

クロ「…来て」


クロに手を引かれて歩くこと数分、着いたのはなんてことのない路地裏。

「ここは…?」

クロ「人目があると、主…嫌だと思って」

そういうとクロは振り返り、フィアを正面から抱き締めた。

「く、クロ…?」

クロ「主…。クロ…怖かった」

「…怖かったって、何が?」

言いよどんでいるらしく、喉の鳴る音が聞こえたが…クロはそっと口を開いた。

クロ「主が…クロの知ってる主じゃなくなっちゃってるかもしれないって」

クロが告げたその想いは…ちょうど彼が抱えているものと似通っていた。

クロ「最初、死んじゃった主は、もっと…怖くて、強くて、クロを見ても気づいてくれない、魔物になってると思った」

ひとつずつ、ひとつずつ、息をゆっくりと吸い込みながら、慣れないながらに彼女は想いを言葉に変換していった。

クロ「でも…天使になってた主は…クロのこと、気づいてくれて。魔物の方も、最後には一緒に戦えて…嬉しかった」

次第に締め付けがきつくなっていき、彼女の気持ちが伝わってくる。

クロ「今も…この匂い。ずっと変わってない。…クロは、主が…好き」

そう想いを、改めて告げる。そしてクロはそのまま…フィアの唇を奪っていった。


一度離れ、呼吸を整える。そして今、一番気になっていたことを尋ねた。

「…どうして、それを今?」

クロと目を合わせると…クロも頬を赤らめていて、普段見れないその姿に思わずドキッとした。

クロ「…主が、変、だったから。すごく……辛そうだったから。ちゃんと、伝えなきゃって」

クロは…すこしきんちょうした様子で、胸のあたりを押さえた。フィアの不安が伝染したのかもしれない。それでも、彼女は言葉を続けた。

クロ「主…。クロは、主のこと…すき。クロはいつでも…ずっと主といっしょにいるよ。…だから、なんでも…話して欲しい…。クロ、主がして欲しいこと…なんでもする。何が起きても、何を捨てることになっても、クロは、いっしょだから…。……それでも、だめ?」

自分よりも背の高いクロを見上げるように視線を上げた。不安そうなクロの目には涙が浮かび始めていて…それ程までに心配させてしまっていたのだと思うと、申し訳なくなると同時に…嬉しかった。

「クロ、目を閉じて」

その言葉に大人しく従ったクロに、口づけを。まさかフィアからされるとは思っていなかったらしく、頬を再び赤く染めて、ポカンとした目でフィアを見つめた。

「…ありがとう、クロ。もう…大丈夫」

そっと抱き寄せ、愛しの頬擦りを始める。彼女の匂いが嗅覚を刺激し、その匂いの懐かしさに頬を緩めていた。

彼女は…昔のままでもあって、変わってもいた。昔のように、愛を伝えてくれる。愛を持ち続けてくれている。今では、気持ちを察し、言葉にしてくれる。

「もしまた、自分が辛くなった時…クロに甘えてもいいか?」

クロ「…うん。そうしてくれたら…嬉しい」

そっか…と彼女の感触を確かめるように撫でる。

「でも…クロも、何か辛くなったら、自分に甘えて欲しい。いや、甘えたくなったら何時だって甘えてくれ。その方が…嬉しい」

そうフィアも想いを告げると、クロはフィアを抱き締め返し…その様は、ぬいぐるみを興奮のあまりギュウギュウに締め付ける子供のようだった。

クロ「うん。…ありがとう、主」

その締め付けの強さに負けじと仕返し、フィアがギブアップしたのはそれから十数分後だった。


「そろそろ行かないと、さすがにまずいんじゃないか?」

ようやく解放され、締め付けられて悲鳴をあげていた肩を、伸びをして治し、心を入れ替える。シアたちを待たせているとしたら、スターシーカーを渡すべきかもしれない。

クロ「うん…。ぁ」

「?」

何かを思い出したらしい、そして更に記憶を漁った後、クロは言葉を続けた。

クロ「7時ごろ、帰ってきてってシアが。…みんな、待ってるから」

そう一方的に告げるとクロは早歩きで去ろうとして、また何か思い出したのか、クルンと髪をなびかせて振り返る。

クロ「あと…お腹、空かせておいて」

「あ、ああ」

返事をすると小さくはにかみ、クロは路地裏から去っていった。


時刻は午前10時、7時…というと、かなりの間暇になる。

…昼頃には流石に帰ろうと思っていたんだが…。とはいっても仕方のない、取り敢えず言われた通りにしよう。…なにをしているんだろう。みんな、待ってる…?


少し早めの昼食を適当なところで買い、メニューウィンドウにしまう。そしてついでに途中で大きめの日傘を予備も含めて二つ購入。なるべく直射日光に触れないほうがいいだろうという考えの元だ。

スターシーカーで飛んだのは…アワーホームの屋根の上。聴覚強化があっても家の中の声は聞こえなく、期待は外れたが…他に訪れるところがあったわけでもなく、何よりなんだか落ち着く。

屋根の上でゴロンと寝そべる。氷で二つの傘を少し高めに固定すると、丁度直射日光を防ぐようにすることが出来た。

何をしてるのか、それも気にはなったが…7時になれば恐らくわかるのだろう。

…そうだ。

久し振りにイヤホンをつけて音楽を流す。静かでゆっくりなリズムに耳を澄まし、腕を枕代わりにすると、久し振りの目覚めで体はクタクタだったのか、意識は瞬く間に闇に落ちた。



?「あの…私、起きてください」

??「…起きろ、おい…!」

「ん…?…うぉい!」

目を覚ます。…いや、正確には少し違う、ここは夢の中だから…なんと言えばいいんだろうか。夢の中だと解ったのは、3人の辺りの景色はアワーホームの、一番よく見た居間に寸分違わなかったから。…寝ていたのは屋根の上っただ筈、いや、そもそも…。

「…φ(ファイ)が喋ってるし、消えた筈の2人がいるし」

その世界には…自分の中に還った、a、φがいた。

φ「ああ、まぁそういうことだ。んで、夢に出てきた理由は分かるのか?」

何時もフィアが食事時座っている椅子の背もたれの上に、とんでもないバランス感覚で座ったφがそう問いを投げた。

「待て、そもそも夢ってのは記憶の整理とかそういう奴で…理由とか言われても」

a「確かにそうです。貴方が今頬を叩けばこの時間は終わりますし、私達だって、言ってしまえば貴方の脳に勝手に思い浮かんだモノで、実在していた私達とは多少違うかもしれません」

フィアが普段座っているソファに座りつつも、背をピンと伸ばして寄りかからないaがそう3(フィア)の考えを言葉にした。

φ「ああ。だがそもそも俺たちはお前であってお前じゃない。…いや、そんなことはどうでもいい。目覚める前に決めさせるべきことがあるんだよ」

2人の間に棒立ちで目を覚ましたフィアは、ファイの言葉の続きをなんとなく予想しつつ、息を飲んだ。

a・φ「貴方(お前)はどっちを選ぶんですか(だ)」


一瞬、改めて明確に言葉にされたことで思考が止まってしまった。2人はその間も尚、ジッとフィアを見つめていた。

「それは…シアかティアか、ってこと…だよな」

φ「当たり前だ」

a「…もしかして、クロさんか、メアさんですか?」

「いやそんな……ええ……」

フィアの煮え切らない様子に我慢ならなくなったのか、aが立ち上がりフィアの眼前に迫る。


ーーー

というか、そういう…どっちがより好きか、みたいな話はしたく無い。それは何方かを喜ばすために何方かを悲しませることに他ならないし、値踏みするような真似は、人間に対してしたくはない。

だが…そんなことは2人も思っているはずで、それでも今、こうやって明言させようとしているのは…俺が、aでもファイでもない俺が、誰かに熱烈なプロポーズでもされようものなら受け入れてしまいそうな…所謂“早い者勝ち”の状態に陥りそうだったからだろう。

ーーー


a「シアさんですよね?あんなに貴方のことを理解して、助けてくれる娘はそうそう…いいえ、この世界に1人もいませんよ」

aのシアを勧める言葉に、ピクリとファイの耳が反応した。

φ「待て、ティアにしろ。てめぇ…いっしょに風呂とか入ってただろ!何も知らない幼気な子供を連れ込みやがって!責任問題だろ、おい!」

「待て!!誘ったんじゃなくて誘われたんだろ記憶改竄させるな!」

しかしフィアの言葉を無視し、ファイはさらに畳み掛ける。

φ「大体てめぇ、お前の助けになりたいって親元離れてわざわざ来たんだぞ、あいつの人生を託されたんだよ、助けになりたいってもうそれプロポーズじゃねぇか!受けたんだよお前はもう婚約中なんだよばあああか!!」

a「そんな理不尽な…誇張しすぎです!ライさんですか貴方は!!」


その後も問答は暫く続き、2人が息を切らし始めた頃…。

「…お前ら、一貫して自分の好きな方をべた褒めだけど…取り敢えず、相手の勧める方の良いところも言い合ってみないか」

一応確認しておきたかった、まさかそんなことはないだろうが、相手が他の方を勧めていない、というわけではないということを。

a「泣いてる顔が可愛かったです」

φ「たまに甘えてくるとやばい」

即答かよ…とフィアが溜め息を吐く。流れが変わったことで一旦二人とも落ち着いたらしいが、すぐにφが切り返した。

φ「確かにシアもいい。だが1人、1人だけ選ぶのなら…」

こんな性格ではなかった筈なのだが…夢というのはタチが悪い。

再びヒートアップした2人に溜め息を漏らす。2人とも或る意味自分とは言え、どうしてこうも…めんどうくさいのか。いや、話していることは重要なことなんだが。


「落ち着け…。…はぁ…そもそも一旦、俺の理想に一番合ってるのが誰なのか、どう好きなのか、考えていくことにしよう」

2人の口元に手をやり静止し、また議題をすり替える。完全に話し合いは停滞していたが…それでも自分から止まれない、負けたみたいで。その気持ちはよく分かっていたからだ。

「俺の心が分かって、黒い裏が無くて、誰とも付き合ったことがなくて…見た目がこの姿に近い」

好みは共通している筈のため、フィアが代表して口にしたが…。

…あれ?

フィアとφが…1人、丁度思いあたる人物を思い浮かべた。

a「シアさんは性格の点で言えばパーフェクトですね。見た目はまだ子供ですから、将来に期待……?お二人とも…あの…?」

そしてaは、自分を見つめているフィアと目が合い…その瞬間に理解したのか、ボンッと漫画アニメよろしく顔を真っ赤に、沸騰した湯の入ったヤカンかのように熱気を爆発させた。

a「ま、ままま待ってください!それは、理想の見た目は確かにそれですが…結局のところ、中身の優先度が私達は第一でしたよね!?最低限の見た目があれば…そうだったでしょう!」

φ「見た目的に言えば、胸と身長、髪色意外は瓜二つだし、性格は…兎も角として、気持ちの以心伝心は他と比べ物にならないだろ」

a「あ、あなた裏切るんですか!?」

ファイ「いや?フィアがaと好き合うってなったら、多分全員呆れるだろうけど、一番誰も別離しなくて済みそうだなと思って」

ぐぬぬ…とaが反論出来ずに口籠る。

φ「それに、見た目的なタイプで言えば俺ら同じだし…」

aとしても、フィアの見た目が1番ストライクな筈…最も、彼女として歩んだ経験から好みが多少は変わったかもしれないが。

「俺は言った。他の人が信じられないなら、自分を…!」

aの肩を掴み、何かを決めたような瞳で彼女の瞳を直視する。

a「いやそれ…ぇ、あの…ちょっと…!」

自分?とはいえ異性と、目を合わせることは慣れていないらしく、aは顔を赤くしながら目線をそらした。どうしようかと混乱しているのが丸わかりである。

「まぁ…冗談は兎も角として、耳とか、あのもふもふの尻尾とか…クロも惹かれる」

肩からパッと手を離し少し距離を取ると、そう何事もなかったかのように、フィアは話を切り替えた。

冗談、という言葉にはぁ…と安堵の籠った溜息をし、まぁ分かっていましたよ、と会話に入る。

a「そうですね…。それに、あの雰囲気…なんて言うんでしょう。何か惹かれる物がありますよね」

φ「目だろ、暗い、闇そのものみたいな…あの頃のティアと似ていた」

a「ああなるほど…。ん……では、メアさんは?」

一瞬間を置き、aが問いかける。…今更照れくさくなったのだろうか。言ってしまえば…惚気?少し違う気もするが、こういう話を誰かとした覚えなど無く、今更意識しだしたのかもしれない。

「なぁんだろ…。なんか…なぁんか……可愛い。なんだろう、あれこそ…なんだろ、ぇえ…?」

φ「なんかってなんだよ…。…まぁ解るけど」

a「なんていうんでしょう、あれは…。あの、知識不足で背伸びしててたまに大人っぽくて?…感情的で、子供っぽくて…」

あのままの距離感でいて欲しい。でも…もっと、親しくなりたい。変わって欲しい…、…変わって欲しくない。

「…愛おしい」

言葉に出した瞬間に…自身に呆れる気持ちと、心が気付いた予感を得た。

…惚れやすい?いや、そんな筈はない。ただ…彼女達が魅力的過ぎた。そうであってくれ、頼むから。

φ「…呆れた。結局お前…いや、俺達はーー」

a「ーー誰も選ぶことができない」

ははは…と3人の乾いた笑いだけが世界に響く。好きになれても、選ぶことができない…どうやら、次へ進む為に越えねばならない壁は、とてつもなく厚いらしかった。

「…もう、さすがに勘弁してくれ。…罪悪感が」

φ「まぁ、いくら話しても無駄だってのはなんとなく解ってたが…。ただし、いつか決断しなきゃいけない時がくる。ここまで来たんだ、…受け身には回るなよ」

それだけ言うと、φは何処かへと跳んで行ってしまった。

a「…誰かは、悲しませてしまうでしょう。ですが、後悔は無いように…。さよならは、笑顔でするもの以外許しません。…さて」

2人の言葉を胸に刻んでいると、aが視線を向けた先、跳んで行ったφが、メアの後ろ首元を掴んで連れて戻ってきた。

「…いつの間に」

a「ちょうどメアさんのことについて話題が移ってた時ですね」

φ「気づいてたなら捕まえろよ…」

気づいてなかったことに少し悔しそうに溜息を吐くφ。彼に首元を掴まれたメアが、恨めしそうにフィアをジト目で見た。

メア「折角起こしに来てあげたのに…どういう状況よこれ!しかもどうして…なんで私のこと、か、かわいいって」

噛み付くように話し始めたメアだったが、次第に先程のことを思い出してか、頬を赤らめて黙り込んでしまった。

a「…やっぱり、可愛いですよね」

φ「…ああ」

「まぁ…こういうこと。メアの素晴らしさを語り合っていたんだ」

首根っこを掴まれる形で持ち上げられた猫のごとく、間抜けにブランと手足をだらけさせたメアの頬をプニプニと弄りだしたaとフィア。それに加えてφはメアの頭を撫で出し…メアの頬は上気し、耳まで赤くなり始めていた。

囲まれてちやほやされることに慣れていないのだろう。無論、彼等も囲んでちやほやすることに慣れているはずが無いのだが。しかし何故だか…メアに対しては自分のペースを保ち続けられる。自然な気持ちでいられる。それもまた、メアの謎の魅力の一つだ。

メア「〜〜っ!いいから…!はやく、起きなさい!!」

メアが右手に何かを出現させ、左手でそのピンを抜いた。…出現させたのは、スタングレネード。その瞬間に意識は揺さぶられ、世界は光に包まれる。…どうやらお別れらしい。


…いつかまた話しましょう。私。


…もうこりごりだ。俺。


正反対な2人の言葉に、なんとなく“らしさ”を感じつつ、フィアの世界は閉じられた。


次回最終回すぐに上げます。

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