嬉しさと怖さと
道中を進みつつ、現れるゴブリンを順調に殺、、、倒していく
、、、人型を斬っているわけだから、多少気持ち的にきついものがある、、、が、特に意識しなければ問題ない
ライ「、、、返り血すげぇことになってんな、俺達」
服も白と黒ベースだったのが、赤と黒になっていた
「、、、バスタオル的なのも買わなきゃならんな」
海「つか、お前らよくもまぁあんなにバッサバッサと切りにいけるよな」
海は、人に近しい物を殺しているということを意識してしまったのだろう、、、顔色が悪かった
「、、、意識しなけりゃいい、蚊がいたら殺すだろ?それと一緒だと思えばいい」
顔についた血を袖で拭きながらそう助言した
、、、自分でも、今、かなりキチガイ的な考えをしているんではないか、と思わずにはいられなかった
ライ「おま、、、まぁいいと思うけど、恐ろしいこと言うな」
「おまいう?」
普段はこいつの方がえげつないこと言ってたような、、、
ダンジョンを進んで行くと、洞窟には合わない、ここに大事な物がありますよ、とアピールしているような厳重な扉があった
海「、、、明らかにボス部屋だよな」
ライ「だろうな、、、準備いいか?」
全員頷く
「、、、行こう」
扉を開けた
ボスの間
扉を開けると、洞窟の奥らしい大きな広間があった
綺麗な大きな宝箱の前に、普通のゴブリンの5倍近い大きさのゴブリン
それを取り巻く六匹のゴブリンがいるのを目を凝らして捉える
「やっぱり、こんな感じの戦闘だと思ったよ」
ライ「うっし!本体は任せろ、雑魚の処理を最初頼む」
「おっけ「了解「わかった」」」
2人が魔法を放つ
が、ゴブリンは軽やかに避けた
「こいつら、、、道中のより出来るぞ!」
ライと共にゴブリンの群れに突っ込む
ライがボスに対して銃剣を振るが、ボスのもつ超超巨大な棍棒によって防がれた
ライ「さっさと倒して加勢頼むぞ!」
ライがいつまでもつか解らない、、速めにケリをつけるべきだろう
一番手前にいたゴブリンに対して斬りかかるが、案の定剣で防がれる
右からもゴブリンが来ているのを察知し、バックステップ、お得意のスライディングで手前の二匹の足を切り落とし、続けざまに頭を切り飛ばす
その間に2人が二体倒してくれていた様で、残り二体がボスゴブリンの後ろにいた
、、、なんでやつらは攻めてこないんだ?
暗くて見えづらかったが、目を凝らすと、、、奴らが剣から弓に持ち替えているのが見えた
状況によって戦闘スタイルが変わるのか、、、?
二匹が矢を放つ
なんとか伏せて逃れ、体制を立て直す
続けて射って来た物も、間一髪で避け、一気にダッシュし、一体を刺し殺す
もう一体も狙おうとするが、ゼロ距離で撃たれそうになったため、一旦距離を取る、、、
と、狙う方向を俺から海とリアのいる方に切り替えた
無意識に舌打ちをしつつ
「二人とも避けろ!」
叫ぶが、、、時すでに遅し、ゴブリンが放った矢は、海に命中した
海「かっ、、、あっ、、、」
脇腹に矢が刺さった海は、仰向けに倒れこんだ
なっ、、、マジかマジか!?死んでないよな?死んでないよな!?
そうテンパっていると、、、再度ゴブリンが弓を構え出す
「ちっ、、、おおおおおおおおおおお!!!」
気持ちを強引に切り替える、、、ここで殺さなきゃ海が死ぬぞ
走っていたんじゃ間に合わない、そう判断し、右手の剣をゴブリンに向けて投げつける
上手いことゴブリンの頭に命中し、ゴブリンは倒れた
ライ「おい!海は平気か!?」
ライがボスゴブリンの攻撃を受け流しつつ怒鳴る
海「うっ、、、」
リア「大丈夫!まだ死んでない!!けど、なんだか、、、普通と違うような、、、」
普通と違う、、、?何が、、、?
「毒、、、か?解毒薬あるか!?」
リア「あたしない!」
ライ「俺がある!フィア!交代!」
片手しか剣を持ってないが、仕方ない、、、ライと変わり、ボスの攻撃をなんとか防ぐ
しかし、馬鹿デカイ棍棒をただの片手剣一本で防ぐのはやはり無理があったようで、一度防ぐたび、壁際にジリジリと追い込まれていった
気がつけば、背中が壁にぶつかった
足元で何かを踏んづけた気がし、すぐさま足元をチラ見すると、、、
踏んだものは、、、骨だった
近くには明らかな人間の頭蓋骨がある、、、オプション的な飾りには、、、とてもじゃないが見えなかった
、、、いや、考えるのは後だ
な、なにか、、、なんかスキル無かったか!?敵吹き飛ばし、回避、無敵、、、、、なんもねぇ、、、
ボスゴブリンが横向きに思いっきり棍棒をスイングする、、、跳べ!跳ぶしかない!
ボスゴブリンのスイングに合わせて、無我夢中にハイジャンプをし、ボスゴブリンの顔面真ん前まで跳び、剣を脳天に思いっきり突き刺した
両手をも使い、なんとか無事着地し、ボスゴブリンを見上げると、俺に習うように、ボスゴブリンもまた、洞窟の天井を見上げ、、、仰向けに倒れ、動かなくなった
ライ「よっしゃあああああ!」
海「おおおおおおおお!!」
「よっしゃああああ!」
とそれぞれ思い思いに叫んでいると、、、勝手にメニューウィンドウが現れたので、確認する
アイテム 水晶ドクロを手に入れた
と出ていた
、、、これを取ってこいってことだったのか?
ダンジョンの奥にある宝を取ってこい、ってことだったから、宝箱回収して逃げてもいいのか?と思っていたが、、、もしこれが必要だった場合、スルーした人は、クエスト未達成ってことになるよな?
勝利の余韻に浸りたい所だったが、色々と考えなければいけないことがあるようだった
「っとそうだ、、、さっきそこに骸骨あったし、死人の持ち物もなんかあるんじゃないか?あと、なんか隠しアイテムみたいなのもあるかもしれんし、ちょっと探りいれよう」
リア「あたし、死体漁んのやなんだけど」
海「んなの、誰だってやだろw」
まぁ俺も嫌ではあるが、なにかあるかもしれないし、、、
「むぅ、、、じゃあ、自分が漁るから、三人共、部屋の中探してくれ、宝、、、お楽しみは後に残そう」
海がファイヤの光で照らしたボス部屋は、人型の死体が二体、骸骨が四体あり、グロいの一言に尽きる有様だった
仮にあの骨がオプションパーツ、、、まぁ要するに飾りじゃなくて、プレイヤーの骨だとしたら、、、サービス開始初日に入ったとして、、、四日で骨にまでなるか?やっぱり飾り的なものなのか?
、、、だが、どうしても飾りのようには見えなかった、、、ただの勘だが
暫し悩み、骸骨の近くの、もはや布切れになっている服を捲ると、血塗られた剣があった
、、、死ぬと武器をドロップするのか?
骸骨になってない方の死骸を確認すると、こちらも血塗られた武器があった
、、、こっちが骸骨になって、こっちが骸骨になっていない理由、、、
、、、あ、食べたのか?
人間が骨つき肉を食べるのと同じ要領で、、、食べた、、、ということなら納得いく
そうだ、食べたのなら、肉部分がなくなっているのも、、、
、、、もし当たっていたら、、、グロいことするな、、、子供が来る可能性だってないとは言えないのに
、、、このことは黙っておくか?結構グロい話だよなぁ
リア「あれ?お金凄い増えてる」
リアの言葉を聞き、メニューウィンドウを開くと、俺もかなりの額が増えていた
ライ「あ、俺もだ、、、ボス倒すとこんなに貰えるのか?」
海「まぁ限定モンスターだし、、、?」
成る程、、、まぁ納得できない訳じゃない
リア「そういえば、そっちはどうだった?」
「いや、金やアイテムは無かった、あったのは武器だけだ」
、、、金、あるかと思ったんだがなぁ、このゲーム結構リアル性求めてるし
海「こっちも何も無かった、、、これぐらいしか」
海はボスゴブリンが持っていたデカイ棍棒を指差す
ライ「ある意味レア、、、?」
「誰かいるか?」
全員が首を横に振る
「じゃあ一応自分持っとく、必要な時言ってくれ」
武器 超巨大特製ゴブリン棍棒 を手に入れた
、、、名前長いなおい
ライ「んじゃ、宝箱開けますか!」
ゴクリ、と緊張からか誰かの唾を飲みこむ音が聞こえた
豪勢な飾り付けがされた、金色の宝箱を、ライがそっと開ける
中身を見ると、金の山の中に、様々なアクセサリーがあった
海「こんなかのどれを渡すんだ?全部?」
「いや、さっきボスを倒したら水晶ドクロなる物を手に入れたから、これじゃないか?、、、ライが聞いた人達は、クエスト達成(?)みたいな感じだったんじゃないか?」
最後に攻撃した人に、その敵のドロップアイテムが貰える、金は戦闘に参加した人に、働きに応じた割合ずつ、とのこと
まぁどちらが正解にしろ、渡せば解ることだ
ライ「ん〜、、、どうだろうな、聞いてねぇや、、、取り敢えず山分けしようぜ、、、アクセの分け方決めてなかったな」
「まぁ次からは決めるとして、、、確か、アクセは各箇所一個ずつだったっけ?」
、、、色々覚えなければならないことを一気にチュートリアルで確認したわけだから、うろ覚えな所も多少あるのは仕方ないだろう、うん、仕方ない
リア「えっと、指は両手人差し指に一個ずつ、腕も両腕に一個ずつ、頭、首が一個ずつ、他アクセサリーは、、、どうだったっけ?」
ライ「物にもよる、イマイチ解らん、、、そもそも他ってなんだよ」
海「まあ今はいいだろ、え〜っと、アクセの数は、、、」
頭が0、ネックレス(首)が2、腕輪が2、指輪が4、他アクセと思わしき物は無かった
「指輪が狙ったように4つあるし、これは皆でわけようぜ」
海「んじゃ、防具さっき欲しいの俺らが先言っちゃったから、希望あればリアさんからどうぞ?」
、、、一応そこらへんは平等にしようとしてくれる所はこいつらの良い所のひとつか
リア「え?別にいい、なんでも」
ライ「まあそう言うなって、日本人て遠慮がちってよく言われるし、誰かがこれ欲しいって言ったら自分が欲しくてもいらないって言うとかよくあるし、、、まあ何が言いたいかっていうと、好きなの取れってこと」
ちゃんとそこらへんも考えてたんだな、、、
言いたいことは解ったが、説明最後まで頑張れよ、、、
リア「まあそういうなら、、、これ、言っとくけど、もう決めたから」
リアは青い宝石の付いた金の腕輪を手に取った
「んじゃお、自分はこれかな」
黒色に薄く光る、複数の線の入った銀色の腕輪を取った
ライ「うわ、やられたwww狙ってたのにwww」
ライと海がそれぞれ、赤、紫の小さな宝石が付いた、金のネックレスを取った
それぞれ装備してみた
指アクセ 千葉の指輪 MP +5
腕アクセ MCブレスレット 自然魔力回復量 +20%
MC、、、?MCってなんだ?
まあ取り敢えず、、、なんか強そう、、、何より、デザインが凄い好みだった
これはあたりだと思い、顔を少しにやけさせた
ライ「どうだ?」
リア「いいんじゃない?あんたの方もあってる」
海「そうか?ならよかった」
「これ、、、若干ぶかぶかかなぁ」
装備の仕方は、メニューウィンドウからアイテムを選んで装備を選択する、か直接着るか、なので、メニューから装備したのだが、、、手をもうちょっと小さく設定していたら、腕を振ったら飛んでいったかもしれなかった
チュートリアルで聞いたことなのだが、装備のサイズは自動で直されたりはしないらしい、、、つまり、もし仮に最強の鎧を手に入れても、背がデカすぎたり、低過ぎたら装備できない可能性があるということだ(街で職人に依頼すればある程度サイズを直してくれる(性能がそのままとは限らない))とか
リア「まあそれはそれでいいと思うよ」
リアの腕輪はぴったりだったようだ
「リアも、似合ってる」
リアはぷいっと顔を背け、出口の方へと向かって行った
、、、照れ隠し?
、、、女だと思ってるのか微妙だが、思ってたとして、同性相手に照れるか?
、、、結構男口調になってしまっていたかもしれない、、、注意しなくては
リアについていくように全員外に出た
宝箱の中に入っていた金を四等分し、ダンジョンから出て、街に向かう
「なんかいいなこういうの」
海「どうした?急に」
なんといえば言えばいいんだろうか、、、いままでとは段違いの達成感、死地から生還した感動?、、、上手く説明出来ないが、、、なんだか嬉しかった
「こう、皆で戦って、お互いに助け合って、宝を一緒に見つけて喜んで、お揃いの装備をつける、みたいな」
指輪が見えるように、顔の前に腕を持ってくる
ライ「あちゃーいたたたたたたたたた、、、まぁ解るけど」
ライも同じように指輪を見せる
海「まぁ、夢に見るような光景だよなぁ」
海も歩くのを止め、同じように構えた
リア「、、、え?なに?私もやるの?」
「察せ」
リア「解ったわよ、、、やればいいんでしょ、やれば」
リアも同じく、腕を顔の前に持ってきた
「よっし、んじゃ、、、これからまた、改めてよろしく」
2人「よろしく!」
リア「ょ、よろしく」
四人で指輪を軽くぶつけ合った
サウザンドリーフシティ
明るい街灯により、街は夜中にも関わらず明るかった
リア「あ、、、2人とも、血」
リアの一言で思い出す、そういえば返り血そのままにしてた、、、
「あー、、、下手すると兵を呼ばれるかもしれないね、えっと、、、宿に早々に逃げ込もう、城は開いてないだろうし」
海「俺は家族全員来てるから、家戻るわ、また明日な〜」
海はダッシュで走り去って行った
リア「なにあれ、なんであんなに急いでんの?」
ライ「あ〜、あいつの家、門限あったなぁそういえば、、、俺は値段手頃な宿屋に住んでるけど、フィアはどうする?」
考えてなかったな、、、普通一番最初に宿を探すべきだったか
「、、、どうしよ、、、因みにリアはどうしてんだ?」
リア「あたし?自分の家あるし」
「自分の家?、、、家買うってどんだけ金かかると、、、親がいるってことか?」
リア「親は居ないよ?普通に森の方に家があるの」
、、、??
「ま、まあ取り敢えず、ライの宿屋に行ってみるわ、また明日」
リアと別れ、ライに案内されて宿屋に向かった