再開への道標
アヴェール「まぁ、長々と話しても仕方ない、、、特に興味は無さそうだしな。では、簡潔に」
アヴェールは語り出した
老いて力の衰えたアヴェールは人間に追われ、すんでの所でシアの両親に助けられたこと
以降眠りにつき、力をある程度回復、寿命の1年前に起きるようにしていたこと
アヴェール「まぁ、そういうことだ。、、、さて、シア=ラルカよ、、、お前の願いは何だ?」
アヴェールの話を聞き、そんな都合のいいことがあるわけない、と否定する者は一人もいなかった
それはアヴェールのカリスマか、信じるしかないからか
若干戸惑いの色を見せながらも、シアはチラリと、フィアの結晶へ目線を逸らした
アヴェール「、、、彼の復活、か?」
ビクッと肩を震わせ、疑惑と期待のこもった目をアヴェールに向けた
シア「、、、出来るの、ですか?」
アヴェール「、、、出来なくはない」
アヴェールがそう言うと、顔を伏せていたティアも顔を上げた
ティア「本当!?」
アヴェール「ただ、、、相当な苦労が待っているだろう。もしかしたら、、、二度と帰ってこないかもしれない」
海「帰って来ない、、、?何が」
海の言葉に目を伏せ、言葉を返すこと無く続けて告げた
アヴェール「彼女に、私の血を与える。、、、混血の吸血鬼として、蘇らせるのだ」
吸血鬼が追われた理由もそれだ、とアヴェールは付け加えた
ライ「、、、それだけでいいのなら、苦労することもないだろ」
アヴェール「、、、肉体は蘇らせられるが、、、心はそうはいかない」
??を少女達が浮かべる中、海は何処か引っ掛かりを覚えた
メア『フィアの心もどっか行っちゃったし、、、』
海「ああ!、、、そういうことだったか、、、」
アヴェール「何を思い出したかは知らんが、そういうことだ、、、百聞は一見に如かず、この氷、、、誰か破壊出来ないのか?」
アヴェールが全員を見回すが、、、海、リアは首を振り、クロも俯いていた
アヴェールはそれを見てやれやれ、と頭を抱えたが、、、
ライ「、、、俺が、なんとかしよう」
ライが腰のショルダーから、近未来的で、この世界には合わない、風変わりな銃を取り出した
広い空間が必要だ、ということで、アヴェールが強大な魔力を一点に集めた
それに触れると、、、ただ、ただ真っ黒な空間へと瞬時に移動した
ひたすら、ただ何処までも続く闇
当ても無く進めば、帰ってくることは叶わないだろう
中は無重力な様で、中に入って来た全員がふわふわと浮いていた
アヴェール「これだけあれば十分か?」
ライ「ああ。、、、というか、こんな空間を作れる程魔力があるのなら、お前壊せるんじゃ、、、」
ライの問いにアヴェールは首を振り、完全にリラックスしているようで、まるで眠るかのごとくななめに体を傾けた
アヴェール「作ったわけじゃない、もともとあった場所への入り口を作っただけだ。見たところ、、、お前にそこまでの力があるとは思えんが、、、期待していよう」
おうよ、とライが自信ありげに返事したのを聞くと、アヴェールは僅かだが笑みを返した
シア「、、、ライさん、お願いします」
シアに言われ、ライはもう一つの銃も取り出した
そちらの方も、先程の物と同じ物に見える
海「で、それはなんなんだ?」
スイッチを弄り、何かを調整しだしたライに、海はフィアを運びながらもそう尋ねた
ライ「まあ、、、見てろって」
二つの銃を調整し終え、運び込まれたフィアとの距離、角度を調整すると、全員から少し離れ、フィアへその銃を構えた
ライ「行くぜ、、、これが俺の新兵器!レールガンだ!」
二つの銃から、輝く小さなレーザーが、フィアへ向けて放たれた
ゴウッ!という一瞬の轟音に思わずライを除く全員は耳を塞ぎ、アヴェールも驚き完全に目を見開いていたていた
反動で大きく後ろに下がりながら、ライはレーザーを中止した
海「す、すげぇ、、、けどお前!貫通して体貫いてたらどうするつもりだったんだよ!」
ライ「あぁ?ちゃんと角度調整してただろ、、、見てみ」
ライに言われ、フィアへと全員が近づく
フィアの丁度腰辺りに、二つの中くらいの穴が空いていた
それは丁度ギリギリフィアに当たらない位置であり、その二つの穴から徐々にヒビが広がり、、、結晶は完全に割れた
ただ、子供と関わるのが面倒だったから一人になったわけではない
ちゃんと、一人になったことで得た物はあったのだ。、、、別れていなかったら、、、救えたのではないか?それを考えるとまた憂鬱になる
ライは自分を慰めようと言い訳をしたが、、、結局上手く行かなかったようだ
アヴェール「では、、、」
あの空間から脱出すると、アヴェールは何処からともなく注射器を取り出した
そして自身の血を取り、椅子に腰掛けさせたフィアの首元へ、一瞬の迷いも無く突き刺した
血が少しずつフィアに入って行き、、、湯気のような物を出しながら、フィアの傷がみるみる塞がって行った
そして、、、腰辺りから大きな、コウモリの様な翼が生えだし、、、彼が吸血鬼と化したことを、その場にいる全員が理解した
俯いていたフィアが、ゆっくりと顔を上げる
そして、、、ゆっくりと、瞼が開かれた
、、、だが、彼の大きな青い瞳は、何も映していない
シア「、、、フィアさん?」
シアがそうそっと呼び掛けると、フィアはゆっくりと、シアの方へと顔を向けた
ティア「フィアお姉ちゃああああん!!」
シアの言葉に反応があったことで、生き返ったことを確信したのだろう、ティアがフィアに凄まじい勢いで飛びついた
その行動を受け、フィアはティアへと顔を向けた
ティア「ほ、本当に、生き返ったんだよね!?フィアお姉ちゃんなんだよね!?」
アヴェール「、、、それを、生き返った、というのなら、そうだな」
ティアが確認するように顔を触ったり、呼び掛けたりしているなか、ティア意外の全員が、難しい顔で眉を潜めていた
リア「、、、成る程ね」
海「ああ、、、心はそうはいかない、ってのは、そういうことか」
理解したのだろう、そんなに簡単には行かないか、、、と二人は溜息をついた
ライ「んで、、、心はどうしたらいいんだ?」
二人と同じく溜息をつきながら、ライがそう尋ねた
アヴェール「ふむ、、、面倒だ、全て纏めて説明するぞ」
アヴェールは一度ゴホン、と咳払いをし、語り始めた
アヴェール「まず、、、今の彼女に出来ることは、命令されたことを行うぐらいだ。勿論、誰でも出来るような簡単なことに限られるが。心がないってことは、自分の意思を持てなくなった、ってことだからな。時間が経てば、多少心が宿るかもしれんが、、、奇跡でも起きなければ、完全に元に戻る、なんてことはないだろう」
苦労が待っている、、、とは、これのことか
凍らせておいたままだったら、世話も何も無かっただろうし、、、もしかしたら、凍らせたままだった方が良かったんじゃ、、、?
アヴェール「次に、心についてだが、、、まず、心を宿させる方法は二つある。育てるか、取り戻すか、だ」
シア「育てる、、、?」
アヴェール「ああ。、、、というか、基本育てる方でしかなんとかならないと思うが、、、具体的に言うなら、語りかけたり様々な経験をさせ、新たに心を生み出すのだ」
ライ「なんだ、意外と簡単そうじゃねぇか」
ほっとライは胸を撫で下ろしたが、、、アヴェールは首を振った
アヴェール「、、、記憶自体はまだ残っている。思いは残っていても、それを表現する心が無くなっている、という、異質な状態だ。経験をさせる、語りかける、の新鮮さ、ショック効果は薄いだろう、、、これが、未だ経験少ない赤子であったらまだ簡単なのだろうが」
、、、赤子でも多少は持っている、心 が全くないのだ
そこから再生するのは難しいだろう
また大変なことになった物だ、、、とライは溜息を漏らしたが、、、それでも、再び彼と会える、その期待が、少女達の想いを再び動かしだした
7月19 見返した所、「は」が抜けていた所、改行が余りにもおかしいところがあったので修正しました。
しかし、描写も、改行も、…や。も直っていません。ご了承ください。最新の方では直っておりますので。




