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氷の結晶


海「、、、ううっ」

どれぐらいの時間が経っただろうか、海は女性三人に囲まれながら一番に起き上がった

酷く疲れ、ダルさを感じる、、、

HP、MPを確認すると半分ほど減っていて、はて、何故こんなに減っているんだ、、、?と疑問を感じた所で、自分の身に起きたことを思い出す

床が抜け落ちて、、、それから?

どうなったのか、、、覚えていない

クロとティアは対して問題は見られなかったが、、、リアは背中から多量の血を流していた

HPが極度に減って、意識不明状態にあるのかもしれない、、、顔色が真っ青であった

ポーションを飲ませようにも、使用制限がある

一度全員でダンジョンから出るべきだろう、、、ん?

、、、フィアは?

よく見ると、ティアがスターシーカーを抱きかかえていた

海「起きてくれ、二人共、、、フィアはどうしたんだ?」

海が軽く揺さぶると、二人ともゆっくりと目を覚ました

クロ「、、、ここは?」

ティア「う、うぅん、、、?」

目をこすり、ティアはぼんやり虚空を見つめていたが、、、何かを思い出したのか、バッと飛び起きた

ティア「フィアお姉ちゃんが一人で戦ってるの!」

そう叫びスターシーカーを大事そうに抱え、大きな扉を見上げた

海「、、、まじかよ」

クロはその言葉を聞くとすぐさま立ち上がり、扉を強く押した

しかし扉はびくともせず、闇の魔力を込めて力を強化しようとも結果は変わらなかった

クロ「主、、、主!」

海「落ち着け!、、、ティアはリアとここで待機しといてくれ、薬草系の道具あるだろ?簡単にでいい、治療しててくれ、魔物が来る可能性もあるから警戒を怠らずに。クロと俺でスターシーカーで中に入る」

自分も、、、そう口に出したかったが、海の言うことも事実であり、自分の分までスターシーカーでMPを使ってもらう訳にはいかない、とティアは海にスターシーカーを渡した


二人が瞬間移動でボスの部屋に入ると、、、その部屋は完全に氷の空間と化していた

樹で出来た扉を氷が侵食して、それによって扉が開かなかったのかもしれないな、、、

蔦が絡まっていたことなど、二人は知らない

その部屋の中央に、巨大なクリスタルが、氷で支えられて立っていた

クリスタル、、、のように見えたが、触れてみるとそれは冷たく、氷の結晶であることが解る

そしてその中に、、、イヤホンを耳に当て、心地よさそうに瞳を閉じているフィアの姿があった

クロ「主、、、?」

嫌な予感からか、すぐさまクロはナイフを取り出し、闇の魔力を込めて力一杯の一撃を放つ

しかしその一撃は何の意味も持たず、ナイフの刃は折れ、何処かへと飛んで行ってしまった

、、、どうなってるんだ

ボスが氷を使うやつで、そいつに凍らされたか?だが、ボスらしき姿もない

取り敢えず炎を最大火力で放ってみるが、、、周りの氷は溶けるも、フィアを包むクリスタルのような氷が溶けることは無かった

何とかクリスタルの部分とただの氷の接続部分を溶かしたが、、、どうなっているのか、接続が溶けても氷はひとりでに浮いていた

クロ「主は、、、どうなってるの」

彼女の、ここまで感情が現れた目を見たことがあっただろうか

初めてが、よりによってそんな気持ちの目だとは、、、

海「、、、解らない、俺にも」

生きている、と、そう返答することは出来ない

海の言葉にクロは俯き、そう、、、と呟くように返し、不安そうに、、、だが、愛おしそうに、彼の氷にそっと触れた

用は済んだ、と海も氷に触れ、瞬間移動をしようとすると

メア「ちょっと待ちなさい」

メアの声がした

そして、何処からともなく、どうやってか浮かんでいる宝箱と、それに乗ったメアが現れた

メアは宝箱を海へ向けてふわりと飛ばすと、何処かへ飛んで行こうと高く飛び上がった

海「待ってくれ!フィアはどうなったんだ!?見てたんだろ!!?」

そう海が叫ぶと、軽蔑のような視線を二人に向け

メア「勝ちはしたわよ、一人でも。

、、、その結果そうなっちゃったけど。、、、貴方達、何の役にも立たなかったわね」

呆れたように溜息をつきながらメアはそう言い放った

彼女から放たれたその言葉に、海は俯きこぶしを強く握りしめることしか出来ない

メア「それどころか力を敵に与えて、、、フィアの心もどっかに飛んで行っちゃったし、、、はぁ」

俯き黙る海と、何も映さない濁った目で、ただ上を見上げるクロ

クロの心を覗き込み、メアは戦慄し、それと同時に呆れもした


メア「、、、はぁ、その宝箱は、フィアが魔物を倒したら出てきた物よ。良かったわね、きっと高価な物だわ。、、、失った物の割りに合うかは知らないけど」

それだけ言うとメアは煙と化し、何処かへと消えてしまった


クロ「、、、帰る」

海「、、、ああ、そうだな」

これといった会話も無く、二人も部屋から、フィアと宝箱と共に脱出した


部屋から脱出したクロと海にすぐさまティアが走り寄った

勿論、それと同時に、フィアの結晶を目撃する

ティア「え、、、?フィア、、、お姉、ちゃん、、、?」

そして、ティアは彼女のHPを、視界に入れてしまう

喉に何かが詰まったような感覚がした

喉を抑え、言葉を紡ごうにも、上手く喉が働かない

声にならない悲鳴を上げ、涙が自然に漏れる


そうなんだろう、と予想は出来ていた、、、それでも、外れることを願っていた

、、、ティアの反応で確信した

フィアは、、、死んだ

思わず自分まで、涙が溢れそうになる

駄目だ、まだ、まだ、、、俺が泣いて、どうする、、、泣いても、どうにもならないだろう

、、、確かに、泣いたところで帰ってこないだろう。だけど、それでも、、、泣きたい時は泣くべきだ

グダグダと沈んでいくより、1度泣いて、スッキリしてしまえ

もう居ない親友の声を聞いた気がして、、、彼は誰にも見られないように一筋だけ涙を流し、、、ゆっくりと顔を上げた


海を横目で見つつ、クロはティアへと視線を移した

クロ「主は、、、どうなったの?、、、なんで、一人で残ったの?」

クロがそう尋ねると、更にティアは泣き出してしまい、話そうとするが、言葉を上手く発せられていなかった

海「、、、フィアを運ばなきゃならないし、MPが全回復したら、此処から出よう、、、落ち着いたら、話してくれ」

なんとか返事をしようと喉を触るが、声が出ることは無く、ティアはこくりと頷いた


リア「ん、、、いっつ」

十分程経ち、ティアが泣き止んだその時、リアが目を覚ました

海「起きたか、、、体は大丈夫か?」

リア「、、、痛いけど、動けないわけじゃない」

それより、、、と、リアはフィアの結晶に目を向けた

リア「どうなってるの?サッパリなんだけど、、、生き、てるの?」

その問いに、、、海は首を横に振った

リア「、、、そ、っか」

小さくそう返し、顔を伏せる

、、、痛い

この痛みは背中に刺さった木の葉による物ではないような気がする

もっと別の、、、何か


彼女は小さく溜息を吐き、負傷した右腕を抑えた

こうすれば痛みが少しでも和らぐような気がしたのだが、、、痛みは暫く収まることはなさそうだった


ティア「、、、話す、ね、、、何が、あったのか」

リアが目覚めたことに、一瞬心が安らいだが、、、リアの反応に、またすぐ心が痛くなった

それでも、話さなくては

彼がしてくれたことを、、、私が、出来なかったことを

少女は俯いたまま、ゆっくりと語り始めた


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