聖樹の根本
ダンジョン:聖樹の根本
階段のようなものがあるわけでは無く、入り口を潜ると坂になっていたいて、そのまま滑るように下って行った
坂が終わり、中の様子を確認する
まず目に入ったのは壁や床の材質が木の様な物で出来ていたことだった
どうやら、巨大な樹の中のダンジョンになっているのようだ
最初の魔物はどんなものかと、多少期待しながら進んで行くと、地面の木材から急に小さな樹が生え出した
そして、三秒足らずで樹は形を変形させ、樹に大きな枝の手が生えたような魔物となった
足が生えた訳ではないので、移動は出来そうに無いのだが、、、
そんな状況でどんな攻撃をするのか警戒していると、魔物は頭を此方に向け、頭の葉を飛ばしてきた
リア「下がって!後一列に!」
それを見たリアが全員の前にすぐさま飛び出し、盾を構えた
リア「ビッグシールド!」
リアがそう叫ぶと、リアが持つ盾が大きくなり、吹きすさぶ木の葉から皆を守った
盾に触れた木の葉は盛大に金属音を立て、地面にボロボロと落ちて行く
「助かった、リア」
音的にも、あの木の葉が明らかに硬く出来ていることは明白だろう
大きくなった盾と壁の間を縫うようにクロのダガーとティアの矢が飛び、魔物の声だろう悲痛な叫びが木霊した
リア「あたしだって強くなったんだから、これぐらい余裕よ」
一撃防いだだけなのだが、、、ふっふーんと鼻を鳴らし、リアは完全に機嫌を良くしていた
その後出た魔物も同じような物が多く、姿を完全に形成仕切る前に切りつければ魔物と化すことは無かった為、思いの外苦戦することは無かった
しかし、間に合わなかった敵は、切りつけても再生スピードが素速く、かなり手間取っていた
といっても、永遠に再生するわけではなく、樹のモンスターということで海の炎魔法が大活躍した為、此方についても苦戦することは無かった
「、、、二手になってるね」
順調に進んでいたのだが、中央にそのまま進む道と左に曲がる道、二つの道が其処にあった
海「どうする?二手に別れるか?」
確かに、二手に別れた方が宝の取り逃しを避けれるし、効率も良いだろう、、、だが
「安全第一で行きたいし、一旦奥まで行ったら左に行こう」
と、曲がらずにそのまま直進したその時、パーティを二つに割くように、突然茨の壁が突き出てきた
結果、後ろを歩いていたクロと海、前を歩いていたフィア、ティア、リア、というようにそれぞれ分断されてしまった
リア「きゃっ!び、びっくりした、、、」
ティアとリアが同じような反応を見せる中、海は魔法を詠唱し、茨へ向けて放ったが、、、茨は炎を受けても燃え広がることは無く、炎は数秒経つと完全に消えてしまった
海「二手にわざわざしたってことは、、、二手に行かなきゃいけない仕掛けでもあるのか?」
スターシーカーで瞬間移動すれば解決なのだろうが、MPを無駄に使いたくない、、、それに、海が言うように何かしら意味があるのだろう
「パーティ構成的にも問題ないし、、、仕方ない、二手に別れて行こう」
こうして、結局二手に分かれて行動する羽目になってしまった
奥へ奥へと進む度、敵の数は増えていった
加えて、敵の生成速度も加速されていった為、出現前に倒すことはほぼ不可能となっていた
ティア「えいっ!」
ティアがリアの後ろから矢を放つ
その矢は魔物の目に完璧に刺さったのだが、、、先程までの魔物とは違い、矢を目に受けても消えることは無かった
小さく悲鳴を上げると、憎らしそうに顔を歪ませ、ティアへ向けて枝を伸ばした
別の魔物にトドメを指していたフィアは、明らかに間に合わないことに心の中で舌打ちをしつつ、リアが防いでくれることを祈りながら、彼の魔物へ駆け出した
祈りに応えるかの如く、リアがその枝からティアを守るように盾を構えたが、枝は大きく横に逸れ、盾を避けてティアの腕を掴んだ
ティア「え?」
そのままティアが引っ張られそうになったその時、フィアは瞬時に瞬間移動をし、魔物の腕を切断した
続け様に最低限のSPで斬鉄閃を放ち、復活させる間も無く連続で斬りつけ続けた
「、、、ふぅ、、、ティア、大丈夫?」
辺りの魔物を一掃し、フィアはすぐさまティアへと駆け寄った
ティア「う、うん!ちょっと掴まれただけだから、、、」
ティアはそう言い、腕を後ろに隠すと、心配させない為か、下手くそな笑みを向けた
リア「、、、はぁ、手、出して」
呆れたように溜息をつきながら、リアもティアへと近付き、メニューウィンドウをいじりだした
薬草で作られた、細長い黄緑色の包帯を取り出し、ティアの腕に巻きつける
薬草系統の回復アイテムは、ポーションとは別の使用制限が掛かっている
つまり、薬草系統の医療道具とポーションは、別々に回復が出来るということである
ティア「あ、ありがとう」
ささっと手際良く巻かれた包帯とリアを、交互に何度も見つめる
リア「、、、なに?」
不審に思ったのか、歩き出そうとしたリアがティアへ振り向く
ティア「ううん!なんでもない!」
そう笑顔で返事をすると、歩き出した二人に追いつくように走り出した
、、、不良が子犬を助けたのを見たかのような目だった気がするのだが、、、ティアはリアをどんな人だと思っていたんだ
変な発想に至りクスクスと笑うフィアの考えを遮るように、魔物がまたも姿を現した
海「、、、そういえば聞きたかったんだけど」
分断されてしまった海とクロは構えを解き、武器をそれぞれ携えながら道を進んでいた
何故か魔物が暫く出なかった為である
クロ「、、、何?」
思えば、海とクロが二人で話すことは無かったように思える
その為か、多少距離を置きながら海がクロに疑問をぶつけた
海「、、、フィアのこと、どう思ってるんだ?」
なんて尋ねたものか、、、少し考えた上で、そう尋ねた
クロ「、、、好き?」
首を傾げながらそう答えるクロに、海もまた首を傾げ、記憶を探る
海「、、、ん?流れ星の時とか普通に断言してたよな?」
確か、そうだった筈だよな、、、うん、そうだった筈
自分の記憶を再確認し、安心と同時に疑問が沸き起こる
海「断言、、、出来なくなった?」
あいつなんかやらかしたのか?と考えうる可能性を考慮しながら、またも尋ねる
クロ「、、、好き、だけど、、、どうして好きなのか、、、思い出せない」
、、、思い出せない?
クロ「、、、優しいから?撫でてくれるから?ナイフで刺しても許してくれたから?、、、クロと一緒に、いてくれるから、、、?」
次第にクロは完全に歩を止め、その場でフィアが考える時にやるような構えを取った
クロ「、、、好きって、なに、、、?」
そこまで巻き戻るのか、、、と呆気に取られ溜息を付く海を他所に、クロは目を瞑り、完全に考える姿勢を整わせていた
好き、が解らなくなったって、、、そういう認知症的な何かか、、、?ずっと一人で居たらしいし、それと何か関係が、、、?
様々な原因を考え、なんて答えたものかと海は迷っていたが、、、取り敢えず、クロがフィアを嫌いになったわけではないようでホッとした
海「あ〜、、、取り敢えず、ダンジョン出てからにしようぜ。合流もしなきゃいけないし」
海の言葉に顔を上げ、クロは取り出しかけていた本をしまった
、、、相変わらず何処か光を映さない目で、考える構えを解かずにクロは歩き出し、それに続くように海も歩き出したが、、、魔物が来ない油断からか、それとも、それぞれ考えに夢中になっていたからか、奥に進むごとに、足元の木が少しずつボロボロになっていたことに、二人は気づかなかった
そして突如、足元の木からバキッと嫌な音が鳴った
も、もう一話、、、なんとか頑張りたいと思っています
でもどうなんでしょう?流石に締め切り以降の話も影響あると思うのですが、、、
無かった場合の為に、なんとか一区切りつけたいと思っています
8月6日
冒頭の誤りを直しました(具体的には、前回の最後部分が何故か今回の冒頭にも入ってしまっていたことです)




