最初の戦い
夢にまで見た、草原がひたすら続いている、という景色に感動を覚えたのか、無意識のうちに走り出していた
街へと駆けていく最中、RPGお約束のスライム系モンスターがちらついているのだが、、、戦うべきだろうか
メニューのアイテムウィンドウの中にはアイテムが何もなかった
ポーション的なものもなしに戦っていいものなのか、、、死んだら復活出来ないし
(これからも人が増え続ける以上、死んだら復活はなし、人の命を粗末に扱ってはいけない、命は限りがあるから美しい、などの理由から、、、らしい)
まぁ最初のモンスターぐらいいけるだろ
腰に巻きついているベルトに付けられた二つの鞘から剣を抜く
割と重い、、、けどやっぱり剣は男の夢だよなぁ
またも感動を覚えつつ、スライムを二振りの剣で一閃する
2円を手に入れた、とメッセージが視界右下に出た
経験値をいくつ貰ったかのアナウンスは出ない
(経験値というのは普通目に見えない、経験値によって、どの敵を狩るべきかが分かり、特定のモンスターが全く居なくなってしまうのを防ぐため、等の理由だと、、、勝手に推測する)
また、経験値の概念はあるが、あと幾つの経験値でレベルが上がるのか、等は解らない
一匹倒して2円か、、、一回剣を振って2円と思えば多いのか?
とりあえず街に向かいつつ、道なりに敵を倒していった
サウザンドリーフシティ
どデカイ白基調の、横長の建物が並べられ、圧倒感を感じさせる街並み
商売が盛んなことをこれでもかとアピールする、最早うるさいと感じさせる商人の声、
壁のような建物の先に見えるこれまたどデカイ城が印象的な街、サウザンドリーフ
街に入り、まずは何をしようか、と考えていると、NPCと思われる人に声を掛けられた
街人A「やあ、ここはサウザンドリーフシティ、みたところ君は冒険者かな?王様が今、冒険者に依頼を与えているらしいよ、行ってみたらどうかな?」
一気に捲し立てられたな、、、初心者用の案内か?一応チュートリアルで存在は聞いてたんだが
「解った。さっそく行ってみるよ、ありです。」
一応礼を言い、RPGでは毎回いる様な人に別れを告げ、その場を離れる
城に行けば何かしらのイベントがある、ということだろうが、その前にメニューを開き、フレンドリストを開く
リアル時代の友人、、、いや、親友二人が存在していることを確認、ゲームの開始地点はその人が住んでいた地域に依存するとのことなので、恐らくこの街にいる、、、筈
二人にメールを送り、取り敢えずアイテムショップに向かうことにする
所持金約30万、、、リアルでの金額が反映されているとは言うまでもあるまい、このゲーム、結構リアル基準である
お年玉とかちゃんとためといてよかった、、、
先程確認したが、ゲームの様な、アイテムストレージ等はある、流石に無かったら、ポーション等を10個持ったら何も拾えない、とかになってしまうだろうし、、、リアルなのかそうじゃないのか、、、まあ細かくは言うまい
ポーションを取り敢えず5個買う、、、ゲームでは高いと感じさせるような値段だが、仕方ないだろう
ポーションを買い、次はどうしようかという所でメールが届いた
メール「俺らはもう合流してるから、酒場に来い」
冒険者の酒場
確かここで、パーティを募集したりするんだったか
酒場内をキョロキョロと見回すと、リアルの顔そのままのエルフの友人と、背の高い黒髪のイケメンヒューマンが相席していた
友人のテーブルの、余っていた席に、何気無く無言で座る
海「ん?、、、もしかして」
ライ「確実に、、、なぁ?」
俺の姿に戸惑う二人、、、まぁ当たり前であろう
今までの、リアルではないゲーム内ならまだしも、これから生きていく世界で異性になるやつは少ないだろう
「うぃっす、まぁこういう姿な訳ですよ、はい。」
ライ「うわ、まじかこいつやりやがった。」
海「逆に尊敬するわ。」
「うっせ、取り敢えず、リアル性別は禁則事項だ、おけ?」
小声で顔を近づけて話す
ライ「別にいいけど、何?ネカマプレイでもすんのか?」
「いや、性別を聞かれたらはぐらかす。口調も中性的にするつもりだ。男っていったら初見じゃどんびくだろ?かといって女で通してバレたらやべぇから、はぐらかす、いいくるめには自信あるからな。」
バレたらどうなるか、、、想像もしたくない
海「まぁお前がそういうならそれでいいと思うが。」
「つか、ライはまぁ、一般的な人がやるようなイケメンだが、、、海、度胸あるなぁ。」
リアルの姿でやる奴がどれだけ少ないやら、、、一割ぐらいじゃなかろうか?いや、、、そんないないか
海「だろ?因みにリアルのままの姿だと、称号で、True form っつうのが貰えた。」
ライ「日本語で本当の形?って、そのままじゃん。」
正直尊敬する、、、が、もしかしてこいつ、、、自分の見た目に自信でもあるのか?、、、まぁ普通よりはいいと思うが
「んで、何したらいいんだ?城に行けって言われたけど。」
海「あー、俺らはもうクエスト受けてきたけど、なんかダンジョンに行ってきて、奥の宝とって来いってやつだったわ。」
因みに二人は俺より三日前から初めている、流石に1日で30%を一気に送る訳には行かないし、仕方ないだろう
ライ「でも、そこそこ難易度高いらしくて、行ってきた奴らに聞いたら、レベル3まで上げた四人でギリギリだったらしい、、、因みにボスはスルー出来るとか、あと、クエストには受注制限があるって聞いただろ?」
頷く、確か、クリア者が一定以上出る、受ける人が一定以上出る、とクエストが受けられなくなるってやつか
、、、このゲーム、結構差別的なんだな
ライ「だから、もうそろそろ受けられなくなるかも知れないってよ。」
流石に、、、最初のクエストを受けられない、なんて事態にはならないと思うが、、、
「つか、一つ聞きたいんだが、3まで上げるの、そんなに辛いのか?お前らレベルいくつ?」
海「そりゃ、一生過ごすゲームなんだから、レベル上げるのだって苦労するわ。因みに俺はまだ1、ライは2
。」
まあそれもそうか、でないと簡単にレベル999ぐらいまで行けてしまいそうだ
「、、、成る程、取り敢えずクエスト受けてくるわ。三人じゃきついだろうし、誰か誘っといてくれ。」
酒場から出た
ライ「あいつ、、、完璧なキャラ作ってたな。」
いくら好きなキャラ、ようするにイケメンやら美少女やらを作るとはいえ、その人の想像力によって、出来はかなり変わる
海「だな、、、あそこまでのを作るとか、、、想像力ぱねぇなあいつ。」
というか、女キャラになったら女性と結婚、付き合うのが難しくないか?変態だと思われるだろうし、、、どういう意図で女キャラになったんだろうか
城まで行き、クエストを受けて、装備を買い、酒場に再度向かう
?「そこの君、ちょっといい?」
ん?と振り返ると三人のイケメンが立っていた、、、リアルでの姿も果たしてそうかは解らないが
?「ねぇ、君もあの城クエのダンジョンに行くんでしょ?一緒にどうかな。」
、、、ナンパ?それとも只の勧誘?
中身がどうなのか、考えてないのか?いや、中身をどうでもいいと考えてるのか?
、、、中性的言語能力を試す時が来たか
「申し訳ないです、もう予約があるから。」
わり、、、お前らと行く気はないわ、、、いつもならこんぐらいの口調で言ってたなぁ、なんてことを脳の片隅で考える
?2「んなこと言わないでさ〜、俺ら三人ともレベル3だよ?いいじゃ〜ん。」
、、、もしかしなくてもナンパだろ
男だって話して逃げるか?いや、若干目立ってる中で男宣言なんて出来ないだろ、、、
?3「こいつ、もしかして男なんじゃねえか?」
「、、、」
?1「男だって断言しねぇし、男っぽくしてるだけじゃねえか?」
「、、、まぁ取り敢えず、失礼します。」
早歩きで逃げるが、手を掴まれたので、反射的に腕を振り、ささっと逃げる
?2「あ、待てごら!」
後ろを僅かに振り返ると、3人が追いかけて来ていたが、、、敏捷16の力は強く、酒場に入ってった
酒場
酒場に入ると、ちょうど酒場を出ようとしていたのか、海とぶつかりそうになる
海「おう、ってどうした?」
流石に、街中を全力疾走して息が上がった
「ん?ああ、問題ない、絡まれただけだから。」
息を整えつつそう言うと、あ〜、と察したのか、それ以上聞いてこなかった
ライ「あー、まぁその姿じゃなぁ、っと、紹介するぜ、リアさんだ。」
ライの後ろに立っていた、何処か人見知りそうな黒髪ショートの女性ヒューマンが自己紹介をする
リア「えっと、はじめまして、よろしく、、、一応、レベル2。」
「よろしく、お」
俺、と言いかけた所でハッと気づく
やべ、一人称どうしよ、、、俺、僕、私、フィア、はまずいな、、なにか、なにかないか
「じ、自分はフィア、さっき始めたばっかなんだけど、まぁよろしく。」
自分って、、、微妙なラインだな、、、つか、女って私、以外一人称ないような、、、
海のパーティに入りますか?
YES ← NO
というようなメッセージがゲームなら現れるところであろう、、、まぁPTは概念的な物だから、こんなメッセージないんだけど、、、
理由?、、、例えば戦ってる途中で助けが来てもパーティーじゃなかったから云々かんぬんみたいなのを防ぐ為だろうか
この後に聞いた話だが、レベルが上がっても、ステータスはたいして上がらないらしい(ライの場合、筋力+1 体力+1だったらしい)
フィールド
適当に雑談しつつ、モンスターをスルーして、洞窟へと向かっていく
「そういや、皆の武器はなに?」
連携とか役割分担的にも聞いとくべきだろう
海「俺は杖、魔法主体で行こうと思ってるからな。」
海が背中にどうやってか携えていた木の杖を手元に持ち、クルクルと器用に回した
「やったわそれww掃除用の箒とかで。」
ライ「俺は銃剣、銃も剣も使いたかったしな、、、でも、武器屋とかに売ってねぇんだよなぁ。」
ライが大剣にハンドガンが付いているような、変わった銃剣を見せてくれた
あ〜、いいな、銃剣、、、でも俺は銃あんま得意じゃ無いんだよなぁ、、、(エアガン、射的)
「どっかしら、特別な店じゃないと売ってないのかも、、、リアは?」
リア「あたしはこれ。」
リアは小さな皮の盾を見せた
「、、、盾?」
リア「そうだけど、なんか文句ある?」
ムッとした表情でジト目を繰り出してくる
若干不機嫌にさせてしまったか?てか、意外と口悪い、、、
「いや、人それぞれだしいいと思うけど、盾でどうやって戦うんだ?」
リア「基本は魔法を使うつもり、敵が近づいてきたらこう、どーんと。」
あー、成る程、、、そういう戦い方もありだろう
魔法力が上がらないけどいいのか?とか聞こうと思ったが、解っているだろうし、これ以上不機嫌にさせるのもまずいだろう
「お、、自分はこれ、双剣。」
一人称を直ぐ様言い直しながらも
ウィジーソード二つを逆手に構え、クルクルと回す
ライ「まあ普通だな、、、しかし逆手て、平気なのか?」
「問題ない、むしろ結構いいよ、、、っと、装備買ったのに装備してなかった。」
指抜き手袋を装備した
手装備 指抜き手袋 効果 手防御 +1
グローブの方がいいかとも思ったが、剣の振りやすさを選んだ
海「んじゃ、各々の装備も確認した所で、希望装備をそれぞれ決めとこうか。」
「、、、どゆことだ?」
希望装備、、、?イマイチ要領が掴めない
ライ「さっきお前からメールが来た時、別の奴らと狩りをしてたんだよ。んで、レアな装備が偶々ドロップしたんだが、誰が取るか揉めてな。」
成る程、メール来るのが若干遅かったのはそれか
海「そゆこと。だから、それぞれ希望の武器、防具を一つずつ決めておく、その希望以外が来たら、ジャンケンだ。」
ここですかさずライが真っ先に希望を述べた
ライ「んじゃ俺は大剣と、胴装備」
海「んー、俺は杖と、胴はいいや、腰装備で。」
、、、こういうのって、最初に言った人が欲しい装備を、自分も欲しいって言いにくいよなぁ、、、まぁそれを解ってて先制したのかは知らないけど
リア「あたしは盾と、、、あんたは装備何がいい?私は何でもいいから。」
「お、自分は片手剣と、、、手はさっき買ったしなぁ、、、足で。」
危ねえ、また俺って言いかけた、、、直さねえと、、、頭は変なの来たら嫌だからやめた
リア「じゃあ私は手で。」
海「よし、んじゃ行こうか、、、っと、もうひとつ、ボス、、、倒すか?」
「まだ狩られてないか解らんが、いたら倒そう。ボスみたいな限定モンスターは一体しかいないんだろ?まあ狩られてるとは思うけど、、、レアアイテムあるかもだし、倒そう。」
何より、折角ゲーム内に来たんだから、三次元の時には出来なかった、そういう色んなイベントに参加したい、と思う
街から離れ、王に言われた場所に向かうと、小さな山に、どうくつの入り口があった
他のPTはいないようだ
、、、ドキドキしてきた
なんというか、やっと、冒険が始まるんだなぁ、、、と、フィールドに出た時とはまた違った感動を覚えつつ、中へと入って行った
草原に隠された迷宮
ダンジョンに入ると、中は多少暗かった
まぁ見えない程ではないだろう
少し進むと、大きなコウモリ型のモンスターの群れが出て来た
「よっし!行こう!」
行くぜ!と言いそうになったが、瞬時に切り替える
二つの剣を逆手に構え、ライは背中の銃剣を構え、二人で前衛として突っ込む
小さなコウモリはすばしっこく動くが、何とか切ることが出来た
ライ「くっそ、あたんねぇ!」
「んなでかくて重いの、当てれる訳ないだろ!」
ライが剣の向きを変え、コウモリを壁叩きつける
ライ「どやぁ。」
ライが銃剣を肩に担ぎ、ドヤ顔を炸裂させてきた
「剣でビンタするとか、、、頭いいな。」
笑いながら戦っていると
海「二人とも離れろ!」
海の声に、それぞれ跳び、回避する
海「ファイヤ!」
リア「サンダー」
2人の魔法が、一箇所に固まっていたコウモリの群れに飛んで行き、コウモリが全滅した
「イェーイ!」
ライ、海とハイタッチをする
「リア、イェイ」
リアとハイタッチをしようとするが、そっぽを向かれてしまった
「、、、まあ、行こう。」
結構人見知り激しいのか?
まぁ、こういうのにノッてくれない奴も一人二人クラスにいたよなぁ
約三十分後
海「お、レベル上がった、新しいスキルは、、、なしか。」
コウモリの群れを倒しつつ進んでいると、海のレベルが上がった
「そりゃそうだ、1レベ上がってスキル覚えられたら苦労しねぇわ。」
と話しながら歩いていると、広い空洞に着いた
ライ「ボスか?」
海「いや、、、あそこ見ろ」
海が指差す先には、暗くて見えにくかったが、、、グール?ゴブリン?のようなものが見えた
リア「うわ、なにあれ、気持ち悪。」
「中ボスか?、、、先制しよう、二人とも、魔法を頼む。」
2人が魔法を詠唱(魔力を込めるだけで、呪文を唱える訳ではない)して、ゴブリンの群れに向けて放つ、、、魔法の明かりで数を確認、、、五体か
ライ「、、、バレずにやれたか?」
「フラグかな?」
やはりと言うべきか、一撃では死なず迫って来た
「行くよ!」
ライと共にゴブリンに斬りかかるが
ライ「なに!?」
ゴブリンは剣を持っていて、俺達の剣を受け止めた
「ちいっ!」
右手の剣でぶつかり合いつつ、左手の剣でゴブリンの腹に刺した
痛みから体制を崩したゴブリンに向けて蹴りを食らわせて吹き飛ばす
海「フィア!」
海がゴブリンの剣を杖で何とか防いでいた
、、、更にもう一体のゴブリンが海に向かって行く
まずい、、、、、
姿勢を低くし、剣を順手に持ち替え、ダッシュで、海に向かっているゴブリンに背中からx字に斬り裂くと、ゴブリンは血を吹き出して動かなくなった
海と対峙していたゴブリンが驚いている隙に、海が蹴りを食らわせ、よろめいたゴブリンの首を後ろから跳ね飛ばした
、、、血を盛大に吹き出しながら、首が地面に落ちていく
その表情は、、、俺の剣が下手くそだからか、苦しみを与えてしまったようで、、、鋭い痛みに顔を歪ませていた
海「ひっ」
その光景に気分を悪くしたのだろう、海の表情が、みるみるうちに青くなっていくのが見て取れたが
、、、気にしている暇はない
「リア!」
リアの方を見ると、盾を構えつつ座り込んでいた、、、ビビって立ち上がれないのか?
ライ「増援が来てるぞ!」
一瞬希望を持ち、入り口の方を見るが、、、ゴブリンの方の増援だった
「そっちかあ!!」
リアに向かっているゴブリンを、ライが銃剣で撃ち、フラフラしだしたゴブリンの首をまたも飛ばした
「よし」
ライ「美味しいとこ持って来やがったw」
ライはその光景になんとも思わないのか、戦いに喜びを感じているのか、僅かに笑っていた
リア「そ、そっちからも来てるよ!」
リアの手を取り、立ち上がらせるが、腰が抜けたからか、上手く立ち上がれていないので、なんとか支える
進む道の方からもゴブリンが6、、、いや、7体迫って来ていた
入り口の方からは3体、、、合わせて十体に取り囲まれた
ライ「どうする!?完全に囲まれた!」
海「落ち着けって!何か、、、何かあるはずだ!」
ライも海も焦っている、、、2人の策に期待するのは無理か
、、、取り敢えず
「囲まれたままはまずい!進もう!そっちの奥への道を塞いでる二体を倒して、囲まれた状況だけは打開する!」
ライ「おっけ!」
「二人とも魔法!」
リア「もうやってる!」
腰を抜かしつつも、なんとか雷の魔法をリアが放つ
と、ゴブリン二体が麻痺していた
ライ「今だ!」
ライがゴブリン二体に突っ込む
武器をしまい、リアに俗に言うお姫様抱っこをする
リア「は、はぁ!?あ、あんた、なにしてんの!?」
「突破するよ!」
リアを抱えた所で、ゴブリン六体が一斉に飛びかかってくる
海「うおおおおお!ファイヤアアアア!!」
飛びかかって来たゴブリンに対して、海が円を描く様に範囲化したファイヤを放ち、飛びかかって来たゴブリンが燃え、吹き飛んで行った
が、、、突然背中に強烈な痛みが走る
しっかりと手入れをしていない剣だからだろう、切れ味は悪い様で
斬られた、よりも抉られた、、、?
そんな感触に襲われた
「っぐ、ああ!?」
い、一体だけ当たらなかったのか、、、
意識が朦朧としてくるのを感じつつ
「う、おおおおおおお!!」
もう一振り来た所に、カウンター、無我夢中で蹴りを入れ、ゴブリンを吹き飛ばす
体制を立て直し、先を走るライと海の元に走った
十メートル程走り、後ろを振り向くと、小さく、ゴブリンが視界に映った
リア「い、いい加減降ろして!」
「まだ治ってないだろ!それより魔法頼む!」
列になり、ぞろぞろと走ってくるゴブリンに対して、2人の魔法が命中し、ゴブリンの足音は聞こえなくなった
リアをゆっくりと降ろし、一息つく
海「フィア、HPどれだけ持ってかれた?」
視界左上を確認
HP 32 / 75 SP 32 / 55 MP 75 / 75
「半分近くもってかれてる、、、」
ライ「まじで!?一撃貰っただけでか!?」
でかいダメージをくらったことが無いのだろう、皆が驚愕の表情を浮かべる
「変なとこリアルだからなぁ、、、鎧とかにすべきだったか?」
一応売っていたのを確認したが、敏捷が著しく落ちるので止めた
海「皆SP減ってるだろうし、また広いとこに出たら、一回休もう。」
その後、五分程で広い場所が見つかり、座り込んで休むことにした
リア「その、、、ごめん、足、引っ張っちゃって。」
リアがしゅんとして目を逸らしつつ謝ってきた
「ん?ああ、気にしなくていいよ。むしろ、サンダーの魔法、助かったよ。」
責められると思っていたのか、多少ビックリした様な様子で、リアが言葉を続ける
リア「で、でも、、、」
ああ、、、くそ、女性との会話なんかろくにしたことねぇからなんて言えばいいのか解らん、、、
「それにほら、ああいう危機的な状況も、RPGの醍醐味だろ?だから、気にしないでいい。」
リア「あ、RPG?な、なんだか知らないけど、、、あ、ありがと。」
照れた様に顔を赤くしつつ、リアは少し離れた岩に座った
ライ「爆発しろ。」
「お前、、、」
ポーションを飲み、HPを回復させる
海「SP回復してきたか?」
全員が頷く
「リア、平気か?」
リア「うん、もう大丈夫、、、行こう。」
ライ「そういえば俺、レベル上がってたわ。」
「あ、自分も。」
結構デンジャラスな状況だったため、スルーしてた
レベル2になった
敏捷が1上がり、防御が1上がった