NEW GAME
会員登録したその日に投稿した物なので、何処か投稿の設定がおかしいかもしれません
「…ここは」
宇宙空間を模したかの様な、無数に広がる謎の空間。知らない感覚に驚きながら『資料に書いてあった通りだ』と、辺りを感慨深げに眺める。
虚空から…というよりも、まるでテレパシーかのように、機械的な女性の声が届き、『これも資料通り』と首の裏を掻いた。
「こんにちは、北神 零さんですね?
ようこそ、another earth へ、ここでは
キャラクター作成を行ってください。 」
その声が聞こえなくなったかと思うと、何処からともなく大きな鏡が姿を現し…現実で見飽きた、これといって特徴の無い自分の姿が写っていた。
「…んで、どうやって作ったらいいんですか?」
声「その前にまず、種族を決めていただきます。another earthの世界には、無数に種族があり、another earthの世界で過ごしていくうちに、種族が変化するかもしれません。ですが今回は6の種族の中から選んでいただきます」
種族が変わるかもしれない?
ゲームの世界なら、クエストか、ストーリーを進めていくと変わるかもしれない…ということだろうか?
声「種族は、ヒューマン、ケットシー、エルフ、アンドロイド、オーガ、ドワーフ、となります。それぞれの種族の特徴を紹介いたします」
俺の前に、材質不明の、パネルのような物が6つ浮かび上がってきた。
一通り見て、リアルで予め決めていた種族を、改めて確認する。
【ケットシー
敏捷性が一番高いが、防御力が低い、猫のような特徴を持った種族。
敏捷の値が成長しやすく、防御力の値は成長し辛い。
種族スキル 索敵 強化聴覚 】
パネルを手に取ると、キラキラと光る粒子のようになり、消えていった。
声「ケットシー、でよろしいですか?」
「ああ、問題ない」
声「それでは、あなたの成りたい姿を思い浮かべてください。その姿に変化します。」
予習通り…だが、緊張を隠し、最も聞きたかったことを尋ねる。
「…性別を変えたらどうなる?」
機械なのだろう声にさえ、うわぁ、とどんびきされたらどうしようかと思いながらも、大事なことなのだ、意を決して返事を待った。
声「その性別通りに、外見データが作られます。しかし生殖器は、貴方の性別に合わせられます。」
俺の質問に、特に戸惑った様子もなくスラスラと女性はそう答えた。
…引くようなコメントが用意されてなくて良かった。
性別を変える、なんてことをしても、ごまかしが効かない所もある…ということらしい。
最も…これから一生、その世界で暮らすのだ。生殖器だろうと、変える手段が用意されてない訳はあるまい。
………落ち着け。集中しろ、有り余る想像力を、最大限まで働かせろ。
目を瞑ってなりたい姿をイメージする。いつもゲームで使っていた、あの姿をーー。
目を開けて鏡を見る。
身長148cm、膝裏まである長い銀髪に、僅かなくせっけ、小さな顔に大きな青い目、手足胴体は細く、更に、種族を表す、髪色と同じ銀色の猫耳、中ぐらいの太さの長い銀色の尻尾、巨乳…
…巨乳!?生殖器は男のままのはずじゃ……成る程、胸は只の脂肪の塊だとでも言うのか…いよし!!
自分の想像力の成果を確認し、普段の自分らしくなく、テンションが高くなり過ぎた。
声「いかがでしょうか?」
「完璧です。」
声「それでは、チュートリアルを開始します。」
体感約二時間後
声「以上で、全てのチュートリアルを終わります。お疲れ様でした。それでは、準備はよろしいでしょうか?」
流石に説明をずっとされ続け、頭が痛くなってきていた。考えを整理する為目を閉じ、一呼吸置いて、改めて目を開けた。
「一つ、質問いいか?」
聞きたいことは幾つかあったが、チュートリアルで殆ど説明されたので、されなかったものを質問する。
「もし、俺は本当は攻撃系魔法職がやりたかったのに、回復系魔法職になったりとかってするのか?」
声は又も、聞かれるのを予想していたかのようにスラスラと答える。
声「貴方に見合うスキル、貴方に見合う魔法を覚えていく用に設定されています。他には何かありますか?」
何もかも望む用に成長しないのは、リアル基準といったところだろうか。
「解らないことがあっても、ヘルプから聞き出せるんだろ?じゃあ今はない」
…速く行きたい。行って、色々なことをしたい。まずは何をしようか…!
ワクワクが止まらない。
速くその世界に降り立ちたい。
何故って…ずっと、夢だったのだ。
声「かしこまりました。それでは、いってらっしゃいませ」
周りの宇宙空間が、足元から草原に変わっていく。
完全に変わったのを確認して、左手首を反時計回りに二回転させ、人差し指と中指を上に振り、メニューを出現させた。
メニュー欄からステータスを確認
フィア=レイ level 1
筋力 12 敏捷 16
防御 15 攻魔 16
回魔 14 体力 11
戦才 15 魔才 15
another earth のステータスは、リアルでのステータスが反映される。20台中盤の平均は10.5らしい
筋力は力強さ、つまりそのまま。
敏捷は素早さ、走る速さや、行動の素早さ、反応速度の速さなどが関係して、ひとくくりの値にされている。
防御は我慢強さ、つまり、殴られてもどれだけ耐えれるか、及びHPがどれだけあるか。
攻魔は攻撃魔法、これは、その人の精神力に依存する、攻撃魔法の威力を表す。
回魔は回復魔法、その人がどれだけ"優しかったか"、回復魔法の効果に関係する。
体力はスタミナ、技を使ったり、走ったりして、どれだけバテないか、ゲーム中ではSPとして、スキルを使う時、普通に歩いたりする時にも消費される。
戦才は戦闘才能、その人がどれだけ戦闘センスを持っていたか、戦闘スキルをどれだけ覚えやすいか。
魔才は魔法才能、その人がどれだけ頭がよかったか、魔法をどれだけ覚えやすいか、及び、MPがどれだけあるか、らしい。
高校二年生にしては……破格ではないだろうか?どんな評価基準なのだろうか。
テストではうっかりミスで全教科合計50点落としたことすらもある。リアルでもこんな風にステータスが見れたら…なんて、思わずため息が漏れた。
過ぎたことをうだうだ考えるのは止めた。
高校はこっちでも通えるが、現実同様義務教育ではないので、取り敢えず受けないことにしている。
他のステータスについても思うことはあったが、とりあえず後回しにしよう。
ステータスの装備欄を確認する
頭装備 なし
胸装備 最初の服 胴体防御+1
手装備 なし
腰装備 最初のズボン 腰部防御+1
足装備 最初の靴 効果なし
頭アクセ なし
首アクセ なし
腕アクセ なし
手アクセ なし
他アクセ なし
最初のシリーズの装備性能は全て防御+1だった
見た目はキャラを望んだ時の姿の服だが…悪くないセンスだと自負している。
右手 ウィジーソード 追加効果なし
左手 ウィジーソード 追加効果なし
チュートリアルで言われた通り、望んだ武器種、片手剣。
正確には柳葉刀。
その2本を逆手に持って戦う感じにしようと思った為、二本貰った。
草原のど真ん中から始められたが、目を凝らすと前方に大きな街が見えたので行ってみることにする。
その前にスキルを確認。
チュートリアルの話だと人それぞれのアビリティ、スキル、魔法が最初からあると聞いた。
スキル
気合
魔法
なし
アビリティ
強化聴覚 強化嗅覚 索敵
ハイジャンプ リバーサルリカバリー
おお、結構あるな、、、と、自分に感心を覚えつつ、解説を見る
気合 使用することでHP、体力、MPを自身の最大値の20%回復する
使用条件 気合
強いスキルだが、使用条件が気合って…つまり、気合いが入ったら回復するってことか?
簡単に何度も使えたら話にならないし…真に気合が入った時、死ぬ覚悟で戦おうとした時、とかしか使えないのだろうか。
後は一度その気合で回復したら、それを超える気合が入らないと回復しない、とかだろうか…?
…ろくに使えそうにない。
強化聴覚 遠くの物音も聞き逃さずに聞こえる。範囲は不定 。
まぁ、伊達に猫耳になってない。
強化嗅覚 僅かな匂いも嗅ぎ分ける、範囲は不定
…これは種族アビリティではなかった筈。
リアルでも鼻が良い方だと思っていたが…それを明確に証明されると、なんとも言い難い思いになる。
索敵 近くの敵の気配を察知する。
隠密系スキルに対しては無効。
便利だが、隠密系スキルに対しても出来るように、アビリティのレベルもなんとかして上げたい。
ハイジャンプ 通常より二倍の高さまで跳躍出来る
これもケットシーのスキルではない筈。
リアルでバレーボールをやっていた成果が出たのかもしれない。勿論、リアルでは二倍も跳べるわけないが。
リバーサルリカバリー
吹き飛ばされた時に、しっかりと受け身で着地出来た場合、最大HPの10%を回復する
…こんなスキルを取れるようなことはした覚えがないんだが、無いよりはいい筈だ。
…受け身の取り方なんか知らないが。
それぞれに軽く評価を下し、取り敢えずスキルが0じゃなかったことに僅かに笑みを浮かべる。
左手首を反時計回りに二回転させ、人差し指と中指を下に振り、メニューを閉じる。
いいかげん街に向かおう。
澄ました顔をしながら、内心は喜びに躍り狂っていた。
6月8日
後書きを消去しました。
この頃は描写がとことん甘い為、どうしてもそれは無理。という方は総集編から入っていただいて、描写力が多少改善されてる所から見ていただければと思います。
2019/7/17
思い立って「、、、」等を直しました。
2020/2/23
軽く描写を修正