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Excuse me ?


保健室

走ってきた教師に、保健室へとライを運んでもらうと、とりあえず話をしたい、とのことだったので、それぞれ椅子に腰を掛けた

教師「本当に、、、申し訳ありませんでした、うちの生徒が、、、」

教師と、ホームランを盛大に飛ばしたと思われる男子生徒が頭を下げた

「いえ、、、自分に謝られても、、、」

男子生徒C「まぁ確かに」

フィアの言葉を聞き、けろっと頭を上げた

、、、なんだこの子

教師「こ、こら、、、すみません」

教師は男子生徒に注意をするが、注意してもしょうがない、とでも思ったのか、同じく頭を上げた

「、、、あぁ、でも、この人はかなりキレやすい人なので、、、注意してくださいね。」

ニコリ、と愛想笑いを浮かべながらそう言うが、特に気にしていないのか、ふーん、と窓の外を見る男子生徒と、心配になってきたのか、下手くそな苦笑いを浮かべる教師、という奇妙な図が出来上がった

「それで、ライはどうですか?」

ベッドに寝ているライを診察していた保険の先生に声をかける

保険医「、、、特に問題はありませんが、、、気絶したぐらいですから、一応病院に行くことをお勧めします」

、、、また面倒くさいことになったな、と思いつつ、そうですか、フィアと一言返す

教師「そうだ、ところでレイさん、お食事の方はまだでしょうか?」

そういえば、、、パニックを起こしてすっかり忘れてた

「まだです」

教師「でしたら、食堂に案内しましょうか?もうすぐ授業が終わるので、生徒達が押し寄せる前に行った方がいいかと」

おお、、、と、感嘆の呟きをフィアが上げる

フィアが行っていた学校には学食が無かったからか、結構興味を湧かせていた

「いいんですか?部外者が学食に行って」

教師「大丈夫ですよ、教師の血縁者などは、よく学食に食べに来てますから。」

、、、ふむ、小さな子供を持つ教師のこととかもちゃんと考えられた高校なんだな

「成る程、、、じゃあ、お願いします。」


学食

学食に案内され、教師が立ち去った後、食権を買い適当な席に座った

その瞬間、授業の終了を知らせるチャイムが鳴り響き、

ドカドカドカ、と途轍もない数の足音が聞こえてきた

、、、やはりフードを被っておこう


割り箸を割り、いただきます、と小さく呟いた、その瞬間、大量の生徒達が食堂への扉をぶち破り押し寄せて来た

協定を結んでいるのか注文を取らず席を取る生徒、食権に並ぶ生徒、、、静かだった食堂は、生徒達により一気にやかましくなった

、、、あっ、結構美味しい

気にせずのんびりと食べているが、、、やはり視線を感じる、、、周りの人をよく見てみると、子供専用の場所のような物があり、幼い子供等も見られたが、、、制服じゃないというのはやはり浮く物だ

??「Excuse me?」

あまり意識しない様に黙々と箸を進めていたが、

突然、横から英語が聞こえてきたため、フィアは箸を止め、横を見る

フィアより少し短いぐらいの長い金髪、綺麗な青色の瞳のエルフ、、、明らかに外人の女生徒が、フィアの横にトレーを持ちながら立っていた

??「Can you speak English?」

英語を話せるか?、、、か

何の意図があって俺に話しかけてきたのか解らないけど、断るのも可哀想か

「Well...a little...please slowly」

えっと、、、少しなら、、、、ゆっくりお願い、そうフィアが答えると、Wow!と、嬉しそうに少女が笑顔を咲かせる

※ここから英語→日本語に自動で直しています

レイラ「私は渚レイラ、イギリスと日本のハーフです、レイラと読んでください」

レイラはそう言うと、ぺこりと頭を下げた

「解った、、、自分はフィア=レイ、自分のことはフィアでいいよ」

レイラに座る様に促す

レイラ「ありがとうフィア、席が殆ど埋まっちゃってて助かったわ」

俺の周りには、やはり警戒されているのだろう、長机がまるまる空いていた

「そういえば、、、レイラは日本とイギリスのハーフなんだよね?日本語は喋れないの?」

思いの外スラスラと英語を喋ることが出来る自分に、僅かな感動を覚えつつもそう尋ねる

レイラ「えっと、日本に来たのは半年前で、本当に少ししか喋れないの」

成る程、、、こっちの世界に来るならついでに引っ越そう、といったことにでもなったのだろうか

適当な推測を頭の片隅に置きつつ、話を続ける

「成る程、、、それで、レイラは何で自分の所に来たの?」

、、、全然予想外でもないだろう、急に知らない人が隣に来たら警戒する

しかし、レイラはその言葉が予想外だったのか、暫く考えた後、、、

レイラ「私実は、生徒会に入ってるの、それで、怪しい人がいるから話を聞いてこいって、、、他の子はまだ来てないっぽいから」

ああ、、、まぁ通報されるのも無理は無いか、、、あの女教師め、、、伝えてくれれば良かったのに

そう悪態をつきつつも、とりあえず仕方ない、と自分を納得させる

「あ〜、えっと、簡単に説明すると、、、」

何から説明したものか、と考えていると

女生徒「レイラ、この人がそう、、、よね、明らかに」

レイラと同じくらいの長さの髪を持った黒髪の、気の強そうな美少女がレイラの横に立つ

レイラ「萱野ちゃん!」

萱野「会長、とつけてください、まったく、、、それで、あなたは誰ですか?ここは関係者以外立ち入り禁止の筈ですが」

また俺様系な人だな、、、面倒くさいことになった

「暇だから体育の様を見てた、ホームランを友人が当たった、気絶した、保健室運んだ、ご飯食べて来ていいと言われた、、、以上」

フィアはそこまで上手く英語でまとめて言えないため、短文を複数言い、レイラにも解るように説明した

萱野「そんな話聞いてませんが、、、後、人と話す時ぐらい、フード取りなさい」

取りなさいって、、、何故命令口調なんだ、と不満を思いつつ、まぁ初対面の相手にきれる訳にもいかない、となんとか我慢

「それもそうだね」

フィアは言われるがままにフードを脱ぎ、手で髪をローブから出した

レイラ「わぁ!フィア!とても可愛い!」

フィアの美しい容姿に感動したのか、レイラがスプーンを置き、フィアにハグを炸裂させる

、、、周りからオオッと男子生徒の多数の声が聞こえてきたのは言うまでもない

、、、だからやだったんだ

「ありがとうレイラ、、、自分の言っていることが信用出来ないなら、眼鏡を付けたスーツの女教師に確認を取ってほしい、もしくは保健室」

萱野「、、、解りました」

萱野は俺の姿に驚き、言葉を失っていた様だが、状況を思い出したのか、食堂を出て行った

レイラ「じゃあ私も失礼しますね」

レイラも用が済んだのか、一度フィアの方を振り返り、小さく手を振り萱野の後を追って行った

、、、冷める前に食うか

と、再度箸を持ち、食事を進めようとするが、、、



海「お前、、、なんできてんだよぉお!」

んん?と、いつの間にか横に立っていた海の方を向くと、トレーを持ったまま、微妙なサプライズに対して苦笑いをするしかないかの様な表情を浮かべていた

「暇だから来たら、ライが野球ボールにぶつかった、それで保健室行って、ご飯食べて来て〜って」

俺の言葉を聞くと、ハァっ、、、と溜息を吐きつつも海は、フィアの向かいに座った

海「、、、まぁいいや、そんでライは?」

諦めたのか、怒ってもしょうがないと気づいたのか、ぶつぶつ言いながらも向かい合う様に座り、昼飯を食べ始めた

「クリーンヒットしたみたいで、寝てる、、、海、彼女とか、友達は?」

海「ん?彼女は昼飯は別、友達はあそこ、、、来たいってさ」

海が指した先を見ると、手を振っている男子生徒が三人此方を凝視していた

「、、、海の友達って、ろくなのいないんだよなぁ、、、」

その海と友人関係の自分はどうなんだ、なんてフィアは自分に対してツッコミを入れつつ、会ったこともない相手を批判する

海「うっせ、、、、否定はしないけど」

そう言いつつも海が呼ぶと、男子生徒三人が同じ机に座って来た

男子生徒e「こんちはー!いやぁ、海も、こんな可愛い子がいるなら言えよなぁ」

、、、ほら見ろ、こういう奴だ

男子生徒f「本当だよなぁ、、、あ、横失礼しますー」

男子生徒g「ごめんね、こいつらうざくて」

あっという間に包囲されてしまった、、、どうしよ


「、、、えっと、海はちゃんと勉強してます?」

うまく笑えてるだろうか、と心配しつつもとりあえず知らない人とは、共通の話題を振るべきかと判断し、そう言葉を紡ぐ

f「あ、やっぱ気になります?、、、この前のテスト、こいつひどかったよなぁ、クラスでワースト3位って、笑うしか無いだろ」

三人が笑い、海は恥ずかしそうに、海の横のgをど突いた

g「な、なんで俺なんだよ」

海「んで、フィア、どうすんの?ライが起きるまで暇だろ?」

話題を露骨に変えつつ、気にしていないかの様にパクパクと飯を進めていく

「ん〜、、、といったって、授業あるだろうから海と会話してるわけにもいかないでしょ?、、、学校見て回りたいんだけど、勝手にうろついて平気かな?」

ゲームがあるとはいえ、折角中に入れたなら、海がどんな学校に通っているのか、見て回りたい

e「大丈夫ですよ!、、、多分」

無責任な言葉だなぁ、なんて思いつつも、まぁ大丈夫か、と勝手にフィアは思考を進めていく

話をしながらも全員で食べ進めていると、案の定な質問が投げつけられた

f「、、、フィアさんって、海と付き合ってるの?」

その言葉を聞き、海は吹き出しそうになりつつもなんとか堪えていた

、、、まぁ返答は決まってるが

「いや、興味無いかな、、、少なくとも、今は、誰かを好きとか思うことは無いかなぁ」

フィアの言葉に興味を示した様で、gが身を乗り出して尋ねる

g「へぇ、何で?フィアさんモテるでしょ?勿体無いなぁ」

「別にモテないよ」

、、、ここにいる奴らの何人が本当の姿なんだろうか、、、まぁ、自分も偽物の姿な訳だし、そういった意味で恋愛を拒否することはないけど

、、、何故か、という質問にはスルーしとくか

g「フィアさんって海と同い年?学校には行かないの?あの外国人と話せてたみたいだし、頭はいいんでしょ?」

「、、、行く意味がよく解らないからかなぁ」

先程の英語や、化学、とかは使うかもしれないが、、、

海「おま、バッサリ言うなぁ」

f「あぁ、、、確かに、ファンタジーエリアで生きるなら、正直要らないよね」

g「、、、海がいるなら、ついていく、とかは?」

「、、、ないかな、別にファンタジーエリアですぐ会えるし、暇だったら今日みたいに遊びにこれるし、、、まぁ海が来いって言うなら考えるけど」

その言葉を聞き、三人が海に注目する

、、、今の内にササッと食べよう

海「、、、まぁ、一緒に勉強したい、とも思うけど、、、どっちでもいいかなぁ」

その言葉を聞き、なんだよ〜ハッキリしろよ〜等、三人が言っている間にさりげな完食


「ご馳走様でした、、、そういえば、時間いいの?」

フィアの言葉に全員が壁に掛けられた時計を見ると、昼休み開始からかなり時間が経っていた

やべ!早くしなきゃ!だの、三人は急に慌ててガツガツと食べ出す

海「お前ら、、、」

「返すのあそこでいいんだよね?」

恐らく返却口と思われる場所を指す

海「おう、、、ついでによろ」

海が空のトレーをフィアに渡す

「はいはい」

やれやれ、と首を振りつつも、フィアは素直に受け取り、返却口へと歩いて行った



f「やべぇよなフィアさん、めっちゃ可愛いじゃん」

e「だよなだよな、なぁ海、あの人彼氏いるの?」

、、、こいつらは、、、まぁ、この反応も仕方ないことでもあるのかもしれないけど

海「いないっつか、多分そういう経験ないぞ」

g「まじ?、、、男絡みでなんかあったから好きにならない、とかかと思ってたわ」

そりゃあいつが男だから、、、

でも、本当にそれだけなんだろうか?

、、、ん?、、、そもそもあいつ、女さえ、好きになったこと、、、あったか?



海達と別れ、フィアは再度保健室へと戻るが、ライは未だに寝ていた為、適当に学校内を見て回ることにした




図書室

たくさんの本棚、たくさんの机に椅子、貸し出し返却用のレジ等がある、リアルでもよく見る様な普通の図書室だった


中には、授業中の為、誰も入ってこない、と思われたからか、不用心にも鍵が空いていた


おっ、ワールドオブソードがあるのか、いい図書室だな、、、って、七巻しか残ってない、、、まぁ人気なんだろう

なんて、特に変わった印象を受ける訳でも無く、適当に本棚を見て回るが、特に気になるものがあるわけも無かった


一番奥まで来た所で、、、机の所から拝借したであろう椅子に座った、栗色?と言うべきなのか、そんな髪色をした少女が、一心不乱に分厚い本を読んでいた

「君、、、授業は?」

フィアがそう声を掛けると、ハッとした様にガバッと顔を上げ

少女「い、急がなきゃ!」

少女はフィアに礼も言わず、走り出して行った

、、、失礼な人だな、と僅かに思ったが、、、夢中になって、授業を忘れるって、、、どんな本なんだろうか、という興味の方が、フィアにとっては大きかった

慌てていたのか、少女が夢中になっていた本が、先程まで少女がいた所に転がっていた


手に取り、黒い皮表紙の本をひっくり返し、タイトルを見ようとする

、、、が、タイトルはついてなく、

黒い皮で覆われていた

、、、皮でカバーするってことは、貴重な本ってことだよな、、、?

思うところはあったが、とりあえずアイテムストレージにしまっておいた


またも目的もなく適当にぶらつき、屋上へとやってきた


屋上

鍵がかかっているのではないか、と思ったがそんなことは無く、普通に屋上への扉を開くことが出来た


扉を開けると、とても広大な青い空がまず目の前に広がった

柵はあまり大きく無く、ハイジャンプすれば一発で飛び降りれてしまえそうである

柵の近くまで行き、さらに奥の景色を眺める


現実では、住宅やマンションがたくさん建てられ、見る機会が減ってしまっていた大きな山と森がフィアの目を釘付けにする

、、、学校に、裏山、かぁ、、、いいな

と、そんなことを考えつつ、、、屋上の、、、なんて言うんだここ?更に登れる所へとハシゴを登ると

スースー、と、腕を枕にして、縮こまりながら寝ている少女がそこにいた

、、、この学校、、、大丈夫か?


起こすべきか、、、?と悩んでいたが、、、あまりにも気持ち良さそうに眠るので、見逃してあげ、少女の隣に座り、先程の本を読むことにする

少女「ん〜、、、」

少女が寝返りをうつと、ゴツンっと、貯蔵タンクだろうか?の土台部分に頭をぶつけてしまった

、、、あれ絶対痛いだろ

そう心配し、少女を覗き込むが、少女は起きる様子もなく、またもスースーと寝息を立てて寝始めた

痛いだろうに、、、そんなに眠いのか?

枕、とかを用意してあげられたらよかったんだが、生憎そんなものはなかった


、、、この本、魔道書?

フィアが内容を斜め読みしたところ、大規模な召喚魔法のやり方が書かれていた

、、、最も、召喚出来るものは幾つか種類があったが、、、ろくでもない凶暴な物ばかりだったのだが


この本の持ち主、、、まぁ、ファンタジーエリアで召喚するなら問題ないけど、、、

一つの不安を抱えつつ、いいかげん少女を起こすことにする

「起きて、もう放課後だよ」

少女の頭を軽くペシペシと叩くが、、、起きない

「お〜き〜て〜!」

頬をパシンパシン、と叩くが、、、やはり起きない

、、、仕方ない、適当な職員にでも、、、



瞬間、悲痛な女性の悲鳴がフィアの耳を劈く

「な、なに?」

屋上にまで聞こえるって、そうとうな声だぞ

それを始まりの合図とするかの如く、無数の悲鳴が続け様に響き渡る

その声、悲鳴を聞いたからか、むくり、、、と寝ていた少女が、緊迫した空気を無視し、のんびりと起き上がった

少女「ふわぁ、、、おはよう」

「お、おはよう、、、」

寝ぼけているのか、呑気にそう挨拶をしたかと思うと、不自然な感覚に気付いたのか、自身が枕にしていたフィアの膝に目をやる

少女「膝枕、、、ありがと〜」

そう一言言うと、女性は屋上から出て行った

、、、ぼんやりした子だったな



、、、そういえば、、、悲鳴!何処からだ!?

あの子のせいで、すっかり忘れそうになっていた

屋上にも聞こえたってことは、外か?いや、五階とかなら聞こえるか?

とりあえず外を見るため、フィアは急いでフェンス近くまで寄ってみるが、、、

遠く離れていてもハッキリと分かる、

体育の授業中だったのであろう生徒達が、、、血溜まりを作り倒れていた


前回が短かった為、多少長くしました

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