ティア
居間に入ると、長いツインテールを振りながら、何かを探すようにウロウロとしている、シアと同い年ぐらいであろう、金髪の少女、、、ティアがいた
ティア「シア〜?、、、え?」
人の気配を感じてか、こちらを見たティアが固まる
「久しぶり、無事でよかったよ、ティア」
にこりと微笑み、ティアに近づこうとすると
ティア「フィアお姉ちゃああああん!!」
がばっとティアがいきなり飛びついてきた
「おっとと」
慌てて抱きしめ、受けとめると、ティアが涙を流していたことに気づいた
そんなに会話したこともないような関係なのに、、、余程心配してくれたんだな
ティア「ほんとに、ほんとにお姉ちゃん?」
「ああ、間違いないよ、、、自分は大丈夫、生きてるよ、ティア」
ティアの頭を撫でる
シア「、、、お二人は知り合いですか?」
「まぁ、色々あって、、、」
クロ「、、、ズルい」
後ろをチラリと見ると、クロがいじけていた
「あ、後でやってあげるから、、、」
ティア「も、もう大丈夫」
落ち着いてきたのだろう、恥ずかしくなったのか、顔を赤くして離れた
「ん、そっか、残念」
ティア「ざ、残念!?」
シア「ご飯出来ました」
クロ「、、、クロも手伝った」
「ん、ご苦労様」
ティアをスルーし、席に着く
ティア「ね、ねぇ、残念って」
「そういえばライは?」
帰ってきてから見てない、というか、吹っ飛ばされてから連絡とってない
シア「フィアさんを探すって、昨日から帰ってませんよ」
うおいまじか、、、連絡すればよかったな、、、正直ライがそこまで心配してるとは思わなかった
「まじか、なら後で連絡しとくね、、、とりあえず部屋か、、、確か、宿屋って、急な客用に常に空き部屋残しとくんじゃなかったっけ?」
ゲーム知識だが、確かにありえそうだと思い、一応尋ねる
シア「、、、よく知ってますね、、、でも、一日二日じゃなくて定住する訳ですから、、、」
「それもそうだな、、、んじゃ、自分と相部屋でいいか」
クロは満足そうに頷いた
飯を食い終わり、ライに電話しようとすると
ティア「あ、あの、、、その尻尾、、、触っても、、、いい、ですか?」
緊張からか、敬語でティアが、クロの二尾を指していた
クロ「、、、 別にいいけど」
クロがそう答えると、パッと喜んだ顔で、ティアが恐る恐るクロの尻尾を触る
ティア「や、、、柔らかい!」
モミモミと尻尾を弄って遊ぶティアを、特に興味もなさそうにクロが眺めていた
「、、、ずるい!自分もやる!」
ティアの横に滑り込み、尻尾に顔を埋める
「おおお、や、柔らかい!」
これはいい、、、気がつくとクロの腰に手を回し、顔を完全に埋め尽くしていた
ティア「フィアお姉ちゃん、、、」
、、、ハッと我に帰る、、、やりすぎたか?
ティア「私もやる!」
ティアも同じくクロの腰に抱きついてきた
よかった、、、流石に子供にドンびかれたら死にたくなる
堪能して、尻尾から顔を上げ、クロを見ると、クロが何処から取り出したのか、小説を読んでいた
シアの方をチラリと見ると、、、
食器を洗いつつ、チラチラとこちらを見ていたのか目があった
「シアもやる?」
シア「別にいいです」
ティア「気持ちいいよ〜?」
シア「や、やりません!」
シアは俺達の誘惑に負けず、何処かに立ち去ってしまった
ティア「そういえば!フィアお姉ちゃんに聞きたいことがあったの!」
尻尾から離れて、麦茶を飲んでいたら思い出したかのようにティアが尋ねてきた
ティア「HP、とか、MP、SP、ってなんだか解る?」
、、、んん?
どうするべきだろうか、答えるべきか、、、?いや、別に答えてもいいか
「HPは、生命力、MPは魔力の残量、SPはスタミナ残量、だけど、なんで聞いたの?」
ティア「えっと、、、フィアお姉ちゃんに助けてもらってから、皆の右上に変な棒と、HP、とかが見えるようになって、、、」
、、、後遺症か?
死の淵から生き返った人間は、人知の及ばぬ力を得る、そんな物語を読んだ覚えがある
「、、、ティア、そのことを知っているのは?」
ティア「ええっと、、、お母さんと、お父さんと、お医者さん、、、かな」
、、、それだけか、、、他の人に聞いてたりしなくてよかった
ステータス解析魔法とかはあるだろうけど、アビリティの様だし、やはり珍しい物だろう
「まぁ、、、あんまりいいふらしたりはしない方がいいよ」
珍しい力を持ってることは、嫉妬されたり、研究されたりと、ロクなことがないような気がする
他言禁止すべきか?とも思ったが、あっちの世界という訳じゃないんだから、能力に目覚めるのはさほど珍しくないのかもしれない
「そういえばティア、何しにここの宿に?」
ただの村娘がここに来る理由、、、まさか、先程の能力のことを聞くためだけではないだろう
、、、しかし、特に思い当たらなかった
ティア「ぁ、、えっと、、、」
ティアはそう言い淀んで、視線を下げた
「言いたくないなら言わなくてもいいけど、、、」
ティア「い、いや、そういう訳じゃなくて、、、」
そういう訳じゃない、、、?
イマイチよく解らないな
ティア「フィ、フィアお姉ちゃんを探しにきたの、、、」
驚き、ティアの顔を覗き見ると、、、
顔を恥ずかしそうに真っ赤にしていた
、、、なんていい子なんだろうか
俺を探す為に、決死の覚悟で村を出てきたのに、直ぐに本人の方から帰って来ちゃって、挙げ句の果てに「何しに来たの?」、、、これは照れるのも当然だろう
ああ、やばい、、、命の恩人だからといって、そこまでする義理はあるだろうか?いや、ないだろう
だというのに、、、戦う力もないというのに、、、なんていい子なんだ!
気が付くと、音速でティアを思いっきり抱きしめていた
ティア「フィ、フィアお姉ちゃん!?」
大きなツインテールから、シャンプーの良い香りがする
「、、、ありがとう、ティア」
ティア「え、えっと、、、こちらこそ、、、あの時は本当にありがとう」
一瞬驚いていたが、照れながらも、腕を俺の腰に回してくれた
「そういえば、、、ティア、村に帰るの?」
俺がそう尋ねると、疑問の表情を浮かべ、ティアは首を傾げた
ティア「え?」
「自分を見つける、っていう目的は達成したでしょ?家の手伝いとか、いいのかな、って思って」
ティア「大丈夫!二人ともいいって言ってくれたから、、、フィアお姉ちゃんと一緒に冒険したいの、、、、、駄目?」
、、、そんな不安そうな可愛い上目遣いに耐えられる訳がなかろう
この世界、、、NPCが総じて可愛い様な気がする
リアル世界じゃ考えられないことだ
「、、、自分も、ティアと一緒に冒険してみたいな」
その言葉を聞くと、何度見ても可愛らしい満面の笑みを向けてくれた
ティア「うん!よろしくね、フィアお姉ちゃん!」
その後、チームにティアが入れるか、試してみたら入ることが出来た
ティア が トリニティ に加入した




