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ザーキナル

目覚めると、見知らぬ天井、、、ではなく、ここは、、、

意識がハッキリし、慌てて立ち上がろうと手を地面につくが

「うぐぁっ、、、」

手に激痛が走り、手を布団につけられず、立てなかった

ふと、横になにかがあることに気が付き、目をやると、、、クロが俺の隣で寝ていた

そうか、、、なんとか、説得出来たか、、、

手には包帯が巻かれていて、クロの目元は泣いていたのだろうか?赤くなっていた

クロ「んぅぅ、、、フィア?」

俺の声で起きたのか、クロが目を覚まし、ベッドに腰を下ろした

クロ「、、、フィア、、、ごめんなさい」

クロは先程のことを思い出してか、溢れる様に涙を流した

「ん、気にしなくていいよ」

クロの頭を傷が浅い右手で撫でると、安心したのか僅かに微笑んでくれた

、、、初めて見た僅かな笑顔に、先程までの恐怖を忘れ、思わずかわいいと思ってしまった

クロ「ん、、、ありがとう、、、クロ、ペットとして頑張るね」

、、、あ、忘れてた

いかんいかん、ペットはまずいだろ、、、なんて言おう、言い間違いだ?やっぱなし?いやいや、また刺されるぞ下手をすると

眠いからか、血が足りないからか、考えがうまくまとまらない、、、

、、、返事を考えていると、一つ、告げなきゃいけないことがあったことを思い出した

この状況、クロは俺の事を女だと思っているから、、、一緒に寝たり出来るのだろう

、、、男的には美味しい展開、だが、、、本当にこれでいいのだろうか、いや、いいわけないだろう

「クロ、一つ言っておかなきゃならないことがあるんだ」

痛みに堪えつつ、なんとか布団に座る

と、俺の雰囲気を察してくれたのか、クロも向き合う様に座った

「、、、俺、男なんだ」

俺の言葉に、対した興味を示さず、クロはだからなに?といったように首を傾げた

クロ「、、、やっぱり王子様、、、だった」

「え?それだけ?」

クロ「、、、フィアはフィア、クロの主、、、おやすみ」

「、、、うん、おやすみ、、、このことは誰にも言っちゃ駄目だよ?」

解った、とクロが返事をし、目を閉じた

理解してくれたのか、受け入れてくれたのか、よくわからないが、、、兎に角、ドン引きされたりはしなかったようでよかった


、、、これから色々な人と関わっていくとは思うけど、、、受け入れてくれそうな人には、、、話そうと思う


3日後

吹雪が止み、朝日が眩しくなってきた頃、クロの家を出る

「よし、準備はいい?」

クロ「、、、うん、(あるじ)

「、、、主って、やめない?」

クロ「、、、どうして?クロは主のペット、、、まさか」

「いや、やっぱいいや」

次の言葉を察して、クロの言葉を切る


「そういえば、ちゃんとした契約をしてなかったな」

クロは首を傾げる

「冒険者がモンスターと契約する時は、カードに契約するんだ、他の人とモンスターが契約しないように」

クロ「、、、クロは主を裏切らない」

「解ってるって、形式的な物だよ」

アイテム欄から、サモンカードを選択し、取り出す

「手を合わせて」

カードを間に入れ、お互いの手を合わせる

カードが光り、無事契約がなされ、クロがカードの中に入った

メッセージウィンドウ

サモンカード→クロのサモンカード、に変化した


カードに魔力を込め、クロを召喚する

クロ「、、、驚いた」

「悪い、カードの中に入るなんて知らなかった、、、とにかくこれで契約完了、、、改めてよろしくな、クロ」

クロに手を差し出す

クロ「、、、?」

「ああ、握手は挨拶的な意味があるんだよ、まぁ、求められたら、、、嫌じゃ無かったら答える感じ」

そう説明すると、クロが握手に応えてくれた

クロ「、、、よろ、しく?」


クロが仲間モンスターとして加わった


クロ レベル?? 種族 妖狐

アビリティ 強化視力 改 強化味覚 改

強化嗅覚 改 強化聴覚 改

索敵 改

使用可能呪文 ダークネス

使用可能スキル 変化(へんげ)、 ブーメランナイフ


変化

自身の姿を変化させる

自身の姿からサイズ、形が離れている物ほど変化に使うMPが増える


ブーメランナイフ

ナイフをブーメランの様に操作する


「ダークネス、、、かっこいい」

クロ「かっこ、、、いい?」

「ああ、なんか、特別な感じがして、かっこいい、、、ふぇっくし」

光魔法、闇魔法には憧れを抱くのは、男の運命なのかもしれない

クロ「、、、ありがとう、主」

「ん?うん、、、コート着てても寒いもんは寒いね、、、マフラーぐらい買っとくべきだったか、、、」

手袋を擦り、摩擦で熱を出す

こういう時に海が居てくれたら便利なんだがなぁ、、、

クロ「マフラー、、、なる」

クロが俺の首元に抱きつきドロン、と煙を出しながら変化すると、、、かなり長めの黒色のマフラーが巻かれていた

「お、、、凄いな、でも、クロは寒くないか?」

クロ「、、、平気、慣れてる」

マフラーになったクロがどうやってか話す

「ん、そうか、、、ありがと、、っと」

突然メニューウィンドウが開き、海からの着信を報せる

「よっす」

海「おま、生きてたなら電話しろよ!」

制服を着た海が、僅かに怒った様に溜息を吐く

「悪い悪い、色々忙しくてさ、、、なんか雪山まで飛ばされたっぽい」

海「うわ、まじww俺今から学校だからwまぁがんば」

海との通信が切れた

クロ「主、、、今の人は?」

「あ〜、友人、まぁ良いやつだから、仲良くしてやって」

クロ「、、、解った」



ザーキナル

リアルでの京都の様な、和をイメージした街中に、他の都市とは違う、とても大きな日本的な城が目立つ

サウザンドリーフにも言えることだが、周りは巨大な壁に囲まれていて、出入りはそれぞれ門を通る必要があるだろう

ザーキナル、、、ってことは京都か!?

千葉から京都に飛ばすとは、、、あの敵、レベル30ぐらいにならないと倒せないんじゃないか?

街中を見回すと、エルフが多く、皆、和服だった

、、、どうするか、テレポートポータルを利用してもいいんだが、、、


、、、そうだな、一度戻るか、旅をするにしても、なるべくあの二人と行動を共にしたいと思う、、、それに、あの、、、ティアって名前だったか、あの子もどうなったか気になるし

とりあえず、この街のボスが倒されたかだけ確認しておくか


「すみません、城主様が冒険者に対して依頼を出してると聞いたのですが、もう誰か達成されました?」

各都市にはそれぞれ、城主からの依頼が最初にある

サービス開始して一週間経つわけだから、誰かしら達成しているとは思うが

街人A「城主様からの依頼?いや、まだ誰も達成してないよ」

あれ?一週間過ぎてもまだ倒されてないのか

「どういう概要なのか教えてくれる?」

街人A「ああ、、、なんでも、城主セイエイ様が大事になさっていたスキルブックが盗まれたらしい」

スキルブック

スキルブックを読んだ人は、その本のスキルを手に入れることが出来る、という使い捨てアイテムだ、読むと消えてしまうらしい

主に、これによってか、レベルアップによってかでスキルを手に入れる

スキルブック屋、なんてものも何処かしらにあるらしいが、スキルブックの作り方は不明

、、、確認の為にも、スキルについても整理しておくか

スキル、とは、SPもしくはMPを使って発動する技、

例えば、突き、というスキルを手に入れたとしたら、スキルとして使う(スキルを使おう、と思う)ことで、SPやMPは通常の突きよりもかなり消費するが、確実に上手く突ける、といった感じだ


「成る程、、、でも、城から盗むってことは相当な手練れでしょ?もう遠くへ逃げてるんじゃない?」

対象が逃げる程鬼畜なクエストではないと思うのだが、一応確認しておこう

街人A「さぁ?でも、明らかに警備が厳しくなってるし、、、

ほら、この通り、壁がそこそこあるし、多分まだいると踏んでるんじゃないか?」

ありがと、と礼をいい、門の前に戻る

「クロ、なんか変な気配とか、解らないか?」

小声でクロ(マフラー)に話しかける

索敵が改以上じゃないと気づかない敵、の可能性もある

クロ「、、、門の左の壁、、、いる」

、、、ビンゴやん

「詳しく教えてくれ、一気に捕まえる」

クロ「、、、左の門の前の人の左、、、五人分ぐらい先」

「ん、十分だ」

クロに言われた場所に何の気もなさそうに移動し、壁を触る

と、不思議な感触がする壁を見つけ、そこを紙を剥がす様にめくると、いかにも忍者です、というような身なりをした、全体的に小さめな、明らかに子供であろう、白髪の、、、ツーサイドアップ?というのだろうか?の少女が自分に向かって倒れてきた

「うおっと」

受け止め、確認すると、、、少女は眠っているようだった

、、、あの体制で寝てたのか、、、

恐らく、あの場所で門番がちょうどいなくなるのを待っていたのだろう

少女を抱え、城に向かった


城主の間

少女を抱え、門番に事情を話すと、城主の間へと案内された

中に入ると、二人の将軍と思わしき男と女に、座布団に座っているエルフのご老体がいた

城主セイエイ「お主か、かの忍者を捕らえたというのは」

「はい、門の壁に張り付いていたのを捕まえました」

縄で手首を縛られた、未だに眠っている少女を見せる

セイエイ「ふむ、、、その娘が我がスキルブックを持っておるか、確認してくれ」

少女を床に下ろし、腰についていた袋を確認すると確かに、黒い謎の皮表紙のスキルブックがあった

セイエイ「うむ、それこそは我がスキルブック、斬鉄閃、、、よくぞ取り戻してくれた!」

斬鉄閃、、、よく色々な漫画などで聞くような名前だ、どんなものでも真っ二つだとか、必殺技だとか

、、、まぁ渡さない訳にはいかないだろう、とセイエイに渡す

セイエイ「、、、ふむ、お主、剣に自信は?」

唐突に話題を変えられたが、、、この質問、、、慎重に答えるべきだろう、そんな気がする

「、、、最近始めたばかりですが、一応自信はあります」

セイエイ「ほほう、最近始めた、、、なのに自信があると申すか!ほほぅ」

セイエイは何かを真剣に考えているように、髭を触りながら瞳を閉じた

「実は、一つお聞きしたいのですが」

セイエイ「む?なんだ?」

「この子は、どうなさるおつもりで?」

安らかに寝ている少女を見る、、、手練れの様だが、まだ中学生ぐらいだろうか

セイエイ「ふむ、、、我が城の宝物庫に侵入したのじゃ、死刑は免れないだろうな」

、、、確かに、城に入って物を盗んで無罪っていうのは民からの批判やら、犯罪の誘発を招きかねない、、、が

「、、、私の報酬なのですが、この子の死刑を免除していただけませんか?」

男将軍「貴様、、、!冒険者風情が、セイエイ様に意見を申すか!」

横で聞いていた男の将軍が、脇に携えた日本刀に手を掛ける

セイエイ「よさぬか毛利、、、お主、この娘の知り合いか?」

「いえ、、、ですが、セイエイ様のお城から貴重なスキルブックを盗むような手練れです、才能のある人材を無闇に殺すのは惜しいのではないかと」

その言葉を聞くと、セイエイがくっくっく、と笑いだし、次第には大声で笑い出した

セイエイ「は〜っはっは!、、、面白い!確かにその通りじゃ!、、、お主、名はなんという?」

「フィア=レイです」

セイエイ「ではフィア、ついてまいれ、そこでこの娘の運命を決めようではないか」

セイエイの後についていった


城主の間を出た直後

少女「ん、ぅう」

少女が体をよじらせ、目を覚ました

少女「ぇ、ぇっと」

自分がどうなっているのか気付いた少女は、バッと目を開き、跳ぼうとしたが

「っと逃がさないよ」

抱きしめるように少女の動きを押さえつける

少女「は、なしてっ!」

顔を近づける形で押さえつけた為、少女に耳を思いっきり噛まれ、思わず少女を落としてしまう

少女は受け身をとり、後ろに跳ぶが

女将軍「動くな、、、別に今すぐ貴様の首を飛ばすことも出来るのだぞ?」

女将軍が、鎧を着ているとは思えない速さで回り込み、少女の首元に日本刀を添える

少女「なら、なんで殺さない」

女将軍「、、、別に殺さないとは言ってない、今からそれを決めるのだ」

少女「、、、拷問、、、?」

少女が一瞬怯えた目を見せるが、直ぐにまた、ギリッと女将軍を睨みつける

「ストップ、、、結局どうやって決めるんですか?」

セイエイ「なぁに、ほれ、ここじゃ、、、咲、その少女も連れてきてくれ」


地下修練場

地下への階段を下りて、大きな扉を開けると、岩壁に囲まれた、的などが沢山見られる、いかにもな修練場があった


ここに連れてきたということはつまり、、、

「、、、成る程、力を示せ、ということですか?」

セイエイ「察しがよいな、、、わしの剣の評判は聞いているだろう?」

、、、もしかして有名な人なのか?

「いえ、聞いてません」

セイエイ「がぁん、、、わしも廃れたかのぅ、、、まぁいい、ほれ、これで勝負じゃ」

わざとらしい程にセイエイが項垂れる

セイエイが転がっていた木刀を拾い、俺に向けてきた

それに習い、落ちていた木刀二本を拾う

セイエイ「そんな長いマフラーを着けて戦うつもりか?」

、、、確かに危険かもしれない、と思いベンチに置く

メニューウィンドウにしまいたいが、カードに戻す必要があるので、モンスターだとばれてしまうかもしれないからな

セイエイ「ほう、二刀流、、、さて、ルールの確認じゃ、、、

結果がすぐに出てもつまらん、わしは左手だけで戦ってやろう、まいった、と言うか、気を失ったらお主の負け、わしの剣を弾くか、わしに膝をつかせたらお主の勝ち、でいいか?」

ハンデなんかいらない、、、と言いたい所だが

「それでお願いします」

負けたらシャレにならんからな

セイエイ「賢明な判断じゃ、お主が勝てば、その娘は解放しよう、わしが勝てば、その娘は死刑じゃ、、、さぁ、来い」

セイエイが剣を左手に持つ

少女「え?、、、どういうこと?」

咲「黙ってみていろ」

二本の木刀を装備、逆手に構え、、、セイエイに向かって走り出した





zeroの前書きを編集しました。

ご確認頂ければ幸いです

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